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1.宮崎県の公立中高一貫校受験の基本情報


公立と私立

宮崎県に住みながら中学受験を志す場合に抑えておかなければならない基本事項は、公立中高一貫校と私立中高一貫校では出題傾向が全く異なるという点です。
私立の中高一貫校はそれぞれ独自の問題を使用しますが、独自色の強い問題を出す学校は現時点では少ないため、学校別に対策をする必要性はそれほど高くありません。
一方、宮崎県の公立中高一貫校は、宮崎市の宮崎西高附属、都城市の泉ヶ丘高附属、五ヶ瀬町の五ヶ瀬中等教育学校の3つですが、これらは基本的に同じ問題を使用しています。
そして公立と私立では使用する問題が全く毛色が異なるため、公立と私立のいずれに重点を置くかで、何に時間を割くかが決定します。
久留米附設などレベルの高い県外の私立は一旦置いておき、ここでは公立を第一志望にする場合を前提で書いていきます。

宮崎県公立中高一貫校の受検の特徴

公立中高一貫校は全国的に「総合問題」という形で、科目名ではなく「第一部」「第二部」「第三部」という形式で出題します。といっても、第一部が国語、第二部が算数、第三部が理社などのように実質科目別になってる地域もあります。
宮崎県の場合は、第一部が国語(ほぼ作文)、第二部・第三部は科目別でははなく、その中に算数と理社が混在しています。
試験の特徴として以下の3点が挙げられます。
①第一部は文章要約と作文であり、時間は40分。作文の文字数は300~400字。
②第二部と第三部は算数と理社が混在。時間は50分で大問5~6からなる。
③調査書と面接が行われ点数化される。(詳細は非公開)
それぞれの概要については以下の通りです。

①国語(作文)の概要

スケジュール的に一番最初に国語が行われます。最初に文章要約等が出題され、300~400字の作文を書くことになります。
作文は特殊な条件は余り無く、「自身の体験を踏まえ努力したことを書け」や「ABいずれを選択するか理由とともに示せ」等スタンダードな作文です。
採点基準もそれほど細分化されていないのか、満点をとるのも良くあるレベルであり、美麗な文章を書く必要はなく、必要なことを淡々と過不足無く書いていけば問題はありません。

②総合問題の概要(算数)

通常の私立中学校の受験問題では、科目別に出題されますが、宮崎県の公立中高一貫校では第二部・第三部という形で科目別にはなっていません。
とはいうものの、どちらも形式としては大問が5~6存在し、2つが算数で、残りは理科系または社会系の総合問題となります。
この点、算数に関しては私立の対策と全く変わりません。問題のレベルとしては難関校の算数の入試問題の中程度の問題が、誘導ありで出題されるイメージとなります。
全国レベルの模試で算数が65以上を安定してとれるレベルであれば満点が狙えるレベルです。

②総合問題の概要(算数以外)

理科系または社会系の問題ですがこの2つが最も対策のしにくい問題です。そもそも公立中高一貫校の受検が偏差値通りにいかないと呼ばれるのは、この理科系と社会系の問題の対策が困難であるためです。
出題の形式としては、「図表などの資料が示される」「会話文が示される」その上で、その資料や会話から分かることや推測できることを記述していくことになります。
この問題は殆どが通常知りえないレベルの内容から出題されます。大人でさえ知らない内容です(例:バーチャルウォーター、渡り鳥の磁気と飛行ルートの関係等)。
つまり知らない状態から問題を見て、資料等や自身の知識を通じて思考を積み重ねて論理的に記述することが求められます。
逆に言うと、「その内容を元々知っているか否か」は合否に余り影響しません。というか、知っていても図表や会話をベースにして答えなければならないため、半端な知識は思い込みを生み、逆に要点から遠ざかってしまう事態を招きます。

③調査書や面接

自分が宮崎県の公立中高一貫校の受検をする上で最初に知っておきたかったのがこちらです。
調査書というのは学校の様式で、志望動機や小学校時代に努力したこと、持ってる資格や表彰などを記載します。
それに加えて、おそらくですが小学校の成績や担任の推薦文も提出されていると思われます。
地域によっては保護者に渡され、保護者から志望校に提出する際に透かして見ることもできるようですが、宮崎県は直接学校から提出されるため、実際の内容までは把握できません。
東京都などはかなり細かく公表していますが、宮崎県では詳細は公表されておらず、配点なども不明です。
面接は志望動機を述べた後、年によって問われる内容が変化します。発言も挙手制なので、場合によってはそこで発言できない可能性もあるでしょうが、通常全員を指名するため、運悪く発言できない状況を心配することは無いでしょう。
早く当てられると緊張するが、遅く当てられると前の人と内容が被るというリスクのバランスを取るだけだと思います。

目標とする得点率

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