Surface Pro 7は、4年前のSurface Pro 4に比べてどれだけ進化しているのか

4年半使ってきたSurface Pro 4に少し不満をいだきつつ、「まだ使えるしなあ」と思ってはいたのですが、先日、勢いで最新のSurface Pro 7を買ってしまいました。Surface Pro 4は2015年10月、Surface Pro 7は2019年11月の発売です。PCの世界で4年1ヶ月もあればハードウェアは長足の進歩を遂げているはずです。10数万円もだして買ったSurface Pro 7には、それだけの価値があったのでしょうか?

Surface Pro 4に感じていた不満

筆者のSurface Pro 4は2015年に発売されてすぐに買ったもので、CPUはCore i5ですが、メモリは4GB、SSDは128GBと控えめなものでした。本当は8GB、256GBのが欲しかったのですが、発売当初大人気で、ヨドバシカメラには、これとローエンドのCore m3のモデルしか残っていなかったのです。

メモリ4GBは、メインマシンとしてはかなり不安がありますが、筆者の場合はずっとiMac 27インチをメインマシンに使い続けているので、「サブマシンだったらまあいいか」というノリで買ってしまったのでした。

以前も書きましたが、購入当初、このSurface Pro 4はメチャクチャに不安定で、スリープから復帰に失敗することがあまりに多く、モバイル用としては、サブマシンにすらなりませんでした。とはいえ、iMac上で動かす仮想Windowsマシンよりは使えたので、まったくムダではありませんでした。

その後、Windows 10のアップデートによってまともに使えるようになったのですが、まだ不満がありました。そのひとつは、発熱とファンです。Surface Pro 4で一部のペンを使った描画ソフトを使うと発熱する上にファンが回って音がうるさいというのがありました。

また、長時間使っているとだんだん動作が重くなってくる気がしていました。ソニー製のTVチューナー兼HDDレコーダー『nasne』用の視聴用ソフト『PC TV Plus』でずっと録画したテレビ番組を見ていると、だんだん不安定になって、再生が途切れることもけっこうありました。

ほかにも使っていて、「ちょっと反応が悪いな」と思うことはけっこうあって、そのちょっとしたストレスが原因で、使い込む意欲が減退したりする。これはメモリ4GBの影響かなと。SSD 128GBは、たまに画像を加工するくらいの使い方だとまあまあ、なんとかなるのですが。

ベンチマークテストでSurface Pro 7とSurface Pro 4を比べると

パソコンでハードウェアを比較するなら、まずベンチマークテストでしょう。今回はPC/IT系のメディアで一般的なCINEBENCHとCrystalDiskMarkの2種類をやってみました。

Cinebenchは、CPUとGPUの性能を計測するベンチマークテストです。Surface Pro 4とSurface Pro 7は、CPUとして共に同じ「Core i5」を搭載していますが、4年違うと中身も大きく進化していました。Surface Pro 4のCore i5-6300Uは、2コア4スレッドなのに対し、Surface Pro 7の4コア8スレッドと、同時に実行できる命令数が倍になっています。内蔵されているGPUの性能も倍以上強化されています。

Cinebenchで計ってみると、Surface Pro 4の実測値が653ptsなのに対し、Surface Pro 7が1290ptsとほぼ倍になっています。

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CrystalDiskMarkは、ストレージの転送速度を計測するソフトで、これで計測するとシーケンシャルリードで最大約3倍、シーケンシャルライトで最大約9倍の差が出ています。

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ベンチマークテストで見る限り、Surface Pro 7はSurface Pro 4に比べると爆速ということになります。

実際の使用感は…

でも、実際に使ってみると、そんなに決定的な差はないというのも正直なところです。Surface Pro 7は確かに動作がキビキビしていて快適ですが、倍速いということはありません。安定感も少し増しています。全体的に使っていて楽しい。そういう意味では買い替えて正解だったと思います。しかし、それはCPUやSSDの性能だけでなく、メモリ8GBにした影響も大きいのではないかと思います。Windows 10はメモリ4GBでも一応使えますが、メモリ8GB以上だと安定性や体感速度がかなり上がるとされているからです。

ちなみに、ExcelやWordの起動速度も、Surface Pro 7のほうが微妙に速い気がしますが、ほとんど誤差の範囲です。WebブラウザのChromeはもう少し明確な差がありますが、実際の使い勝手の差は、本当に微妙なものだと思います。ただ、Surfce Pro 4は本当にすぐファンが回り出すので、ファンレスのSurface Pro 7は静かでとてもありがたいです。実はここが一番の買い替えメリットと言えるかもしれません。

思ったよりも体感的な性能差が無かったことで、Surface Pro 7を買って後悔したかというと、そんなことは1ミリも思っていません。むしろ、4年前のSurface Pro 4がまだまだ使い物になることが、素晴らしいなと思うのでした。

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