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日本特殊陶業(5334) 23年3月期本決算

4月28日に本決算発表があった日本特殊陶業。エンジン車が今後長続きするのか長期的に不安がありますが、今回の決算では今のところ、そのような不安は払拭されるようなものでした。

基本情報(2023/4/28現在)

銘柄名:日本特殊陶業株式会社
業種:ガラス・土石製品
事業内容:自動車用プラグ、排気系センサー世界一。電子部品や医療機器、燃料電池なども。森村グループ
時価総額:578,632百万円
PER:8.69倍
PBR:1.02倍
配当利回り:4.69%

発表内容

2023年3月期の連結業績

売上収益:562,559万円(前期比+14.4%)(直近予想比-3.97%)
営業利益:89,219百万円(前期比+34.1%)(直近予想比-20.48%)
税引前利益:93,384百万円(前期比+32.7%)(直近予想比-22.50%)
当期利益:66,293百万円(前期比+10.1%)(直近予想比-22.01%)
EPS:326.09円(前期比+30.05円)
ROE:12.3%(前期:12.5%)

第3四半期時点で発表されていた通期予想比を並べてみました。
後で出てくる減配の原因となる部分ですね。

配当の状況

2023年通期:166円(前期比+64円)
2024年通期配当予想:133円(前期比-33円)

日本特殊陶業は配当性向40%に方針を掲げています。
2023年は予定通りの166円、配当性向は50.9%になりました。
2024年の配当予想は減配。

2024年3月期の連結業績予想

売上収益:600,000万円(前期比+6.7%)
営業利益:96,500百万円(前期比+8.2%)
税引前利益:97,000百万円(前期比+3.9%)
当期利益:67.500百万円(前期比+1.8%)
EPS:332.04円(前期比+5.95円)

営業利益以下については元々の2023年通期予想よりも低い業績予想になります。
2022年、2023年と好業績が続いただけあり、弱く感じてしまいます。

財務状況

有利子負債倍率=(有利子負債)/(営業CF)*100

引き続き財務状況は問題なさそうです。

セグメント別業績

  • 自動車関連:世界トップシェアということで相変わらず強い。何も言うことなし。

  • セラミック:半導体関連は業界的に弱気と予想されていますが、利益率がここまで落ち込むとは…決算説明会でしっかり説明してほしい部分です。

  • 新規事業:設備投資額を見て、徐々に力を入れ出していることが分かります。2027年期から回収フェーズに入ると以前の決算説明資料にあったので期待しています。

所感

四季報の見出しにある「減速」が顕著に現れた決算になりました。
配当について、人によっては、2023年3月期の配当を配当性向40%(約130円)に合わせたら2024年3月期は増配という見え方になるからそうするべきだった。という意見もあるかと思います。
ただ、そうすると権利確定後に減配の下方修正が出ることになるので、多くの反感を買うことになるでしょう。
経営陣も「我が社の株式を期待して保有してくれていたのだから、予定していた配当は支払おう。」と思っていると感じるため、株主にちゃんと向き合い、正しい判断だったと思います。


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