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2021年買ってよかったもの

今年も己の散財を懺悔する時期がやってきた。
なにかを買うたびに、「これでしばらく何も要らないな」と思っているのに、ふと気がつけばまたなにかが欲しくなっている。思春期の恋のように。
欲望はつらい。扱いきれない欲望は特につらい。

しかし、物欲の良いところは、「購入することで、一時は忘れることができる」点にある。実らない恋と異なり、クレジットカードはつかの間の安心を与えてくれる。
それだけではない。血眼になってネットショップを比較し、カスみたいな個人ブログに文句を言っている間、僕は物欲そのものとなる。
物欲は北北西に進路を取り、日本列島に上陸する。
暴風が吹き荒れている間、僕は狭い部屋に閉じこもる。
この忌まわしき自我を忘却し、自らの身体の操縦を物欲という他人に預けることができる。

物欲の嵐が太平洋の東側で熱帯低気圧に変わるころ、
部屋のドアをヤマト運輸がノックする。
後には、大量の段ボールと、欲望の結晶と、クレジットカードの請求書が残る。僕は、自分自身が吹き飛ばされなかったことに、少し安堵し、到着した商品を触りはじめる。
そして、僕が僕自身に戻りはじめたころ、南の海でまた新しい物欲が生まれる。そうして1年が過ぎていくのだ。

iPad Air 第4世代 +  Apple Pencil 2

今年の1月に購入。どこに行くのも一緒です。
僕の購入当時は品薄気味で、Apple Storeの入荷情報を血眼で眺めたり、
心斎橋のApple Storeの対応にブチ切れたりしていたのもいい思い出である。

iPad Pro相当のパワーに加え、Apple Pencil 2 対応だし、USB-CだからAndroidと充電ケーブルを兼用できるし、とにかくストレスが少ない。
強いて挙げるなら、Kindleがアプリ内で買えないのと、3.5mmイヤホンジャックが無いことが不満点だろうか。
ハードウェアキーボードと組み合わせたときの、文字変換がやや気持ち悪いのも気になるところである。

キーボードは純正ではなくlogicoolのK380を使っている。
半年ほど使ったタイミングで接触不良を起こしていたのだが、交換してもらったところ、これがiPadと本当に相性がいいんだ。
テキスト入力の面では、iPad OS 15 のアップデートで、デフォルトのメモ帳をスワイプで起動できるようになったのが嬉しい。「メモを取らなきゃ」からメモを取り終えるまでが爆速。くだらない妄想のメモを取りまくっている。

まあ、スペック面での良いところはたくさんあるんだけど、
一番嬉しいのはiPadとカメラを持っていれば、どこでも自宅になることである。
Lightroomがさくさくと動くので、外出先でのRAW編集も簡単。Twitterも大画面。
その気になればリュックひとつでどこでも行けるのだ。こういう「その気になれば」の可能性を片手に握りしめて、我々はなんとか日々をやり過ごしているのだ。

MacBook Air M1 16GB 512GB

6月ごろに購入。いや、iPad買ってから1年も経ってないのに!って話なんだけど、だって、ねえ。
iPadも快適ではあったのだが、iPadだけでこれだけ楽しいのならば、Macがあればどれだけ・・・と興味を持ってしまったのがいけなかった。
在宅労働のさなかに、Apple Storeの整備品コーナーをリロードしまくってたのもいい思い出である。

購入当初からの印象通り、これまで使っていたivy bridgeのデスクトップでできることは全てできる。iPadのside carでデュアルディスプレイもできるので、トリプルディスプレイ環境のデスクトップ前に座ることがめっきり減ってしまった。
軽いし、充電は1日ばっちり持つし、とにかく爆速である。LightroomやPhotoshopが10秒以内に起動してしまうので、「起動待ちの間に、Twitterでも見ようかな」といった脱線が減った。代わりに、アプリケーションを起動した後にTwitterを開いてしまうようになったのだが。
あとから発売されたM1 Proのパワーが注目されてたけど、M1もコスパがよいとしみじみと思う。

まあ、デメリットも無いことはない。
例えば、僕が愛用していたDTM用のVSTプラグインはM1非対応のものが多い。
僕はWAVESのプラグインを長年にわたって集めてきたのだが、M1で動かすには有償アップデートが必要なようだ。もっとも、これはWAVES側の問題である。ただでさえ二重価格でアコギな商売をやったり、いろいろとややこしいのにさあ・・・
あとは、本体側の接続端子がUSB-C 2つだけなので、Ankerなどの拡張デバイスがどうしても必要になってしまう。メインシステムとしてがっつり使うならば、色々と工夫がいるんじゃないだろうか。

富士フイルムXF16-55mmF2.8 R LM WR

改めて列挙するもこのレンズを買ったのも今年か・・・
富士フイルムの大三元レンズ。
デカくて写りがいいナイスなやつ。

元々は標準ズームとしてXF16-80 F4を使っていたのだが、どうも写りが気にいらず、下取りに出してこいつを買ってしまった。
標準ズーム域なので、このレンズでないと撮れない写真は無いのだけれど、当たり前を当たり前に撮れるところが気に入っている。

明るいし、重いし、AFも早いし、重いし、写りもいいし、重いし、重いし、重いし、とにかく重い!ちょっと使ってるだけで、翌日は筋肉痛である。
そんなわけで、持ち出し頻度は少ないものの、大三元が一本あるだけで手持ち機材全体の「おさまり」のようなものが全然違う。
手札が全部やられてしまっても、まだXF16-55 F2.8が残ってると思うと、安心するのだ。
それにしても、手ぶれ補正が無い初期のXシステムで、よくこんな重くてデカいレンズを出す気になったよな、富士フイルムは。

カリモク60 Kチェア 2シーター

カリモクのド定番ソファ。一人暮らしをはじめて長いのだが、初めてのソファである。
というのも、ソファのあるライフスタイルって、どうしてもテレビを中心としたものになってしまう。うちにはテレビが無いので、ソファを買ってしまうと、芯のないドーナツ的空洞が生まれてしまうのではないかと不安だったのだ。

在宅生活がはじまり、ベッドとパソコンデスクを往復するか、あるいはその中間の床に横たわっている状態が多くなった。
どうにか、体を縦にしたくて買ったわけである。

カリモクを選んだのは単純で、安くてそこそこのものが欲しく、なおかつ良いソファの基準を持っていなかったから。
IKEAやニトリで安いソファを買ってもよかったんだけど、やっぱり定番を一度は経験してみたかったのだ。メルカリで3万5000円くらいだろうか。

ぶっちゃけ座り心地はそれなりである。あまり体にフィットしないので、クッションなどで調整する必要がある。
でもまあ、軽くて扱いやすいし、長時間座っていてもそんなに疲れない。
なによりも、「家にKチェアがある」っていう状態が面白い。あまりにもベタすぎてウケる。インテリアのセンスが無いのもあるが、なんか、通販サイトの安っぽいカタログ写真みたいになる。

IKEAの照明たち

リビングの照明を、シーリングライトからIKEAのスポットライトやら電球に変えた。
部屋のカラーバランスがめちゃくちゃになった。

その前は当たり前のようにシーリングライトを使ってたのだが、
数年前に岸政彦先生と光嶋裕介さんの対談で「なんでみんな、とりあえず丸いシーリングライトを買うんだろう?」みたいな会話を聞いて以来、なんとなく買い替えたい気持ちを抱えたまま生きていた。まあ不便はしていなかったのでそのまんまにしていたのだが、Kチェアを買ったのを契機に、暖色のライトが欲しくなったので、思い切って取り替えたわけである。

いや、もう部屋が一気に暗くなったね。くらーくなった。そりゃそうだよ、スポットライトだもん。光が全然拡散しないの。
もっとも、僕自身は石の裏の虫みたいに暗い場所を好む生き物なので、全然気にしてはいないのだけれども。

照明関係で言えば、ゆくゆくはスマートホームハブを導入して、Alexa経由で管理できるようにしたい。Zigbee規格のハブが割高なので、この計画は進捗が無い。

鉄フライパン・スキレット・包丁

今年の5月ごろから、ふいにフレンチが作りたくなって、youtubeでレシピ動画をよく見るようになった。
これまでステータス値を振り分けてなかった項目が伸びていくのが楽しくて、道具をいろいろと買い揃えている。
2000円のフライパンとか包丁を買うだけで、一気に便利になるのが面白いですね。iPadやMacよりよっぽどコスパがいい。
自分の中で基準を作っていくと、世の中の細かい部分がちょっとずつ分かってくる。分かったつもりになって痛い目を見たり、落ち込んだりして学んでいく。

総括

この文章は12月初旬に途中まで書いてやる気を失ったのち、2021年12月31日の22時35分に思い出して総括したものである。前半に何を書いていたのか覚えていないので、読み返すのが怖い。
だいたいそんな感じの2021年であったが、こういう感じで総括するやつにまともな新年がくるわけがない。
来年もいろんなことをすっかり忘れたり、思い出したりして過ごしましょう。

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