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企画レース#16の開催について と「MF ゴースト」のレギュを再現しようとしてみたお話

久々に企画レースをやります!

 私と付き合いが長い方はご承知のとおり、以前はグランツーリスモsportでレースイベントの企画をしておりまして。といっても参加者10人弱の本当にささやかなものでしたが。

 元々、運営主催の公式戦やデイリーレース等がある中で、そこではまずやらないような変わったレギュのルールをやりたいということではじめたもので、色々と変わったレースを全部で15レースほど行いました。それらのレースの模様は私のYouTubeチャンネルにアップしていますのでよろしければご覧ください。

 で、グランツーリスモsportのアップデートがほぼ終わり、コースも車も変化がない中で、やってみたいネタもだいたい出尽くして。第15レースを2021年7月頃に開催したのが最後となっておりました。
 その後、グランツーリスモ7が出た直後の2022年4月に一度開催したのですが、ソフトのバグで予定していたメインレースは実施できず、動画化することもなくお蔵入りとなりました。

 イベントを主催した方はおわかりいただけると思いますが、10人程度の小規模なものであっても主催者はなかなか労力を使うものでして。手間かけて準備したのにバグでレースが実施できないのでは流石にやってられんと。時間を割いて参加してくれたフレンドさんにも申し訳ないですし。

 というわけでもう企画レースはいいかな、と思っていたんですが、それがどういう心変わりで?ということを、レギュの説明も兼ねてつらつらと書いていこうと思います。

「MF ゴースト」読みましたか?

 親父杯の練習を始めた2月上旬辺から、気分を盛り上げるため(笑)に「頭文字D」とか「湾岸ミッドナイト」とかの車漫画を読み返したりしてたんですが、その流れで、これらの作者の最新作の「MF ゴースト」とか「首都高SPL」なんかも手に取りまして。

 よく言われるとおり、マンガにおいて大ヒットした長期連載作の後というのは非常に難しいものでして。作者は他のジャンルに挑戦したかったりする一方で、読者は同じ路線のものを求めたりというミスマッチが生じたり。
 お二方もそれぞれ難しい時期があったように思いますが、「MF ゴースト」も「首都高SPL」もいざ読んでみるとなかなか楽しめるなと。それぞれ「頭文字D」と「湾岸ミッドナイト」の世界観をある程度下敷きにしていて、特に「MF ゴースト」については「頭文字D」の続編と言っていいでしょう。

 単体作品としてどうなのよ、というツッコミはありますが、「頭文字D」に夢中になった世代としては、そんなことどうでもいいと思えるくらいには面白い作品で。非常に今後の展開も楽しみしているところです。「頭文字D」が好きだった方で未読の方はぜひ手にとっていただければと。

グリップウェイトレシオの再現に取り組んだけれど…

 さてこの「MF ゴースト」は(あの高橋涼介が事実上主催する)「MFG」という公道レースが舞台となっていますが、作品中でそのレースのレギュレーションとされているのが「グリップウェイトレシオ」という概念。

 凄く簡単に言ってしまうと、車重が重いほどグリップのあるタイヤを履けるというもの。ぱっと考えると「そんなのハイパワー車が断然有利じゃないか!」というところですが、作品上でも、そういったハイパワー車が幅を利かせていた中に、突如現れた主人公がパワーでは劣勢の「86」を駆って大活躍するという内容になっています。
 「頭文字D」の魅力である、圧倒的弱者のローパワー車でハイパワー車をバシバシオーバーテイクする痛快さを受け継いでいるわけです。

 で、しばらくマンガを楽しんだ後にふと思いついたのが「グランツーリスモでこのグリップウェイトレシオは再現できるかな?」ということ。
 作品中では、上記の「グリップウェイトレシオ」の概念は示されているものの、具体的にどのようなレギュレーションなのかはほとんど言及がありません。
 未読の方のために、作品中にある再現に役立ちそうな情報をいくつか書いていくと、
「エンジンパワーには制限がない」
「軽量化してもタイヤを細くされてしまう」
「タイヤはワンレースワンセット」
「レース専用タイヤの耐久性の設定が絶妙」
「駆動形式によりハンディ(レギュ)が違う」
がある程度。

 で、親父杯が終わった後、試行錯誤してみたんですが、結論から言うと、ロビーでみんなが好きな車を選んで「MF  ゴースト」ごっこをやるのは参加者の車の重さやパワーなどの情報を個別に確認できない現状ではそもそも無理(爆笑)で、残念ながらあきらめました。

 グランツーリスモスポーツの時は車重や馬力が確認できたので、いつかロビー機能が拡充されてできるようになるかもしれないと思い、レース実施は置いといて更に研究もしてみましたが、やはりハイパワー車のほうが速く走れてしまう。

 この記事を読む方なら重々ご承知のとおり、車のレースでは往々にして「パワーこそ全て」なわけです。だから、ローパワーでハイパワーをなぎ倒すフィクションとしての面白さが成立するんですが、現実はそんなに甘くない(笑)

 かといって、ロビー設定でパワーに上限を設けてしまうと作品の設定と矛盾するし、ハイパワー車のパワーを抑えこむことになってローパワー車で倒すという痛快さを損なう。

 となると、タイヤの設定で何とかしたいところなんですが、グランツーリスモ7にはタイヤのインチ変更はあるけど「太さ」の概念はないので、この部分での対応は不可能。すると、残るは消耗しかないので、ここで再現できないか。

 パワー差を埋める方向である以上、グリップ力の低いタイヤ。更に作品中ではドライバーたちがタイヤマネジメントに苦しむ描写がしばしばあるので、作品の設定通りワンレースワンセットの交換なしを前提に、非常にきつめの消耗を設定する。
 このコンセプトで試走を繰り返し、ほんの少し方向性は見えてきたんですが、それでもハイパワー車圧倒的有利は是正できず。

 更にいろんな車でひたすら走ってみるしかないかと考えていたところで、ふと思ったのが、そもそも作品中でも天才ドライバーの主人公だからこそ可能という話になっているわけで。
 そんなに速くない私一人がテストを繰り返しても限界があるので、ここは速い人たちの協力をいただいて、何かヒントを得ようと思いまして。
 ということで企画レースの開催に至ったのであります。

こんなレギュで企画レースやります!

 車は「トヨタ86 GT ‘15」のワンメイク。
 グランツーリスモ7上では、パワーアップされたものも含め、他にもいろんな「86」が手に入りますが、作品の連載開始時期等も考慮すると、やっぱりこれが「MF ゴースト」主人公の車に一番近いだろうと、レギュの検討もこの車を中心にしていた(86が有利でないと意味がないので・笑)ので、この企画レースでこの車の最大パフォーマンスがどのへんにあるのかを知りたいと(ドライバーの技量も含めて)。

 コースは、作品が神奈川で開催される公道レースを舞台としているので、サーキットぽくなく(かといって東京エクスプレスだと「湾岸ミッドナイト」になっちゃうので)一番公道っぽい雰囲気のグランバレーに決定

 消耗とLAP数(距離)は暫定ではありますが現時点で決まっていることを書いておくと。
 チューニングで最大までパワーアップが出発点となっちゃうと、作品のコンセプトと矛盾しちゃうので、先述のとおりグリップの低いタイヤと厳し目の消耗として、スポーツタイヤ1種類(現時点案はミディアム)と高めの消耗倍率(20倍程度)を設定する予定。更に設定の影響を少しでも大きくするべく、車を重くするために燃料は消耗1倍
 LAP数(距離)はもう少し走り込んでいい塩梅のところを見つけたいと思っていますが、企画レースとして皆様にお付き合いいただく以上、あまり長いのもあれなので現時点では10周程度を想定。

 車の改造(チューニング)については、軽量化されちゃうと消耗をきつくした意味がなくなってしまうので、最低重量は吊るしと同じ1230kgに設定(軽量化した上でバラスト積んでクリアする手もあるかもしれませんが、それが意味あるかは試してないのでわかりません…)。
 それ以外は、作品のコンセプトに沿ってパワーアップも含め基本制限なし。唯一、作品の86のイメージと合わないのでナイトロだけ禁止にしました。

 こんな酔狂な企画レースに付き合ってくれるのはどうせ身内のフレンドさんだろうということで(汗)ラフプレーの心配はいらないだろうからペナルティはオールなし。当然ショートカットペナもありませんので、これによっていくつかのポイントでは地元走りが可能になるかもと思っております。

 で、数日前からコツコツと車作りをはじめているのですが、元々テキトーに乗っていた人間なので、セッティングを変えたことによる車の違いが評価できず四苦八苦しております(恥)。
 流石にこのレギュでも吊るしではパワーが足りなすぎて勝負にならないのでパワーアップは必須なのですが、ターボがいいのかスーパーチャージャーがいいのか。足回りは、ギヤ比はどうするか。そもそも詰めていってどの程度変化があるのか。

 そんな感じで、約2年ぶりの企画レースを久々にやってみたいと思っています。