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耐えて耐えて卒業を迎えたあなたへ

「やっと、、、やっと、終わった、、、」

中学の卒業式の帰り道、母の運転する車の中で、私はボロボロ泣いて泣いて、涙声で、ひと言、この言葉を絞り出した。もう終わったのだ、と、自分に聞こえるように言ってやりたくて。

運転席の母は、涙声で「よく頑張ったね」と言った。

私の卒業までのカウントダウンは、中学1年の夏から始まった。あと、2年と半年というところから。

いやがらせの波が、大きくなったり小さくなったりしながら、幾度も私を飲み込もうとした。突然の波に、声を失い、足元をすくわれ、幾度も塩水を飲み、幾度も溺れそうになった。波が穏やかなときも、油断はできなかった。波に飲み込まれないように、手は拳を握り、心も体もいつも緊張していた。

そんな日々が、やっとやっと終わった。もう、あのクラスに行かなくていい。もう、あいつらに会わなくていい。

友達と、泣いて笑って抱き合っての卒業ばかりじゃない。第二ボタンをもらおうと、ドキドキする卒業ばかりじゃない。もう学校に行かなくなってよかった、助かった、卒業式まで出なくて済んでよかった、助かったって、思う人だっているはずだ。

よく頑張った。よくここまで耐えた。よくここまで逃げ切った。よく生きていた。それで十分だ。

人生はこれで終わりじゃない。また違う形で苦労はあるよ。小さな波大きな波、今まで見たこともない波が次々と。でも、これで一つ終わったんだ。苦しみは一つ終わった。間違いない。

ここまで頑張れたんだ、次は絶対大丈夫だ。これまでの苦しみは、絶対にキミを強くした。

終わったんだよ!よく頑張った!

次の始まりまで、英気を養おう。拳はひらいて、体の力を抜いて、お腹を新しい空気で満たそう。陽の光を浴びよう。体を解そう。心を解そう。苦い思いを捨てよう。そうして取り戻したキミで、明日を生きよう。

卒業おめでとう!


#みんなの卒業式

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