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現代おもちゃとミステリー

久しぶりの日記だ。はい、元気です。
先日、長男が誕生日で4歳になった。
小さかったボンがもうそんな年に。わがままで人見知りだが、まぁそこは父ちゃんも負けてない。私がなんとかなってるから、君もなんとかなるんだろう。
で、誕生日ということで、なんだかいろいろ貰ってた。

お得意の学研ニューブロックだが、プログラミングできるのである。
コックピットに役割が振られたコマを直線に並べて配置すると、モーターを動かしたりLEDを光らせたりする。
こいつをブロックに組み込むことで、風車やらトラックやらが動く状態で作れる。激アツ追加パーツなのである。
役割のコマをどう並べるか、これは大人の私でも結構面白い。歯車なんかを組み合わせて複雑な動きが実現できると、息子を差し置いて遊んでしまう。

対象年齢4歳からとあるが、さすがに制御を完全に理解するのは難しそうだ。ただ、作られたコマを並び替えることで、少しずつ理解できるようになっている。命令は子供用なのでかなりシンプルだし。壊れにくそうにできてるのもありがたい。実によくできている。子供のうちに鍛えにくそうな脳みその部位が刺激されるオモチャである。

しかし父ちゃん的にはもっと複雑なことがしたい。基本的に「長くうごかす」「短く動かす」「光らせる」「くりかえし」「逆再生」「半分再生」「ストップ」をどう組み合わせるかだけなので、動きが単調だ。
入力があればどうこう、とかこの条件でどうこうとかしたい。あと、単純にモーターの出力がもっと高ければ面白い。
こういうときにArduinoとか電子工作できる人が羨ましくなる。改造しまくりたいなぁ。

あと、誕生日プレゼントなんかで図鑑も増えてきた。
図鑑を見てると思う。
「私はこんなにも世界が理解できていないのか」

虫一匹一匹に名前があり、普段食べてる魚にもさまざまな生態がある。あたりまえだ。
にもかかわらず私は「小さい虫」「雑草」「白身魚」ぐらいの解像度で人生を歩んでいる。ぼやぼや。世界解像度1dpi。

ためしに以前捕まえた蝉や、みつけた虫なんかを図鑑で探してみる。
それだけで、図鑑との向き合い方も変わってくる。
好奇心を満たすだけの書籍が、目的を持って向き合うと、心強い先生のようなパートナーになる。「形は似てるね」「模様はどうかな」「触覚を見比べてみよう」「生態からいってこっちかな」図鑑と会話が成立する。
なんだコレ楽しい。

あー早く、魚系をマスターして息子と水族館に行きたい。
情報を持ってるかどうかで水族館はまだまだ面白くなりそうだ。
いつになったらいけるのやらね。
とりあえず変な名前の海の生き物。
・キタマクラ
・タコノマクラ
・スカシカシパン
・パイプウニ
・スベスベマンジュウガニ
・オジサン
・インターネットウミウシ
名前って何かしらちゃんと命名されてると思ったけど、そうでもないんだ。


作家の竹内祐さんに勧められて早坂吝氏のミステリー「〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件」を読んだ。丸が無駄に並んでいるがこれが正式名称だ。

このミステリー小説、かなりトリッキーな作品であった。メフィスト賞を受賞してるだけあって、緻密でありながら珍味である。
ミステリーは概ね「フーダニット(誰が犯人?)」「ハウダニット(どうやって犯行を可能にした?)」「ホワイダニット(なぜ犯行を犯した?)」などを推理しながら読むのが楽しみであるが、このミステリーのポイントは「タイトルは何でしょう」、それを当てろというのである。
〇〇〇〇〇〇〇〇、八文字!
孤島・仮面・密室サークルと、めちゃくちゃオーソドックスな事件なのだが、その先にはミステリー好きを釣ろうとする大きな釣り針が仕掛けられている。そして、このタイトルが分かった時、すべての謎が解ける。
あーー、もうクソやられた。メタとかそんなんじゃなく、真っ当にやられた。超悔しい。
あと探偵も癖がありすぎだ。なぜ■■探偵なのだ!趣味か!趣味なのか!
あんまりにも悔しいから、■■探偵のシリーズである「虹の歯ブラシ」も読む。〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件よりもさらにトリッキーじゃねぇか!
ミステリーの形はしているが緻密に積み上げすぎて異形の現代アートオブジェのようだ。万人には勧められないが、熱にうなされるように読み込んでしまった。作者の言ってることに間違いはない。うん。間違いはない。

というわけで、解像度と自由な発想を手に入れ
脳がいろいろ拡張した気がする。
ちょっと変なものを作ってしまうかもしれないが、
それはそれで世界が広がるかもしれない。

来世、救われます。