親父杯TA予選総括

御承知のとおり、熱戦を繰り広げた親父杯TA予選が終わりました。

親父杯についていろいろとこのnoteで書いてきましたが、実はそもそもnoteをはじめたきっかけがですね、少し毒も吐きたいなというものでして(汗

かと言ってツイッターだと、発言内容がいきなりフォロワーさん等の目に触れるじゃないですか。いきなり私の毒ある言葉を見せられて他人様を不愉快な気持ちにするのも本意ではない。
その点、noteなら基本的にはネット上での私をある程度知った方がクリックしないと見られないから、まあ多少の無礼は許してもらえるのではないかと。そんな考えでnoteをはじめたのです。

親父杯についても本音を書いていこう、でもまずはオーソドックスな話からと思っていたら、”思ってたより”多くの人に見られたりツイッターで「いいね」をいただきまして。
親父杯を大変な労力をかけて運営されているNiShiKeNさんに御迷惑をおかけするのははばかられるので、とりあえずここまでそういった部分は封印してまいりました。

ただTA予選も終わりましたので、はっきりと私の考えをここに書き残してもいいかなと。意見の違う方は不愉快に感じることもあると思いますが、あらかじめご了承いただければと思います。また、この記事はあくまでも私の意見であって、運営のNiShiKeNさんの見解とは異なる、一参加者の意見だということを念押しさせていただきます。

1 結果から見る今年の親父杯TA予選の特徴

前置きが長くなりましたが、本題に入りましょう。

別記事で書いたとおり、私のTA予選は1回目のアタックで安全圏に入ることができ、表現は凄く悪いんですが、以降はいわゆる高みの見物となりました。昨年は最終セッションまでもつれこんでますので、親父杯3回目にして初めての経験です。

最後の二日間、土曜日そして旅行に行った日曜日も、ある程度リアルタイムで配信は追っていました。で、配信を見ながら私が何かを思っていたかというと「こんなに過酷なのか…」でした。「流石に過酷すぎやしないか」と思ったほど(運営批判ではありません、念のため)。

後述しますが、私は「親父杯だけはガチ」と考えている人間でして。「ガチだからこそおもしろい」と信じておりますが、その私にして言葉を失ったほど。

配信を見ていると、面識はないけど概要発表直後から熱心に練習部屋に通われている姿をお見受けした方が、後がない2回目アタックに出て、ボーダーを越えられず失敗する姿が何度も目に入ってくるわけです。

「あの人、凄く練習してたのに…」「あの人もコツコツずっと走っていたのに…」正直、目頭が熱くなりました。面識のない人ですらそうだから、面識のある人がアタック失敗したときなんてね…。

アタック失敗がただの敗北とは思いませんが(きっと実生活も含めた今後のいろんな場面で生きてくる)、ただ1カ月近く少なからぬ時間をかけて準備してきたのに、今年の親父杯の結果としてはそれ以上のものは手に入らないことが決まるのも事実で。
親父杯は最高に面白いけど、改めてその過酷さも痛感したところです。

ただ、記事ですので、感傷だけで終われない。私が配信を見ながら感じていたのは「今年は、なんで最後になってもボーダーがこんなに上がらないんだろう?」でした。それだけ失敗アタックが多かったということなんですが、ずっと配信を見ながら引っかかっていました。

で、この記事を書くにあたってちょっと数字を整理してみました。以降出てくる数字はすべて私の手元計算です。計算ミス等があったらお許しと共に御指摘を

まずは過去3年の2回目アタックの(単純)成功率です。いわゆるレギュラー3クラスのみを対象としています。
2019年 76.1%(51/67) 2020年 85.1%(80/94) 2021年 59.8%(52/87)

今年の数字はちょっと衝撃的です。計算ミスを疑って検算もしましたが…。常連の方は御存知のとおり、3年間でレギュも大会ルールも違うので単純比較できないのは理解していますが、それでも無視できないレベルの差です。

今年の数字をもうちょっと細かく見ていきます。初心者・初級者の方は当然伸びしろが多いのでその辺を考えて、1回目タイムで絞った次のデータを。
1回目タイム
50.6~51.0 単純成功率57.1%(16/28) 内コンマ1アップ率28.6%(8/28)
51.1~51.5 単純成功率56.5%(13/23) 内コンマ1アップ率39.1%(9/23)
51.6~52.0 単純成功率55.0%(11/20) 内コンマ1アップ率50.0%(10/20)

単純成功率とは、失敗でない(=1回目と同タイム以上)率を指します。現実的にタイム短縮と言えそうなコンマ1以上のアップに成功した率も併記しました。いかがでしょうか。

やっぱりかなり低い。これを見て「今年は予選落ちで大会終了だから玉砕上等のカミカゼアタックが多かったのかな?」とも思いましたが
2回目アタック挑戦(行使)率
 2020年 57.7%(94/163) 2021年 48.1%(87/181)

ちょっと寝不足で書いているので計算ミスがあったら指摘してほしいんですが、何と今年の方が低いという結果に。
ここまで来ると今年のTA予選は、いわゆる4周ルールでのタイム短縮(タイム出し)が非常に難しいレギュレーションだったと結論して間違いないように思います。

思い返せば、予選終盤に違和感を感じたことがあって、それは上位の人がタイム短縮に意外に出てこないこと。
今年はTA予選順位が準決勝のグリッドになりますから、タイムアップには、普通にいつものレース予選と同じ価値があります。上位の方は予選落ちするほどの失敗はまずありませんから、成功・失敗の確率を考えてペイすると判断すれば、もう少し出てきそうなのにどうしたんだろう、と。
もう一つ関連していえば、それでも何名か上位の方が2回目アタックに出られましたが、(大変失礼ながら)ほとんどタイム短縮がなかったことも、いま思い返せば大事な情報だったかもしれません。

2 なぜタイム短縮が難しかったのか

中級者(といって許されるかな?)の私が書いても説得力を欠くのは承知の上。上級者には「こいつ、間違ったこと言っているぜ」と笑われるかもしれませんが、中級者の考えにも需要はあるかもということで、僭越ながら私の思ったことを。

今年のロードスター&ドラトレシーサイド。
まず、これは皆さん気づいていたことだと思いますが、1周1分50秒あるコース(レギュ)にしては、全開区間が多く、差のつくポイントは限られていました。
 1セク最初のS字
 5コーナー(通称デグナー2個目)
 2セク最初の高速スラローム
 2セク最後のヘアピン
 ダブルシケイン
 最終コーナー

私は、大きなポイントと言えば4つ、全部でも6つしか思い浮かびません。鈴鹿のような1コーナーに始まって次から次へと差のつくポイントが続くコースとはやはり性質が違っていたと思います。

その結果何が起きたかというと、人によって、という但し書きはつけますが、たまたまはまれば自己ベストが出てしまう罠があったと。
ところが、この自己ベストが実力かというと全然違う。限られた数少ないポイントで、精密かつ正確な操作を一定の確率以上で再現できてこそ、このレギュでの真の実力だったと。

今回参加された方は御存知のとおり、1セク(特に最初のS字)で中ぐらいの失敗(レベルにもよりますがコンマ3落ちぐらい?)をしただけで、かなりラップのリカバーは厳しくなる。操作の正確性(ミスの排除)を極限に高いレベルで求めてきたのが今回のTA予選でした。

従って、自己ベストは非常に重要なベンチマークなんですが、それ"だけ"に囚われてしまうと、予選へのアプローチを間違えてしまう落とし穴があった。最速を争う上位の方や、伸びしろ豊富な初級者の方は別として、ボーダーを争う中級者にとっては、自己ベストより平均タイムのほうが重要だったのかもと思います。

ほんとに手前味噌になってしまうんですが、別記事で書いたとおり、私は今回の予選にあたって、原則1日1回の本番4周シミュを重視したアプローチをとりましたが、上で紹介した数字を見てしみじみ思ったのが、結果としてこれはかなり大当たりのやり方だったかもしれないということ。

予選当日の私は「自己ベスト50.685からコンマ〇秒落ちの○○台は出したい」ではなく、「1日1回の本番4周シミュで、過去8日間とも最低目標の51.1台は出せている。だからきっと大丈夫」と言い聞かせ(自信をつけて)臨みました。
実力的にボーダーギリギリの方であれば、それまでに蓄積した4周シミュの結果を元に、ボーダー越えタイムが出せる成功確率がどれくらいか把握しておくやり方です。

一歩間違えれば私も本番で失敗していたので偉そうに言える立場ではないのですが、もし見ていた方が「とのさん、実力のわりに予選は上手くやったなあ」と思われていたら、考えられる要因はこの辺りかと。

予選を終え「自己ベスト(近く)がTA予選本番で出せなかった~」と悔しい方もいるかもしれませんが、そもそも簡単に自己ベストが出せるようなレギュではなかったのかなというのが私の見解です。

更にタイム短縮が難しかった原因の推測をもう一つ。それはTA予選特有のあのプレッシャーです。
「緊張した~」というツイートがあちこちで見受けられましたが、いや、今年もあの尋常じゃない緊張感は健在でした。
上記の操作の正確性が要求されるレギュとプレッシャーが相まって、タイムを押し下げる結果にというのは言わずもがなですが、もう一つ追い打ちをかけたのではと思っていることがあって。

今回のドラトレシーサイドのレギュでコースアウトするポイントは大体以下の感じかと思います。太字が私の考えるメジャーなパターン。
 1セク最初のS字後の立ち上がりで外に膨らむ
 5コーナー(通称デグナー2個目)立ち上がりで外にはらむ
 2セクの高速S字(スラローム)でラインきつくなって飛び出す
 2セク最後のヘアピン立ち上がりで外側の縁石越える
 名物結婚シケインでヒット
 最終コーナー立ち上がりで外に膨らむ

ちなみに私のレベルで鈴鹿のコースアウトポイントと比較してみると
 1コーナーで飛び出す
 S字から逆バンクのどこかではみ出す
 デグナー1つめ過ぎたところで飛び出す
 ヘアピンで止まり切れない
 スプーン入口で飛び出す
 130Rで飛び出す
 最終シケインで止まり切れない

思うのは、私のレベルですと、鈴鹿はたいてい減速しきれずに飛び出す形のコースアウトが多いのですが、今回のドラトレシーサイドはアクセルオンの状態でのコースアウトがほとんどだったこと。そんなのわかってるよ、と言われそうだけど(汗。

で、私のようなレベルですと、予選TAのようなプレッシャーのかかる状況下で、一発いいタイムぶっこみたい、全身全霊かけて全開アタックいくぞ!となると、恥ずかしながらついついブレーキで頑張っちゃうんですね。ほんと恥ずかしいんですがそういう癖がついている。

このレギュは、絶対にブレーキで頑張っちゃいけないのに、意気込みとプレッシャーでつい頑張ってしまう。するとわずかに行き過ぎて理想のライン取りとアクセル操作ができない。
それでもタイムを出そうとすると、最後の立ち上がりで膨らんでツケを払わされるというTA予選の緊張感の下では悪魔のようなトラップが仕掛けられていた

以上、書いてきたことは私の意見で、課題設定をされたSさんや上級者の方々には「とのさん、わかってないな~」と言われちゃうかもしれませんが、実際にTA予選の戦いの場に身を置いた一人の中級者の感想ということで御容赦をいただければと思います。

3 素晴らしき親父杯中毒者(親父杯ジャンキー)

今年、親父杯にはじめて参加された皆様。
予選突破された方、予選敗退となってしまった方、それぞれいらっしゃると思いますが、いま親父杯というイベントについてどうお感じでしょうか。
「すげえ楽しい!」という方、「うーん、ガチ過ぎてついていけない」という方、いろいろかと思います。

この項では私の本音を書いていきます。内容によってはNiShiKeNさんが「とのさん、余計なことを~」と頭を抱えられるかもしれませんが、あくまでも私個人の意見(本音)ということで。

今年3回目の親父杯TA予選に参加してしみじみ感じたのが、この記事を書くにあたって勝手に「親父杯中毒者(親父杯ジャンキー)」と命名した参加者たちの存在が実に魅力的であること。

ジャンキーとは特定のグループやコミュニティに属する人ではなく、あくまでも個人なりグループなりで、親父杯が大好きで熱心に取り組んでいる参加者の総体を差しています。
速さのレベルは関係なくて、過去一度も決勝進出は果たしてないけど私の中では立派なジャンキーという方もいますし、逆に、過去3回全部参加していたり、親父杯大好きだという人ならみんなジャンキーかというとそうでもなくて。今年初参加でも既に私の中ではジャンキー認定した方もいらっしゃいます。

私が考えるに、このジャンキーの方々にはどうも結構な共通項があるようでして。順番に述べていきましょう。

その1 子供っぽいとこもあるけど何だかんだ言ってみんな大人

私も含めw時には子供のような余計なことを言うこともありますが、何だかんだ言ってみんな大人というのが、ジャンキーたちの一番にあげたい共通項

分かる方はお察しいただけるかと思うんですが、今年のTA予選部屋もちょっとしたマナー違反を、正直、何度か目にしました。練習に打ち込んでいざ本番の晴れ舞台。小さなことでも影響を受けた方は気になるものです。私は運営ではないですが期間中に注意喚起のツイートをしようかと思ったくらい。

でも、表立って文句を言った人は(私の知る限りは)一人もいなかった。イラッとしたりちょっと不利があっても、口に出さず飲み込んで黙々と自分のやるべきことに集中する。あー、みんな大人だなと思いながら見ていました。

ロビーでオープンの練習部屋を開いた時にフレンドさんと何度か話したのが「うるさいガキがいなくていい 親父杯の練習はマナーがいい参加者が多いからラク」ということ。
時には例外もあるでしょうがw全体としてジャンキーたちはあまり余計なことは言わずに落ち着いて大人の対応をする。このことは親父杯ジャンキーの大きな特徴かなと思います。

2 親父杯は自分の意思で決めて参加するイベントと思っている

自分を例にとるのはおこがましいですが、私が特定の個人の方に親父杯への参加を奨めたり誘ったことは、ほぼないと思います(親しいフレンドさんはほとんど出場しているというのもありますが)。
動画やこのnoteで親父杯の魅力をアピールしていたじゃん!と思われるかもしれませんが、それはあくまでもマス(集団)に向けてのもの。

なぜ?と聞かれれば、万人に完璧なイベントというのは存在しないと思っておりまして。親父杯がいくら最高に楽しくても、やっぱり合う人合わない人がいると思っているのです。
だから「自分は親父杯最高に楽しんでるぜ」とツイートしたり、聞かれれば「いいイベントだよ」とは答えますが、聞かれてもいない人にこちらから出かけていって奨めたりはしない。

で、これは裏を返せば、親父杯は大人の集うイベントだから、自分の意思で出場するかしないか決めるものという考えの表れでもあります。
普段の日常生活で、友人の誘いというのは自分の世界を広げる大きなチャンスだと思っており、否定どころか肯定的に考えていますが、他のイベントはともかく、親父杯に限っては「フレンドさんに出なよって誘われたから」で受け身の姿勢で出場しても、その魅力を本当に楽しめないだろうなというのが偽らざる本音

後述しますが練習も十分しないと楽しめないし、何といっても中途半端な気持ちでTA予選に臨んであのプレッシャーにさらされるのは不幸かと。
ですので「誰か声かけてくれないかな~」と待っていても、私が知る限りジャンキーたちは声をかけたりしない。
これは、過去は出ていたけど今年はいろいろあって出ないよ、という人に対しても同様。「出ないの?」とか「出ればいいのに」ぐらいに軽く水を向けたりはするかもしれませんが、それ以上押し付けたりしない。

親父杯は自分の意思で主体性をもって出場するかどうか決める大人のイベントだというのは、ジャンキーたちが共通して持っている考えだと思うのですがどうでしょうか。

ただ誤解してほしくないのはジャンキーたちは決して排他的ではありません。むしろ新しい参加者が名乗りを上げないかとワクワクしている。今年も練習部屋で、初出走の知らない方が速いタイムを出していると「お、あの人速えぞーー!」とすぐ盛り上がっておりました。
「親父の中の親父、出てこいやーー!!」(高田延彦風)のように、未知のプレイヤーが颯爽と挑戦状を叩きつけ、新たなライバルとして登場するのをジャンキーたちは待っているのです。

3 やたらと猛練習する

親父杯ジャンキーたちは、期間中、ちょっと大丈夫?と言いたくなるレベルで猛練習する(爆笑)。もうこれはジャンキーの絶対間違いない特徴です。

ちょっと話を変えて、お気づきの方もいると思いますが、実は私、結構広い範囲で親父杯関係のツイートはチェックしています。で、いくつかお見かけしたのがジャンキーたちの猛練習に気後れされたのか「親父杯はレベルが高すぎて私なんかはとても…」といった内容のもの。

これは絶対の自信をもって断言しますが、親父杯に参加するのに速い・遅いはまったく関係ありません。ジャンキーたちもそう思っているのは間違いありません。私が保証します。

ただし、言いにくいのですが、正直に言うとひとつ条件があって「ちゃんと練習を積んできた結果」というのはあります。くどいですが、逆に言えばこの条件を満たしていればどれだけ遅くてもオーケー。期間中できる限り練習をしたけれど54秒台だったという人には、ジャンキーたちは最大限の拍手を送ると思いますし、そこまで練習している方がアドバイスを求めれば、ほとんどのジャンキーは多分親身になってサポートしてくれると思います。

こう言うと「自分はそんなに練習できないよ~。もっとエンジョイ派で気軽に楽しみたいよ~」とお感じになった方もいると思います。それももちろん間違いではないですし、そういう方も胸を張って親父杯に出場していいと思います。

ただ、ここでお伝えしたいのは、私も普段はエンジョイ派の代表みたいな存在なのです。この1年間、FIA公式戦はルートXしか出ていない(大爆笑)ですし、ロビーの草レースで初級者の方にあっさりオーバーテイクされる日々を送っていたわけです。他のゲームをやって1か月ハンコンを触らないこともあったり。GTSやってると言えるのか、というレベルのエンジョイ勢なのです。

そんな私が、唯一本気で取り組むイベントが親父杯です。だからGTSジャンキーではなく親父杯ジャンキー
安定した運営クオリティは言わずもがな、非常にイベントとしても盛り上がるものになっていますし、イベント前の、練習に打ち込んで自分の技量を向上させる環境も抜群に整っている。

どのイベントにどれだけ力を入れるかというのは個人の考え次第ですが、親父杯はそれだけのリターンがある大会です。
親父杯のスポンサーさんは超が3つ付くくらい大奮発してくれていますが、それでも圧倒的多数の方は賞品を手にすることなく終わるでしょう。しかし、賞品はもらえなくても、得られるリターンは他のイベントとははっきり言って比較になりません(あ、ちょっとぶっこんじゃった…)。

損得を見極める眼力を持っている大人の親父達が、それだけの見返りがあると判断しているからこそ、ジャンキーとなって、例外なく老体に鞭打って1カ月もの長期間にわたってあんなにアホみたいに練習をしているのです。

その意味ではエンジョイ派とジャンキーは別の集団ではなく、実は表裏一体の存在ではあるのです。初エントリー時はエンジョイ派だったのにいまやガチガチのジャンキーという人は何人も思い浮かびます。

悲しいかな、年をとっている以上、若い10代・20代の子に伍して国内トップレベルで常時しのぎを削るというのは現実には厳しい。厳しい言い方かもしれませんが、私に言わせれば大半の親父達は、多かれ少なかれ普段はエンジョイ派なのです。
でも、そんな親父達がこのイベントだけは、限界を争う熱く激しい戦いの中に存分に身を置くことができる。その魅力に気づいてしまうとジャンキーになってしまうのです。

ていうか、親父達がこんな練習を1年間続けてやったら身が持ちません(真剣)。下手すりゃ家庭も持ちません(爆)。ジャンキーも普段はほとんどがエンジョイ派だということを強調してこの項は終わりたいと思います。

さて親父達がアホみたいに練習に励む理由がもう一つあって。それは次の項で述べます。

4 親父杯では言い訳をしない

まあ、絶対しないかというと、実際のところ私も含めて多少は言い訳をしているかもしれませんが、これもジャンキーたちの共通項としてずっと感じているところ。

いい年をした親父達ですから、仕事の都合だったり家庭の事情だったり、もしくは自身の体調だったり。人によっては練習に時間を割けない事情がいろいろあるわけです。

でも、ジャンキーたちはそれを言い訳にすることはほとんどないように思います。「仕事が忙しくて練習できなかった」ではなく「仕事が忙しかったからこれが今年の自分のベスト」という感じ。ちょっとした言い方の違いかもしれませんが、私は大きな違いだと思います。

各々が事情の制約を抱えながら、その範囲内で言い訳をせずに、いまできる自分の最高のもの、これがいまの自分の実力です、というものをぶつけてくる。そしてそれで評価されることを受け入れ、納得している。

結果を見せ合った時に「これは俺の実力じゃない」なんて言われたらどっちらけですから。
あいつは「他のイベントに出るから練習できなかった」「いろいろ事情があって本当の実力が出せなかった」なんて言い訳は絶対にしないと。
ジャンキーたちは大人の親父として、互いにライバルを信頼しています

それだからこそ、ライバルにいまの最高の自分を見せるために。頭では大変だと思っているのに練習がやめられないのです。アホみたいに練習する背景には、こういう思いもあるのです。

何だかんだ言って「タイム縮まらね~」みたいな愚痴やらネガ発言はみんなそこそこしていますけど、いざ結果が出たときに、それが十分満足のいくものでなくても、ジャンキーたちはまず見苦しい言い訳はしない。これは本当に見事だと思っています。

4 最後に

TA予選期間中、あれこれと書いてきましたがこの記事で最後です。
準決勝、決勝は一発勝負のレースという性質上、あまり記事にするネタもないですから、noteとしてはレースレポぐらいになるかと。

個人の意見を繰り返しますが、親父杯は大人の集う大会だと思いますし、勝手ながらそうあり続けてほしいなと願っています。決して私が人格者ということではなく、私自身マナー違反等もあると思いますが、これからもそういう気構えで参加したいなと。

思いのほか多くの方に駄文にお付き合いいただきました。
最後までお読みいただきありがとうございました。