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お前は「愛らしいパルプ」を知っているか。 #note推薦文

よくきたな🐭

胡乱(ウロン)
1 正体の怪しく疑わしいこと。また、そのさま。「胡乱な者がうろついている」
2 確かでないこと。真実かどうか疑わしいこと。また、そのさま。
「誤を正したり、―な所は字書を引いて見たりして」〈風葉・恋ざめ〉
3 乱雑であること。また、そのさま。

引用:デジタル大辞泉

胡乱窟、パルプ小説。
私と関わりのある方々なら一度は耳にしたことがあるだろう言葉だがその実態をご存知の方は多くないかもしれない。パルプがどんな小説か、それを知るには私がアレコレ説明するよりも、実際に読んだ方が早い。
先日1次&2次選考通過が発表されたばかりの逆噴射小説大賞の応募作を読むもよし、バー・メキシコ有志が運営する「NoteパルプマガジンMexico」を読むもよし。Don't think. F・E・E・L. 

ざっと眺めただけなら、パルプの世界は暴力、流血、ハードボイルドでアンダーグラウンドに見えるだろう。

しかしだ。

知っているか。

パルプには「愛らしい」作品もたくさんある。

百聞は一見にしかず!考えるより感じろ!早速紹介するので私のイチオシ「愛らしいパルプ」を読んでください!!
私は小説の紹介文を書くのが大の苦手なので「好き」「愛」「好き」しか言えませんが、そこはご容赦お願いします!!堪忍え!!
作者別で、お三方分。いくよ!


お望月さん

400字×4回のコンパクトにまとまった連作。
もうね、かんわいい。出だしからめちゃくちゃ可愛いですからね。
「帰宅すると妻の両腕がアイスクリームを掬うやつになっていた。」

ちょっとズレている「妻」と、そんな奥様にアララとなりながらも奥様のことが大好きな様子が滲み出る「僕」のほっこり日記。胡乱な夫婦愛。
1年前に初めて読んでから、癒し成分が欲しいときにときどき読み返しています。

ファンアートも描いちゃった。(ファンアート初めて描いた)

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お望月さんの作品は他にも胡乱キュートな登場人物が多く出てきますが、甘いマスクの力士「大失恋」も愛らしくて好きです。


牧野なおきさん

胡乱タイムラインでときおり自然発生的に盛り上がる(燃え上がる)ムーブメントがあります。こちらもそのひとつ、『「俺の家に聖火が一時的に安置されることになって半年が過ぎた」からはじまる短編小説。』が大量発生した「聖火安置コン」に寄せられた小説です。

これは一言で言わせてください。尊い。

まさか自分が聖火(あのオリンピックの聖火リレーの聖火)を尊いと感じる日が来るとは思っていませんでしたが、聖火との共同生活「どうなっちゃうの?!」的怒涛の展開を読み進めれば、あなたも「尊い……」と呟くことになると思います。

特に「ぱちくり」の描写にやられました。

桃之字さん

去年のクリスマスシーズン、ルミ姉主催のクリスマスアドカレ(私も参加)と並行して開催されていた「パルプアドベントカレンダー2019」。正統派クリスマスといった趣きのクリスマスアドカレに対し、パルプアドカレはサンタとドンパチやったり人が死んでたり。
大暴れの作品が並ぶ中、主催:桃之字さんの作品がめちゃくちゃ可愛くてですね、幸せな余韻に浸ってしまいました。(ドンパチも人死にがあるのも全部面白くて幸せだったけど。)

この作品、クリスマス×ヒーローの組み合わせが面白いし、手に汗握る激しい戦闘シーンにドキドキするし、オチが「そう来たか」だし、とにかく好きです。映像化したら最後のシーンの視点切り替えが最高だろうな。
大人だけでなく、ライダー・戦隊好きのお子さんのクリスマスの読み物としても最適なのではないでしょうか。我が家の息子たちが小学生ぐらいになったら読ませたい。

パルプアドベントカレンダーは今年も開催されるそうで、とても楽しみ!

百瀬七海さんの「2020クリスマスアドベントカレンダーをつくろう」、えみさんの「表現者たちによるアドベントカレンダー」(私も参加)などの正統派クリスマスとパルプとをちゃんぽんして悪酔いするんだ!!


以上、推しパルプのご紹介でした。


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こちらの企画に参加しています。

企画主催者:禅さんの連載中小説も、いろんな「エルフ」がこれでもかと出てきて愛らしいんです。ネクロエルフのヨミジのおずおずした雰囲気、可愛いなぁ。


♡を押すと小動物が出ます。