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深夜のカニーー!

深夜廻というゲームが発売されて3周年。ということを今ツイートで知る。株式会社闇でこのゲームのプロモーションのお手伝いをさせてもらった。ずいぶんと懐かしい気分だ。
夜廻というゲームの続編で、今ではスマホでもできるホラーゲームである。あるのだが、ビジュアルが敵である怪異も含めて非常に可愛らしい。背景の書き込みも綺麗で、ピアノの旋律が美しい。しかし、このアートでなんでこんなに怖いんだというぐらい怖い。「子供の頃に感じた夜の怖さ」がコンセプト通り浮かび上がる。ホラーの奥深さを知れるゲーム作品だ。
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で、当時、このゲームのWebプロモーションを依頼されて、その時の開発状況がとても思い出に残ってるので備忘的に記す。すこし疼くものがある。
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三年前、このゲームをどのようにWebプロモーションすれば良いかを社内で話し合う。このシリーズのコンセプトであった「子供の頃感じた夜の怖さ」をこのゲームの美しいビジュアルで体感してもらうことでゲームの魅力が伝わるだろうと、ブラウザでできるミニゲームを作ることにした。「ウォーリーを探せ」のように町中を探索し「ハル」という登場人物を探すゲームを作った。マップデータと怪異の声やモーションデータも素材としてもらい、かなり原作のゲームの魅力に近づけたかなと満足していた。ただスケジュールはギリギリで公開一日前になんとか完成した。
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で、社内でブラッシュアップしてるときに、部下の向後と久保田が、事もあろうに上長である私に楯突いてきたのである。(この当時社員は私含め3人だった)
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「トンカさん、これじゃ話題にはならないっすよ、なんか足りてないですね」

こ、公開一日前ぞ!何を血迷ったか!と思ったが、この人たちには「おべっか」とか「忖度」とかそんな高度な機能は搭載されて無いので、素直に聞くことにする。
「ゲームの基本機能は良いが、それを話題化するコミュニケーション設計ができてないですね」
と、耳の痛いことを言ってきやがる。公開直前で。
で、3人で話し合った結果、こんなことに決まった。


・クリアする目的を作りましょう。今すぐインセンティブを用意しましょう。クライアント接渉いますぐして。

・ホラーゲームなので怖さを強化しましょう。株式会社闇に怖いキャラの「闇子」というのがいるのでねじ込みましょう。更に怖くなります。あとネタになります。

・深夜をテーマにした作品なので深夜時間帯は激ムズになるモードを作りましょう。即死キャラのカニを大量発生させるのです。難しすぎてネタになるし。こちらのモード用に今すぐインセンティブの接渉を。

公開直前でやる内容でないだろと思ったが、この人たちは基本的に倫理観の留め具が幼少の頃に紛失したまま大人になったタイプの人なので、「世のことわり」を説いても通用しない。本気だ、と思い私も覚悟を決めた。
24時間で機能をぶっ込み、追加デザインをこなし再度検証しつつクライアントの了承を取る。
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地獄の24時間だった。「泣き言言うなよ」と劇を飛ばしたが、部下2人は嬉々としていた。つおい。
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結果リリースすると、これまた恐ろしい量のアクセスとプレイしたTweetが大量に投稿された。コメントも狙い通りだった。たしかTwitterの日本のトレンドのかなり上位までいった記憶がある。クライアントにもすごく喜んでもらえたなぁ。
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という訳でこのミニゲームは、私の中でプロモーションが成功はしたが反省点が強く、また部下ヤバいこわいみたいな思い出が共にある。
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せっかくなのでやっていっておくんなさい。
(深夜12時からは5時は激ムズの「深夜のカニ大量発生モード」なので注意されたし。っていうか深夜のカニって今考えても何…)

と言うことを思い出した深夜でした。
久しぶりにやったら速攻死んだわ。カニーー!!

来世、救われます。