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メタルグレイモンに超進化!「デジモンアドベンチャー:」第9~10話感想

第9話「完全体・襲来」、第10話「鋼鉄の超進化」の感想です。ちょいちょい気になってたんですが、グレイモンのサイズ昔より小さい?最初はオーガモンがでかくなったのかと思ったけど、メタルティラノモンと比較すると明らかに小さかった。メタルグレイモンになってだいぶ大きくなるけど、無印に比べるとかなり早い段階で完全体になりましたね…。この展開は賛否両論あると思いますので、その辺を中心に考察していきます。

7~8話の感想はこちら↓
https://note.com/tomoyuki1992/n/n005b6fe76847


漢・オーガモン

9話は完全にオーガモンが主役の回。話の大半が戦闘シーンでストーリー的にはあまり進まなかった。もともとはデビモンの命令で子供たちをねらっていたけど、6話で誇りであるツノを折られたオーガモンはグレイモンにタイマンを挑みます。言葉遣いは片言だし無印のオーガモンとは性格が違うかと思っていたけど、結局オーガモンはなんだかんだでいいやつだってことがわかって安心した…。復讐ではなく、後半の方は純粋にグレイモンとの戦いを楽しんでいたし、コアドラモンの攻撃からミミたちを守るような描写もありましたね(戦闘に水を差されたくなかったんだと思うけど)。

メタルティラノモンの乱入で自分が見捨てられたことを悟ったオーガモンは、子供たちに聖なるデジモンのいる方向を指し示し、メタルティラノモンに立ち向かっていく。漢だよアンタ…。グレイモンの強さを認め、1人で完全体に挑むその姿には惚れ惚れした。メタルティラノモンの攻撃を浴びてやられたように見えたけど、死んだっていう直接的な描写がなかったので、いずれ復活してまた出てくるのを期待しています。まだレオモンも出てきてないしね…(死ぬのはレオモンの役目でしょうに笑)。

光子郎のスペック高すぎ

光子郎きゅんなんでもできすぎじゃない?まずなんで空のスマホが使えなかったのに光子郎のパソコンはふつうに使えるんだよ…。要塞にあったデータを集めて分析したり、立体映像を出してみんなに説明したり、メタルティラノモンの隙を映像から分析したり…。10話では太一とヤマトが若干対立するけど、オーガモンの言葉が嘘じゃないことをデータで証明してて本当にすごすぎでしょ…。無印では太一とヤマトの仲を取り持つのは空の役目だったことが多かったね。今回の対立は軽めだったけど、個人的に太一とヤマトには殴り合うぐらいしてほしい。

あと今作ではテントモンがなぜかおちゃらけキャラに…。9話の登場シーンなんだよあれ…。今までろくに出番なかったから張り切っちゃったのかな。

超進化あっさりしすぎ問題

今回の1番の争点はここ。グレイモンからメタルグレイモンへの超進化。無印が20話でようやく進化したのに対し、今作ではわずか10話でメタルグレイモンに。この展開、無印を見てた世代はやっぱり物足りないと思う。ツイッター見てても「あっさりしすぎ」って声が多かった。わかる、わかるよその気持ち。単に超進化までの話数が短いだけじゃなく、なんの苦も無くメタルグレイモンになってしまった。

無印ではメタルグレイモンになる前にスカルグレイモンへの“間違った進化”があり、太一がアグモンを進化させることに臆病になってしまう。だけど空を助けるために太一は「勇気」をもう一度振り絞り、メタルグレイモンに超進化する。この過程があるからこそ完全体になったときの感動が増すのであって、これをすっ飛ばすと話として深みが全然足りないですよね。あまり無印との比較をしすぎるのもよくないし、今作は今作で別物と考えた方がいいのはわかるんだけど、違うなら違うでちゃんとしたストーリーを作ってほしい。

今回であれば、もうちょっとメタルティラノモンの強さを強調し、子供たちに壮絶な絶望感を与えたほうがよかった。9話でメタルティラノモンの圧倒的な強さを目の当たりにしたにもかかわらず、子どもたちがビビってる様子がそんなになかったよね。「あんな強いのに勝てるわけない…」とかいうセリフを丈かミミに言わせておくとメタルティラノモンのレベルの高さがもうちょっと伝わったんじゃないかと思う。作画自体はかなり迫力あったんだけどね。子供たちの反応がイマイチだった。

あと、太一とグレイモンだけで戦うっていうのが展開としてちょっと弱くて、「成熟期6体でメタルティラノモンに挑んでボコボコにやられる」→「ほかの子供たちが諦めようとするなか、太一とグレイモンだけが立ち向かっていく(勇気を出す)」→「超進化」みたいな流れだったらまだマシだった。太一とグレイモンだけでおとりをかって出るっていうのは勇気の描写としてちょっと不十分だったかな。まあ太一とグレイモンだけでメタルティラノモンに挑むのはオーガモンの敵討ち的な意味を持たせるためではあると思うんだけど。

迫力ある戦闘シーンを重視しすぎ?

10話まで観てきて思ったのは、今作は戦闘シーンにだいぶ重きを置いてるということ。戦闘中に子供たちがパートナーデジモンに乗っているシーンが多く、「一緒に戦っている感」をけっこう出してるよね。あと、戦いの迫力がすごい。グレイモンとオーガモンの一騎打ちも、単に必殺技の出し合いじゃなく、拳を交える肉弾戦的なシーンも多かった。進化シーンもかなり迫力がある。無印よりも怪獣感を打ち出していて、子供が見るとむしろ怖すぎる印象さえある。メタルグレイモンは前述したようにその進化の過程については不満が残るものの、作画はすごくよかった。羽根が光っている演出めちゃくちゃよかったし、必殺技もかっこよかった(余談だけど、ギガデストロイヤーからジガストームに変更になったのは、放送日が長崎の原爆投下日だったことに配慮してだと思う。敵キャラのメタルティラノモンはミサイルバンバン打ってたけど、やっぱり主人公キャラにミサイル打たせるのは抵抗があって、ビームに変更したという感じでしょうか。まあビームで大爆発は起こってるわけだからやっぱり深読みしすぎかも…。なんにせよ無印ファンからするとギガデストロイヤーのほうがよかったよね)。メタルグレイモンVSメタルティラノモンっていうメタル完全体同士の対決っていう構図もワクワクさせるものだった。あと完全体用に新しい挿入歌入りましたね…。02みたいでいいと思う。この調子だと究極体の時も別の挿入歌がありそう。

戦闘シーンが豪華で迫力ある一方、これまであまり子供たちの心理描写がそんなにされていないことに不安が残る…。序盤でオメガモンがポッと出たのもそうだし、メタルグレイモンへの超進化の過程があっさりしすぎていたのは先に書いた通り。戦闘シーンに関しては無印を超えるほどの迫力があるものの、深いストーリーを味わえていないのがここまで観てきた印象。ダイレクトに悪い言い方をすれば「見かけだけで中身が伴っていない」感じ。

実際今作はデジモンの「キャラとしての魅力やかっこよさ」を伝えるのにかなり注力することで、デジモンというコンテンツの新たなファンを獲得しようとしている感がある。実際グッズもかなりたくさん出しているようだし、今の子供たちにファンになってもらうためには、見かけのかっこよさや迫力を打ち出したほうがメディアミックス戦略上効果的なような気がしないでもない。

無印の魅力は子供の時はわかりづらかった

無印の魅力として、「単にキャラの魅力にとどまらず、子供たちの心情描写が多く、その成長の過程に感動する」ことを挙げるファンは多い。確かにその通りだし、僕もそう思っているファンの1人だけども、これは大人になった今だからこそわかる魅力であるような気がする。実際、リアルタイムで観ていた小学生のときに、親の離婚で離ればなれになったヤマトとタケル、実の親に育てられなかった光子郎の気持ちとか、彼らの複雑な心情や葛藤をどれだけ深く理解していたかというと疑問だ。確かにデジモンは僕にとって子供時代に一番好きだったアニメではあるけれど、「なぜこんなにも惹かれるのか」ということについては当時はそこまでわかっていなかったような気がする。つまり、無印のデジモンアドベンチャーは観てた年齢層よりもだいぶ大人向けな内容だったんですね。

だから、今作ではストーリーを複雑にするよりもシンプルに、デジモンのかっこよさが伝わるような内容にしたほうが今の子供たちにはわかりやすいという判断になったのかもしれない。とはいえまだ10話だし、無印のファンが今作を観ることも制作陣にとってはわかっていることなので、今後の展開で深い内容が味わえることを期待したい…。

パートナーデジモンがかなり早く完全体になったので、デビモンは最初のボスじゃないかもしれない。もしくはデビモンも進化するとか。ちょっと突飛かもしれないけど、デビモンはパタモンが暗黒進化した姿で、元に戻した後にバックにいる真の敵と戦うみたいな展開もアツいと思う。02ではグレイモンが敵であるデジモンカイザーに無理矢理暗黒進化させられるシーンがあったし、無印ではテイルモンは最初敵だったもんね。まあタケルと出会う前にすでに暗黒進化してるってどうなの?って感じではあるけど。いろんな線を予想するのは楽しいですね。

あとは完全体への進化があっさりしすぎていたので、究極体になるときに紆余曲折あっていいドラマが見られるかもですね。全体の半分過ぎても今の調子だったらちょっと中身なさすぎる…。まあ丈とミミのやり取りとか、いいシーンもなくはないので、まだまだ続けて観ていきたい。

今までの感想記事は下記にまとめています!


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