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これまで自分の制作に関して、他人に説明するのが難しかった。それは一見して衝動的であり、とりとめもないものの連続に見えるし、そのような部分もなくはない。

しかし自分の中には何か、もやもやとした一貫性のようなものはあって、それをかたちをもって説明することができずにいて、これまでは「土着的なもの」という言葉で表現していたが、いまは「土地の肌理」という言葉の方がしっくりくる。

土地の、細部やディテールが現れているものを見ると、自分は感動する。この言葉だと、土地の壁の肌理、野の仏、民間伝承、祭祀儀礼といった、これまで自分が取り組んできたモチーフにつながりが出てくる。

「土着的なもの」という言葉だと、どこか現場主義にとらわれるところもあるのだが、「土地の肌理」という言葉だと、もっとふくみがあり、自由な制作にのぞめそうだ。

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