世界大会2022終わり

世界選手権が終わった。今帰りの飛行機に乗っている。結果を振り返ると残念極まりない。準々決勝で反則負け。準決勝と決勝はチームメイトと一緒に観客席から観戦した。僕に勝った相手は準決勝で微妙な差で勝ち進み決勝では微妙な差で負けて2位という結果を残した。その程度のパフォーマンスをするなら俺に勝ち進ませてくれよ、、と思った。負けた後にどうあがいても結果は変わらないのにTwitterなどで散々愚痴った後にまた帰りの飛行機でこんな愚痴を書いてるなんて我ながら女々しいやつだなと思う。帰国して早く次の試合に向けて練習したい。とんでもなく強くなって俺の不屈の精神を世界に見せつけてやりたい。そういう野望を考えるとワクワクする。負けるとこんな感じで高いモチベーションを保ちやすいからとりあえず今回はこれで良かったのかもしれない。ふとライト級で最年少(19歳)世界王者になったミカエルは今どんな気持ちなんだろうか?と思う。彼のパフォーマンスは最高峰の選手達と比べても段違いだった。優勝を手にし感極まる選手が多い中彼は爽やかな笑顔を見せていた。彼の今までの戦績や実力的に世界大会優勝は「挑戦したい夢」というよりは「遂行すべき任務」のような雰囲気だったのかもしれない。僕も舞台のレベルは違えど自分の実力的に勝って当然の試合は今まで何度もしてきた。そういう試合もそうじゃない試合と同様に怖い。そして勝利した後にくる感情は「安堵」。やったーという気持ちはなくホッとする。たまにそういう試合をするのは悪くないが全てがそういう試合だとしたら楽しくないし苦しいだろう。ミカエルは今年ADCCにも挑戦する。今回のパフォーマンスを見るに優勝候補はミカエルだと考えを改めた。もちろん簡単ではないと思うし負けるかもしれないが彼が優勝しても驚きはしない。もしADCCもとったら次は何を目指すのだろうか?柔術の世界大会の無差別級優勝、ADCC無差別級優勝。身長は見たところ僕と同じ(170cm)くらいしかない。そんな体格で無差別級なんて普通は考えもしないが彼がこれからそれに向けて全力を尽くせば達成不可能とは思わない。それらも達成したら次は?MMAに転向するかもしれない。それも見てみたい。どんなトレーニングを積み重ねればあんなに高い身体能力を身につけられるのか具体的な想像はつかない。しかし幼少期から質の高いトレーニングを高いモチベーションを持って絶え間なく続けてきたことは間違いない。ミカエルのお父さんが世界大会後のinstagramの投稿にこんなことを書いていた。

「彼のようになりたい人は沢山いるが彼と同じようなことをしたい人はいないだろう。」

間違いなくそうだと思う。みんなが公園で遊んだり友達の家に集まってゲームで遊んだりしている中、ひたすら一つのことの鍛錬に心血注いで打ち込める子供なんて普通はいない。何が彼を突き動かしたんだろうか?ミカエルやミカエルの父の投稿はポルトガル語で書かれていて自動翻訳を用いてその文章を読んでいるのでその辺の詳しいところはよくわからない。(わかる人いたら教えて欲しいです。)

ミカエルと比べると僕は目標に向かってとんでもない遠回りをしてきた。高校生からはじめたし世界王者になるためには何をすべきなのか?ほとんど手探りでやってきた。出会い系アプリを使って異性との出会いや遊びに狂った様に取り組んでた時期もあった。遠回りだけではなく寄り道も沢山してきた。29歳にもなって目標達成出来てないのも当然だわな笑、と思う。最近になってやっと目標に向かって真っ直ぐ進めるようになってきた。真っ直ぐ進むことが何より楽しいと思えるようになってきた。沢山遠回りしてきたし散々寄り道してきたけどそこに後悔はない。だってどの道も最高に楽しかったから。

世界のイチローがこんなことを言っていた。

「遠回りが一番の近道。もし仮に最短でゴールに辿り着いたとしてそこに深みは出ない。」

俺の人生はきっととんでもなく味わい深いものになるだろうな。ワクワク。

サポート多いと外食しがち。ご馳走さまです!