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一緒に寝ているぬいぐるみが毎晩可哀想なので助けたい

ある朝、私の母に「ちょっと!!!あんたのジェラちゃん大変なことになってるよ!!!!!!!」と叩き起こされた。

ジェラちゃんとは、私が毎晩ねんねするときにだっこするジェラトーニというキャラクターのぬいぐるみのことだ。母なのでそれをジェラちゃんと呼んでいる。


…半分寝ぼけながら母の指さす方向を見ると

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確かに大変なことになっている。

私はいつもフローリングの上にサイズの違うお布団マットを適当に三枚乗せた上で寝ているのだが、この時は左に寝返ってずれたマットの間にすっぽりと入ってそのままマットが元の位置に戻ったのだろうか。

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しかし、そんなにか…?そんなにぎゅうぎゅうのぺっちゃんこになるか…?


そもそも私がジェラちゃんを抱いて寝る習慣は最近になって始まった事ではない。

しかし、私が気づいていないだけで毎朝ジャラちゃんがそういった可哀想になっているなら対策をするべきだろう。

ひとまず、毎朝起床時にどこにいるか、観察記録をとってみた。



2日目

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ぎゅうぎゅうのぺっちゃんこになっていた。

布団と壁の狭い隙間に鼻が潰れた状態で押し込まれている。

というか、右だ。毛布も枕も全部が右に寄ってる。こんなにもなっていたのか私の寝相。そういえば友人と泊まった時も「いびきとかはうるさくなかったけど、すっごく謎なバランスで端っこに落ちそうになりながら寝ていたよ」と口々に言っていたが、そういうことだったのか。

どちらにしろ右側だ。右側にさえ寄らなければどうとでもなりそうだ。



3日目

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左向きに寄りながら寝たが、今朝は昨日とは逆方向、壁際じゃないほうに遠く転がっていた。

昨日に比べて息苦しさはなさそうだが、スマホのコードやら季節外れの扇風機と共にフローリングに落ちているので、自分のせいでここに落ちたんだ という罪悪感がしっかりと背筋を伸ばさせる。

…よし。今晩は、落ちないように反対向きに抱っこして寝よう。



4日目

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…本当にごめん。

上段だけがずれているところに半身がすっぽりと収まっている。

足を引っ張ると力をかけずに抜けた。どうやら窒息まではいってなさそうだ。でもそれを口実にヨシ!と言うわけにはいかない。ちゃんと対策をするべきだろうか。

…今日は忙しいからとりあえずは明日から。



5日目

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とても直角だ。しかし、タンスと隙間の間に丁度顔が来ているので窒息はしてない。セーフ…セーフ...?

でも毎回右側に寄っているときは毎回真ん中の段で引っかかっているな…
何故だ?

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………布団の側面をちらっと見たら完全に理解した。

左側の飛び出てるところをちゃんと元の位置に戻したら、お布団が見違えたように左上がりのお布団になった。もう大丈夫だろう。



6日目

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はまってない…!(画像でははまって大変なことになっている風に見えるが、これでもはまっていない。安心して欲しい)

なんなら起きる前に手を握っていた気がするし、夢でスカイダイビングもしていた気がする。

でも あと少し お互い歩み寄れる気がする。歩み寄るためにはどうすればいいだろうか。


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私のいつも寝ているところにジェラちゃんを寝かしつけてみた。私が寝てる時よりも様になっている気がする。

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因みに、わたしは今晩はこっち側で寝る。これも歩み寄りのための一歩だ、そっち側に立つことで初めて知ることもあるだろう。


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おやすみなさい…



7日目

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分かち合えなかった…

起きた時、自分の頭が確かに枕の上にあった。

し、何なら寝ている時にお布団とは違う材質を下腹部に感じたような気がする。


ジェラちゃんも昨晩と比べたら「惨後」としか表せないような格好で飛んでいっている。これはジェラちゃんとの分かち合いは遠くなってしまったと言わざるを得ないな…


そんなとき、その日ちょうど良く友人と会う機会があったので、この状況を説明し助けを求めたら、

「分かち合わざるをえない状況にすればよいのでは?」

という単純明快かつメンヘラチックな返答を頂いた。

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友人曰くつまりはこういうことらしい。

バンダナでお互いの腕と胴を痛まない範囲でコブ結びにしてくくりつけている。

これでダメだったら流石に私も諦める。頼む…分かち合えさせてくれ………

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頼む〜〜〜〜



最終日

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駄目だったか…


最初はずっとジェラちゃんをだっこしたまま寝ていたことは記憶にある。

...しかし朝起きて気づいたら「こう」だった。
「こう」というのは腕の入っていた部分は輪っかが歪に広がっていて、その分ジェラちゃんが窮屈そうに首が締まっている状態のことだ。



しかし、首がしまっていることを除けば顔は苦しくなさそうな上向きで一応当初の目的は達成してる。しているでしょう?




.....ッハァ~

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こんな世界終わらせてやる。



おまけ

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流石に苦しそうだったのでバンダナをほどいて、その辺に置いておいたら、母がバンダナを毛布代わりにジェラちゃんを寝かしつけていた。

こんな世界でも、尊いものはあるんですね。


(おわり)

スキを押されたら飛び跳ねちゃうぐらい嬉しいし、お金も人並み以上に好きです。でも、最後まで読んでくれる貴方が一番好きかもしれません(チュッ)