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最後の悪あがき

今さらですが、ROACHを脱退しました。

正確には「脱退させられた」という表現のほうが正しいですかね。

公式アカウントとたーまさんから発表があってだいぶ時間が経ちましたが、今さら思いを語らせてもらいます。

これから書くのは、あくまでも私の思いです。

まず最初に、俺はROACHが好きです。それは、憧れに近いほどの思いです。

以前のnoteでも語ったけど、俺にとってROACHは特別なバンドなのです。

そんなバンドに加入できたことが嬉しい反面「俺がROACHのギター?、、、それってROACHなのか?」という感情が常にあった。

沖縄からやってきた彼らに対するリスペクトであり、大好きなバンドが「違う形」に変わっていく寂しさを感じていたからだ。

長年やってるバンドにとってはあるあるかもしれないけど「あの頃の姿」がもう見れない寂しさというのは、いちファンである俺にとって拭えない感情だった。

曲作りを通して、その思いは加速していった。

「もはや、これ別物じゃね?」って思ってたの、俺だけじゃないんじゃないかな。

俺らなりに苦労して生み出してきたんだ。後悔はしていない。

でも、たぶんこれは他のメンバーも感じていたんだと思う。

新しい形を求めるほどに、本来の姿を見失っていた気がする。

ただ、ライブをしてる瞬間だけは、そんなのぶっ飛ばせた。

フロアのみんなやメンバーの笑顔が、そんなことどうでも良くさせた。

でも、制作活動に入ると違和感はまた出てきた。

気づいたら、制作活動すらしなくなっていた。

どういう方向に進めて良いか、完全に行き詰っていたからだ。

それぞれ目の前にある日々を過ごした。

そんな時、たーまさんと長電話をした。

全然シリアスさのない軽いテンションで、たくさん話した。

最近どうだとか、好きな映画とか、くだらない話ばかりでたくさん笑った。

会話の中で、彼の発表にあった通りの気持ちを聴いた。

バンドに対する苦悩、メンバーへの思い、自分のやりたいこと、これからの人生。

「やっぱ、この人がROACHなんだなー」とか思いながら、ただ話を聴いていた。

そして「初期メンバーでやり直そうかと思う」と聴いたとき、やけに腑に落ちた。

そのほうが良いと、どこかで思っていたのだと思う。

言い出すには気まずい部分もあったと思うけど「俺もそうしたほうが良いと思います」と、心から素直に言えた。

「らしさ」を保ちながら前に進むためには、必要不可欠な決断だったと思う。

明日の遊ぶ時間を決める少年のようなテンションで、バンドの未来について話し合った。

後悔はない。

なんなら、話終わったあとやけに清々しい気分になったのを今でも覚えている。

周りを騒がせて加入したからには、中途半端に投げ出したくなかった。

加入して数本ライブやったくらいで脱退なんて、そんなダサいことしたくなかった。

でも、彼らに対するリスペクトや、大好きなROACHへの気持ちを踏まえて、潔く脱退することにした。

中途半端な期間だけでもROACHメンバーになれた「誇らしさ」と、周りを騒がせといて何もできなかった「不甲斐なさ」を、俺なりの最大限の見栄っ張りで言わせてください。

「脱退した」のではなく「脱退させられた」のだと。

偉大な先輩であり、愛しき友人へ送る、最後の「悪あがき」。

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