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京都〜日光570キロを9日間で走った話(その10)

「美味い!なんだこの朝食は?」

前日、境宿から東武線で伊勢崎のホテルに向かった私は、久々に取ったホテルでの朝食の旨さに感嘆の意を全く隠すことができませんでした。宿代4120円でこのレベルの朝食とは尋常ではありません。

豪華ではないが、焼き魚やその他のお惣菜がとにかく美味いのです。聞くと、近所に住むおばちゃんたちが毎朝手作りでおかずを作っていただいているのだとか。なるほど、何か懐かしさを感じさせる、それでいて帝国ホテルの食事に匹敵するほどの偉大なる旨さの秘訣はここにあったのでしょう。もちろん泊まったことなどありませんが。
まぁ、部屋のドアを開けると何故か畳が引いてある和室だったり、部屋に風呂が無かったりなどはありましたが、大浴場があるので全く問題はありません。私はその美味なる朝食に舌鼓を打ち、身支度をしてその「ビジネスホテル 伊勢崎平成イン」を後にしました。皆様も伊勢崎にお越しの際はぜひご体験下さい。決してホテルの回し者ではありません。

さて、本日も関東の友人が応援に来てくれることになっています。昨日の出発点である境宿まで電車で戻り、8時前にスタート。友人の待つ大田駅で合流し、今日の目的地の栃木に向かいます。

大田までの道のり。のどかではあるが暑さが厳しい。


今日の工程は約60キロ。長くはありませんが非常に暑さが厳しい道のりで、友人の並走は非常に助かります。
それにしても関東の道というのはなぜこれほどまでに暑いのでしょう。暑い上に車通りが多く、ひっきりなしに通るトラックの熱気で不快指数がうなぎのぼりに上昇します。そのうえ10キロほどコンビニも自販機も無い、歩道もほとんどない通りを走らされます「あ、あそこにガソリンスタンドがある、トイレと自販機を借りよう!」と思ったら車のディーラーの看板だったときには流石の私も立ち直るのにしばらく時間がかかりました。

「全く、関東は大都会など言うが、これではただの東京砂漠ではないか!」と、内山田洋の面持ちで悪態をつきながら進んでいたのですが、しかしあえてここは津軽海峡冬景色でも歌いながらせめて頭の中だけでも清涼感を満たし、表情を変えずにクールに走るのが真のジャーニーランナーなのかもしれません。

佐野付近の土手にて。雲ひとつ無い晴天。


そして車のディラーを越えてしばらくしてようやくセブンが眼前に出現し、無事我々は休息にありつくことができました。それにしても軽井沢の店舗といい、このセブンの立地の見事さには舌を巻くしかありません。おそらく本社には私のような長距離ランナーがくだを巻いているのでしょう。

そうした苦労があったものの、無事今日の目的地栃木に到着。すき家でこれもまた非常に美味しい生姜焼き定食を食し、友人と別れて今日のホテルへと向かいました。

明日はいよいよ日光東照宮です。残すところ50キロあまりの道のり。しかし明日は友人の並走も無く、平日なので現地の観光客も少ないはずです。この長旅のクライマックスを私は一人寂しくゴールを迎えるのか。。。

しかし、私の想像を遥かに超えたフィナーレが日光で待ち受けることになろうとは、その時の私は全く想像だにしていませんでした。

(その11へ続く)


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