目白村だより34(意に染まない音①)


cinema parfait(第一回)

音楽、文学、映画…その幅広さで、無敵の文化批評家小沼純一さんと、映画と音楽をテーマにライブトークをする。
トークだけは、あまり経験していないが、今年は、11月26日から三週間パリ日本文化会館のイヴェントでも、トークだけの日がある。普段のLIVEでのMCでは、どうしても語り尽くせない話をしてみたい。
今回の、CINEMA PARFAIT…二人共甘辛党だし、シネマパフェという名前が気に入っている。
打ち合わせで、病院のMRI検査のときのBGMの話になった。私も毎回、思っていたことなのだが、小沼さんは、妙なクラシック音楽を流されるのが、耐えられないという。フムフム。分かるけど、MRIの音は、雑音と云うより大騒音である。
耳元で、工事現場みたいな音か?意に染まないクラシックか?…どっちか、といわれたら、後者を選んでしまう。でも、小沼さんは、騒音の方がましだという。 騒音には、騒音のオリジナルがあり、似非演奏より、まだましだという。流石、音楽研究家と、感心すれど、私はそんなに、純粋な耳にはなれない。

 日本の都会に住む我々は、押し付けられた音ばかり聞かされる。
 街頭で流される、不可抗力の宣伝音は論外だが、料金を自ら払う店での、意に染まないBGMは、腹立たしい。

まづ、嫌いなのは、マッサージ店で、流されるイージーリスニング。(冬ソナ)が流行した時に、そればかり何度もリピートするマッサージ店があった。止めてくれと頼んだか断わられ、行くのを止めた。大きなマッサージ店は、この問題が多い。昨今流行りのDr.ストレッチでは、大音量(客を眠らせないためらしい)の酷い選曲に辟易。ヒップホップをかけていれば良いと思う無神経さ。回数券を、消化するのが、それはストレスだった。
 蕎麦屋で、モダンジャズが、かかるのも嫌いだ。
いつからか、この手の店が増えて、蕎麦どころか、ラーメン屋もあらわれた。 
黙って喋らずに、ジャズを聴きながら、味わえと言うことか?食事にBGMが不要な者は、来るなということか…。

小沼さんとは、拙書(日仏映画往来)の書評を、メディアに書いてくださってからの、おつきあいだが、実は随分昔のコンサートに、来てくれていたりして、共通の友人、知人が沢山いる。  
信頼されていた、坂本龍一はともかく、彼の口から、龍一の手助けもやっていた、(南聡)の名前が出たときには、驚いた。知り合いどころか、彼とは非常に若い時に、沢山のコラボをしたからだ。
その中には、目の覚めるような品の良い楽曲が多い。
なかなか発表する機会がないが、南さんはその後、北大で教授となり、現代音楽の傑作を沢山発表し続けている。
堤政夫や坂本龍一、南聡や鶴田睦夫…彼らとの沢山のオリジナルは、私の宝であり、青春である。
私は、彼らとの未発表作品を、世に出さなくてはならない。
 何にでも精通している小沼さんとの、トークショーは、映画が主軸ではあるけれど、何の話題が飛び出すかわからない。
これは、絶対面白くなると思っている。

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