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漫画に感謝

 人生悩み苦しむ時期が人それぞれだいたいあると思う。僕も28年間生きてきて何度もあった。その中でもあの時特に苦しかったなぁと振り返って思うのが大学受験前だ。

 僕の親族は優秀な人が多い。母の父、僕にとってのおじいちゃんが元学校の校長で学問に厳しい人だったことが影響していると思う。母の兄は医者だし母の姉は大学の教授だ。そしてその子供たちも医学部だったり一流大学を目指していた。
 そういう子達と比較して僕は勉学においての成績はあまりよくなく里帰りした時にいとこ達と集まった時はいつも学力の差をまざまざと思い知った。

 子供の頃、親族が集まる場で不意におじいちゃんが数学や社会の問題を出してくる。そこで僕だけ回答に苦しみおじいちゃんに説教じみた話をしつこくされたことをよく覚えている。それが嫌だった僕は親族団欒での食事をそそくさと切り上げ一人2階へ駆け上がり「サザエさん」の漫画がある書庫に逃げ込むようになっていった。
   
 そうして勉学に対して劣等感を抱えたまま成長していき高校三年生になった頃、人生で一番辛かったかもしれない。
 勉強自体は嫌いでは無かったし楽しいと感じることもよくあったけど、ただただ受験が嫌だった。僕の志望校は地元の徳島の国立大学である徳島大学の文系の学部。何かになりたいわけではなかったので何かになることを強制されない学部がよかった。好きなブラジリアン柔術を沢山やりたかったから出来るだけ暇そうな学部がよかった。

 国立大学というと「賢いんですね」と言われることもあるけど僕のその当時の感覚だと「まともな人間として見られる最低限のライン」だった。もしそこに落ちたとしたら親族に落胆されるだろうと思っていた。

 そしてそのプレッシャーに耐え切れなくなり受験本番二ヶ月前に勉強から逃げた。それから毎日通っていた東進予備校に通うふりをして漫画喫茶に入り浸るようになった。その時不意に目についたのが「中退アフロ田中」という漫画だった。頭の悪そうな中学生がバカなことを沢山するギャグ漫画だった。主人公はめちゃくちゃしょうもない理由で中学高を中退することになってしまう。僕のその当時の感覚では中学高中退した人間は地獄の底に落ちるぐらいに思っていた。しかしその感覚とは裏腹に主人公田中は物凄く楽しそうに日々を過ごしていた。まともに中学高を卒業し大学受験を控えていた僕よりも全然幸せそうで楽しそうに見えた。

 それが一つのきっかけとなって吹っ切れた。別に受験に落ちても好きなブラジリアン柔術してれば絶対幸せじゃんって思えた。そしてせっかくそこそこ勉強してきたんだから残り一ヶ月全力で取り組んで受験にのぞもうと思った。

 その結果合格した。別に大学にそんなに行きたかったわけじゃなかったけど合格という結果自体は嬉しかった。

 そして大学にいってからまた受験前に匹敵するくらい物凄く思い悩みむことになる。そしてまた一つの漫画と出会い決心する。

 漫画に救われてきた人生。ありがとう漫画家さん達。🙇🏻‍♂️❤️


サポート多いと外食しがち。ご馳走さまです!