ご報告的な。修業日記の始まり。

四月から映像制作会社に入社し、プロデューサー見習いとしても働くことになりました。人生初・サラリーマン(35歳)。

脚本業も続けますので、いつでもご連絡下さいませ。規模の大小は関係なく、条件さえ合えば書かせて頂きます。

また、不勉強ですが、同世代の監督の方々とも知り合い、将来的に仕事が出来ればと思っています。ご縁があればどうぞよろしくお願いします。

経緯としては、昨年よくお世話になったプロデューサーが転職することになり、年末に雑談の途中でふと、

「上野さん、知り合いでプロデューサーやれそうな人いませんか?特に映画の経験は無くても仕事できそうならいいんですけど」

と聴かれ(会社は大きいが、映像部門は人が少なく探しているらしい)、

「なるほど、演劇の制作さんとかですかね?でも誰かいるかな」

みたいに答えてその場は終わった。

のだが、

……

……ん?

俺はどうだ?

と思って、年明けにダメ元でLINE。

そしたら、お、話してみますか、みたいな流れになり、会社に伺う。その後、部長(取締役)ともお会いし(ランチをご馳走になり)、人事面接も受けて(履歴書も書いて)正式に採用して頂きました。会社的にも結構イレギュラーな形と思われます。

まさに、ふとしたきっかけで、という感じなのですが、自分なりの志望動機はもちろんあって、

・もともとキャスティングとか企画を考えるが好き。

・海外ドラマのショーランナー(製作総指揮、Created by ってクレジットされる人、「ブレイキング・バッド」ならヴィンス・ギリガン)みたいなことが出来ればと思っていた。

・脚本家として受注する側だけだと、予算や製作面がどう動いてるのかイマイチわからない。わからなくてもいいんだけど、発注側のことも知りたい(尊敬する安西水丸さんが、フリーになる前に電通と平凡社で働いたように)。

など。ショーランナーとか今の立場からはまだ夢想に近いですが。

経済的な理由もあって特に去年は、ここだけは手をつけまい!と思っていたおじいちゃんの遺産もあっさりと食いつぶし(ごめん!)、そろそろヤバいと思っていた。

ていうか三十代前半は全然仕事しなかった。ので三十代後半は働きたい。と思ってます。

繰り返しますが脚本家は辞めず、寧ろ自分で脚本&プロデュースするのが目標です。ただ、仕事を覚えるまでは劇団活動は休むことになります。今年既に決まっている二本の舞台は、劇団公演ではないですが予定通り脚本・演出しますのでよろしくお願いします。

脚本家として充分に売れていれば、会社に入らずともやりたいことが出来たかもしれないし、「お前がどの面下げてプロデューサーだよ」という方もいらっしゃると思う。

でも頂いたこのご縁に感謝し、自分なりに精一杯取り組む所存です。

あと、俺の人生におけるクエスチョンの一つ、「サラリーマンだったらどこまで通用したか」も思う存分試したい。

社会人プレイの最初の目標は、

「会社の経費で落とす」

です。経理の人にちょっと注意されちゃったりして。

で、修業日記。以下、長いです。


2017/4/2(日)

正式入社は手続きの関係で四月中旬なのだが、既に仕事(の準備)は進めている。

午後は二子玉川で打合せ。二子玉、久しぶりに来たな。10月クールのドラマに向け、先輩Pたちと始動前の準備、のための準備、くらいの話し合い。

ざっくり、監督は誰がいいか、脚本家の候補は、的な。なるほど、最初はこんな感じで決まっていくのだな。そして過去に俺にオファーをくれた方々も同じ感じだったのかな(その多くは俺のせいでお役に立てなかった。本当に申し訳ない)などと。

先輩たちに比べて圧倒的に映像業界のスタッフさんを知らないのでメモ。当り前だけどこれから勉強することは無限にある。

終わって、移動の合間合間に、社内で共有する為のリスト作り。監督、脚本家、俳優など。俳優リストにはこっそり身近なメンツも入力していく。こっそりじゃないか。

新宿三丁目で、一年三か月の世界一周旅行から帰ってきた千保さん夫妻と沖縄料理。一回も危ない目に遭わず、身体も壊さなかったらしい。凄い。俺は実家に帰る飛行機だけでも怖い。

お二人は森友学園のニュースも、芸能人たちの引退のニュースも知らなかった。SMAP解散は知ってた。

一番楽しかった国は?とかベタな質問から、日本の国民性、外国の人たちの日本へのイメージ(とても良いらしい)など話す。なぜ日本の公共空間では、子育て中のお母さんたちがここまで肩身の狭い思いをさせられるのか。海外ではそんなの考えられないらしい。

夜行バスで大阪に帰る二人に、家に帰るまでが旅行ですよ、とまたベタなことを言ってお別れ。

今年の春は寒いですよね。

4/3(月)

晴れ。ようやく春っぽい、のか?

午前中から代々木でブラシュカ打合せ。登米さん(プロデューサー)と須貝の英ちゃん(演出)と。

主にキャスティング。まあ結局、ここが一番楽しいよな。誰と一緒にやりたいか、というのは昨日の監督や脚本家などのスタッフィングと同じ。

会社の仕事を始め、一方で小劇場の仕事もしてると、仕事の本質みたいなことを考えるようになったんだけど、物創りの醍醐味というのは究極、

「誰と」「何をしたいか」

に尽きる。「誰と」よりも「何をしたいか」が強い人もたくさんいると思うけど(あともちろんお金のことも)、俺は「誰と」の部分もかなりデカい。

今回の女優陣はほぼ競泳周りになったけど、信頼できる人ばかり。

とにもかくにもリライトせねば。えーと、劇団競泳水着の過去作品が原案ですが、初演は、当時の劇団員+キャストに完全に当て書きしたし、2010年で震災の前だったから、今読むと思う所もあるわけです(内容は上京物語)。

その後、文さんと一緒に映画「ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命」。

ケネディ大統領暗殺の瞬間、真横に座っていたジャクリーン・ケネディ。20世紀で一番有名かもしれないあの映像。その直後から、大統領の葬儀が執り行われるまでの三日間。

どこまで真実かわからないけど、とにかくジャッキーが気の毒過ぎる。そして演じたナタリー・ポートマンのことまで心配になってくる名演。ナタリー・ポートマンて、最初の「レオン」の時から、SWシリーズ、「ブラック・スワン」と、辛い役が多いよなあ。個人的にはアカデミー賞はナタリーでも良かったと思う。まあ流れ的にはエマ・ストーンだろうしもちろん素晴らしかったけど。

格調高く静かな緊迫感に満ちた映画で、あれだけの題材だからいくらでも煽れるだろうけど、かなり抑制されてる。だからこその、暗殺直後の数カットの衝撃。日本ではそこまで話題じゃないし入ってないみたいだけど、おすすめです。

関係ないけど、文さんがあのラのつく映画、四回目を観ようか迷ってて笑った。どんだけ好きやねん。

続けて、仕事の参考に日本のある青春映画も観たが、こちらはかなり思うところあり。おすすめはできず。

夜に雨降って、その後は極寒。まだまだコートが手放せない。今日も新宿三丁目で飲む。楽しくなって調子に乗ってしまった。

4/4(火)

今日も晴れて昨日より暖かく、朝のJ-WAVEで別所哲也さんのテンションも高い。TOKYO MORNING RADIO(月~木、朝6時~9時)聴くようになってから別所哲也さんのファンです。

ラジオは詳しくないしあまり習慣も無かったけど、なんでこれ聴くようになったんだろ?そして別所さんの後はそのままJ-WAVE、ではなくなぜかTOKYO FMに変えて住吉美紀さんのBlue Ocean(平日、朝9時から11時、今年度より8時55分から)を聴くのが定番の流れ。

そしてタイムフリー機能ができてから、この二つの朝番組を、深夜に聴いたりしてる。

別所さんは二週間の休暇からの復帰。代役をやっていた平井理央さんも良かったので、平井さんがJ-WAVEで日曜の朝にやってる番組も聴いてみよう。

あ、J-WAVEと言えば大好きなロバート・ハリスさんの番組が終わった時は寂しかった。去年の三月かな。それからはハリスさんがFMおだわらというローカル局でやってる番組まで追っかけて聴くほどには好き。これはradikoとかタイムフリーとか無いから毎週は聴けないけど、放送日時をGoogleカレンダーに登録してるくらいには好き。

全部FMだけど、FMばかり聴いてるってどうなんですか?すかしてるイメージ?インスタとかやってそうな感じ?たまに事件があった時などは荻上チキさんのTBSラジオも聴くな。

近所のタリーズ→コメダ珈琲で諸々作業。

脚本・演出を担当するFunIQのタイトルを考える。なかなか苦戦。タイトルは難しい。夜になって候補をばばっと送ってFunIQの二人とも相談してたぶん決定。

4/5(水)

「アシュラ」観る。韓国映画の暴力描写は完全に振り切れてて笑っちゃうくらいだけど、口の中であれをバリバリのシーンだけは「……痛い!!!いててててて……!」となった。しかしまあ、画面からの熱とエネルギーが凄い。

夜は代々木で大先輩の映画プロデューサーと打合せ。今までは脚本家としてのお付き合いだったが、入社しAPとしても働いていくことをご報告。

そしてプロデューサーの心得などを図々しくお聴きする。プロデューサー用の貴重な研修資料まで頂いてしまった。お優しい。感謝。聴いたお話と共に大事にします。

更に渋谷に移動してFunIQに出てくれる女優さんと面談。

4/6(木)

これはさすがに完全に春だな。

星姉妹の稽古、というかワークショップというか、雑談的なこと。終わって神楽坂に移動して三人で軽く飲む。イタリアン。ピザもパスタも美味かった。

その後、かもめブックスで数冊購入。本はできるだけ好きな本屋で新刊で買うようにしている。他に早稲田のあゆみブックス、一回しか行ったことないけど話題の荻窪Titleなど。

4/7(金)

暖かい。最近はまさに春眠暁を覚えず。まあいつも眠いんだけど。

ここ数年、稽古本番の期間以外は基本的に「目が覚めたら起きる」生活を続けてきたので、入社後に眠気に耐えられるかは心配。

世に「規則正しい早起き生活」を推奨する本や言説は多く、俺も何度も挑戦したけど、結果、「好きな時に起きる生活」は、それだけでかなりのストレス軽減に繋がることに気づいてしまった。俺の場合。

それでもだいたい眠い。

しかしまあ、眠くもなく、エロいことも考えない時間て一日の内ごく僅かで、今までその時間だけで脚本書いてきたかと思うとある意味頑張った。と言えるのか?言えない。

「恋とさよならとハワイ」を一足先に観せて頂く。出演者がほぼ知り合いということを差し引いても、素敵な映画だった。

タリーズでブラシュカの改稿案などなど考える。他にも考えることがたくさんある。

最近は近所の飲食店を開拓してて、こじんまりした(ネットにも載らないような)居酒屋、定食屋を次々見つけてるのだが、今日の創業50年のとんかつ屋さんも美味しかった。

夜はお世話になっているラインプロデューサーが送ってくれた、おすすめ若手監督たちの映像を観る。

今後の為にも出来るだけ、若手監督の映像に触れておきたい。

4/8(土)

雨が降ったり止んだり。サンマルクで諸々作業。

10月ドラマのアイディアまとめ。これは自分で脚本書くかはわからないけど、一応ストーリーラインや見せ所も考えておく。

上司から新たな指示。頑張ります。どんなにメジャーな企画でも、始まりは一人や二人の発案から、ということを実感する。一方で、誰が(誰に)言うか、コネクションも超重要である。当然ですね。

ベローチェ、コメダ珈琲と回って作業続き。ブラシュカのリライトも。

新宿御苑駅付近も、良い飲食店が多そうだ。

ずっと思ってることだけど、本読む時間を増やしたい。

あ、今年の演劇は、

・脚本&演出

FunIQ 6/26~

sleepwalk 10/4~

・脚本のみ

ブラシュカ 7/12~

星姉妹 7/20~

です。

色んな人のブログを真似した文章になってしまった。続くかわからないけど、とりあえずこんな長いのは最初だけ。

とにかく、35歳という年齢が間に合ってるのか遅いのかわからないけど、若すぎる、ということだけは絶対ないので頑張ります。

権力はいらないけど権限は欲しい。

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