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穴馬ギャンブラーともよ 第6話「真のステイヤーとは #菊花賞 予想」

前回の結果

 前回の結果が良かった時だけ調子に乗る事にします。買ったけど当たらなかった馬だけ分析します。秋華賞では明確に印を打ったのが5頭で

◎リバティアイランド(1着)
○モリアーナ(5着)
▲マスクトディーヴァ(2着)
△ドゥーラ(4着)
☆ハーパー(3着

 という結果でしたわ。まあ、馬券的には最低保証の馬連のみ、ドゥーラが3着ならワイド、三連複共に取れたので良かったのですが、ドゥーラは先行したのが敗因ではなく、シンプルに負荷が甘すぎましたね。後半3Fに特化した末脚には限界があるタイプなので、ハーパーに凌がれるのも仕方無いです。

 モリアーナは中々に相性が悪いですね。NHKマイルも本命なんですが、噛み合わない印象。まあ内容は悪くなかったので、次も大舞台で期待したいです。エリザベス女王杯は連続輸送で荷が重いかも。

 密かにワイドで抑えていたエミューは残念ながら7着。こういうレースは向いていましたが、これを取りこぼす負荷しか与えてこなかったのも事実。フラワーCや桜花賞の経験が生きるレースが増えてくると良いのですが…

展望

 私が思うに、スタミナとは「同じ速度で走れる距離の長さ」です。人間で例えるのが分かりやすいと思います。全力ダッシュで1kmは走れませんが、ジョギングないし徒歩なら可能な事でしょう。

現役最強ステイヤーのタイトルホルダーも、2000m、まして1600mではどうする事も出来ないと思います。じゃあ逆に、現役最強マイラーのソングラインが、3200mでタイトルホルダー相手にどうにかなるのか?というのが今回の議題です。未だかつて、1200〜3200mを力で勝てる能力があったのは、ナリタブライアンただ1頭のみです。惜しいところだと、ミホノブルボンなんかが居ます。これには、絶対的なスピード基礎能力から来る余力というのがあります。

余力というのは「他馬より速く走れる距離の長さ」です。要は誰よりも速く走破できるかどうか。同じ「速い」でも1200mと3200mでは違うと思います。そこに余力が生まれる余地があります。競走馬のトップスピードには限界があり、全速力で走れるのは精々100〜200mです。勿論トップスピードに個々の違いはありますが、絶対値として、馬という生物の枠組みに留まるレベルの速度しか出せないです。

 上記の秋華賞の予想で「距離が1F違うと200m辺り0.125秒違う」という事を述べたと思いますが、例えばJRAレコードだと、マスクトディーヴァのローズSの1F平均11.44秒に対し、ノームコアのヴィクトリアマイルの1F平均11.31秒になります。近似でしょう。

 これを菊花賞に置き換えると、日本ダービーや神戸新聞杯より0.375秒、セントライト記念より0.5秒遅いのが長距離レースです、と言いたいところですが実は違います。アーモンドアイのトンデモレコード2:20.6(1F平均11.71)に0.375を足して15F計算すると、3:01.3になります。なんとトーホウジャッカルより遅いです。

 これが長距離レースの本質で、ある一定のラインから、その馬にとってダッシュ→ジョギングに変わるので、長距離レースはラップの単純計算でタイムを出しにくいです。そこで、先ほどの余力の観点が出てきます。他馬にとって厳しい速さが、その馬にとって楽な速さになるラインが低い馬が、余力のある馬になります。

 実を言うとこの余力確保のための追走力もあるのですが、これに関してはジャックドールが出る天皇賞秋の方がよく解説できると思います。

 上記を踏まえて、前哨戦と春二冠を分析していこうと思います。

皐月賞は前傾2秒の厳しい流れでした。ほぼ全馬が、自身が経験したことの無いペースで走っている訳ですが、そんな中でもソールオリエンスとタスティエーラは勝ち切る内容で走れました。落鉄があったファントムシーフも、それなりには走っていますが、着差からも分かる通り、明確に上位2頭と力の差が出ていると思います。

ダービーは2番手以下が信じられないぐらい遅い速度で追走する流れで、3番手以下なら上がりを使える馬が大多数でした。位置を取った馬と捲った馬が有利でしたが、これも皐月賞の上位2頭での決着でした。捲ったのはスキルヴィング、ファントムシーフ、ハーツコンチェルトの3頭で、一番後ろから捲ったハーツコンチェルトがこの中で一番速い上がりを計時しています。

神戸新聞杯はダービー並に遅い流れから、逃げたファントムシーフが3.5F戦に持ち込みました。ラスト600〜200m地点で立て続けに1F10秒台のラップが刻まれ、ファントムシーフが失速する中差してきたのがサトノグランツとサヴォーナです。ハーツコンチェルトは距離ロスを差し引いても、0.1秒差の5着は若干物足りない結果となりました。

セントライト記念は1000〜2200m地点まで全て加速ラップのロングスパート戦でした。まあそれは他馬にとってという話で、レーベンスティールとソールオリエンスにはゴール前に11.0秒を余裕で計時するぐらい遅い流れでした。ラスト1000mは58.8でしたが、その実上位2頭は直線のみの競馬に近いです。

 いずれにも言えることは、連対馬が内容的に優秀な点です。いずれのレースも末脚質が高い馬が結果を残しており、余力で勝っていたという所に信頼できる余地があると思います。普通に皐月賞ダービー1〜3着と前哨戦の1〜2着(被り有り6頭)で決まる可能性がかなり高く、ベタ買いで資金配分すれば勝てそうです。

 それでも穴馬は選んでいきたいので、以下では上位人気が想定される馬(まあ買う馬ですが)と狙いの穴馬に関して述べていこうと思います。

ソールオリエンス

 牡馬だと世代No.1になります(疑問形)な馬。リバティアイランドやマスクトディーヴァ同様、余力とスピードでぶっち切るタイプの馬で、まあシンプルな余力量だけならこのメンバーだと並ぶ馬は居ないと思います。

コーナリングが絶望的で、右回りを逆手前で走っているというのはありますが、直線的なコーナリングで余力を温存しつつ、世代随一の直線性能に配分を置いた結果、ドゥラメンテみたいなキタサンブラック産駒が誕生しました。

 過去の例だと皐月賞のドゥラメンテは勿論ですが、秋華賞だとアーモンドアイや先週のリバティアイランドも逆手前のコーナリングをしています。本来であれば、外に逃げる力が働くため、曲がる際の負荷が上がるのですが、完全なカーブを描くコーナリングではなく、多角形的なコーナリングをする事で、負荷を緩和しています。

 京都外回りは3〜4コーナー中間手前に、逆手前で問題無い区間が存在します。4コーナーはご存じの通り、数多くの馬がイン突きで結果を残していますので、コーナーの大変さに関しては中山内回りを100としたら丁度50ぐらい。ただ、菊花賞は2周するので半分ではないです。スパートの有無も関係するので、70〜90ぐらいが妥当なラインではないでしょうか。内枠で位置を取りつつ1周目を迎えるならば、110ぐらいはありそうです。セントライト記念よりは確実に厳しい印象。

 セントライト記念のラップを見ると、後半6F間に渡って加速ラップが刻まれています。その上で、最高速度をゴール寄りに持って行ったのが勝ち馬レーベンスティールとソールオリエンスの2頭。GⅠのスパート強度ではないので、実際にコーナリングが影響する部分に関しては未知数ですが、良い予行演習になったのではないでしょうか。菊花賞の1800m〜2800m区間はこういうラップが刻まれやすいので、本番でも力通り走ってくれる可能性が高いです。

 加えてこの馬とタスティエーラは、ハイペースの皐月賞、スローペースのダービーでどちらも好走しています。逆なら1F辺りのラップは大体同じなので、適性に関しても疑問符が付きますが、シンプルに持ってる余力が違うが故になせる技。この2頭の余力が抜けていて、例えばドスローで進んで後半1000m勝負になれば、春二冠同様に、この2頭で決着する可能性が高いです。良いライバルですね。

 狙いたいのは中山内回り2周の有馬記念なのですが、ここの好走は必須級。前走では折り合いバッチリでしたので、よりペースが遅くなる菊花賞でどうかも、春からの成長に期待します。

評価:90点(S)

タスティエーラ

日本ダービー優勝からの直行は史上初だそうで、ダービーから菊花賞の直行ローテ自体も累計5頭しか居ないレアケースになります。セントライトの頓挫がありますからね。そこは仕方無い。

 モレイラが日本の長距離レースに合うかは未知数ですが、多少強気に押して行っても最後まで長く脚を使える余力が強みです。ソールオリエンスとは真逆のタイプで、相当早い段階で踏まないと、ゴールまで脚を使い切ることができません。機動力が要求されるコースで強いレーンが2400mをテン乗りで勝ったのも、この馬の特性に騎乗スタイルが合っている部分は大きかったです。

モレイラは安定した先行力と捲りが使える騎手なので、タスティエーラとの相性は良いと思います。ここでも強気に乗って押し切れる可能性は高いです。父サトノクラウンが当然近いタイプになりますが、アスクビクターモアなんかも近いタイプです。気性的に少し掛かりやすい面があるので、それさえ克服してしまえば有力馬の中でも相当期待値が高いです。

 ソールオリエンスと合わせて、どちらも有馬記念で狙いたいタイプなのですが、この馬もまた、コーナリングに難を抱えています。曲がれない前者は論外として、タスティエーラのコーナリングは内を回すと負荷が生じるというもの。コーナーで加速が要求されると辛いです。まあ菊花賞は2周目3〜4コーナーでペースが上がりやすいのでこの辺りからこの2頭は鬼門ですね。

最後の一踏ん張りという観点では、やはり皐月賞の好走から目立つように、中距離カテゴリではこの世代でも随一です。それも余力の絶対量がなせる技で、長距離で余力を確保するスタミナがあるのなら、絶対軸は寧ろこっちなのかもしれません。

 よくよく考えたら、直行ローテが主流となったアーモンドアイ以後、過去6年のオークス5着以内の秋華賞直行成績は5-1-2-4で馬券内6割強ですし、勝ち馬に限定すれば3-0-1-1です。秋華賞で出来て菊花賞で出来ないなんて道理はあまり無さそうに感じるほど、現代の外厩は整っています。こちらもソールオリエンス同様、春からの成長に期待したい所ですね。

評価:85点(A++)

ドゥレッツァ

 キタサンブラック、サトノクラウン、と来たので次はドゥラメンテ産駒で。思うに、リアルスティール産駒のレーベンスティールも来たら同期大集結ですね。

 スピードの持続力に富む馬で、前走日本海Sは後半1000m58.9秒の流れを後方から捲りながら差しています。1秒前後の追走でしたので、58秒を切るレベルの走破です。未勝利戦ではサトノグランツに競り勝っているように、末脚の質はかなり高く、4連勝が全て上がり最速なように、このメンバーではソールオリエンスの次に末脚が強いと思います。

 最も注目したいのは、未勝利戦を除く3連勝で全て、逃げ馬が2着ないし3着に入っている点です。前走のみ逃げ馬が3着(2番手追走の馬が2着)ですが、他の2レースは逃げ馬が2着です。逃げ馬が残る流れで差し、着差を付けて勝っているというのは、それだけトップスピード、末脚の持続力に優れている証拠だと思います。

 スパート質を分析した際、ソールオリエンスを2F特化とするなら、タスティエーラは4F持続型、ドゥレッツァは3F特化寄りという感じです。後半5Fの速度レベルでは若干挙げた順に強いという印象。とはいえ、その差自体は微々たるもので、いずれも軽視する要素にはなりません。

 長距離は騎手で買えという格言がありますが、横山武史、モレイラ、ルメールを横で比較するならどう見てもルメールなので、重賞初出走ですが、人気的にも良い塩梅になりそうです。速い段階でのペースアップは好ましくないですが、この馬もまた、余力をスピードで差しに行くタイプなので、道中の位置取りには注目です。

ルメールは折り合いを大事にするタイプで、後述するサトノグランツの川田将雅と合わせ、この中だと最もそれに優れています。長距離は無限に強いので、適性外や大きく掛かったりしない限り、ある程度は何とかなりそうです。

評価:75点(A)

サトノグランツ

 ウマ娘4期はここにあったのか。なサトノダイヤモンド産駒。改めて考えると、先週が親世代の菊花賞のアニメ放映で、今週にメインキャストの子世代の子世代が人気を集める菊花賞が開催されるのは、ウマ娘は相当「持ってる」コンテンツなんですよね。

 注目したいのは京都新聞杯でも神戸新聞杯でもなく1勝クラスのゆきやなぎ賞です。2400m戦ではありますが、1000〜2000mに掛けて加速ラップが踏まれ、ラスト2Fの耐久力も問われた1戦で、先行して強気の競馬で押し切っています。実際レースラップを見ても、0〜1000mが63.0秒なのに対し、1000〜2000mは59.0秒と、スローペースに見えてかなりのロングスパート戦です。

 そのラップを凌いでいる訳ですから、持続力に大変優れていると言えます。これは同レース2着のサヴォーナにも言えることで、神戸新聞杯の戦前には、この2頭が菊花賞(距離延長)の妙味が高いとTwitter上で述べています。まあこの2頭で決着するのは想定外でしたが。

 神戸新聞杯杯自体も、1800〜2200mに掛けて連続して10秒台のラップが刻まれる中、ファントムシーフが12.1秒を計時したラスト1Fでどれだけ踏ん張れるかの戦いでした。コースロスが無い騎乗も勝因に挙がりますが、それ以上に持久力が高い点に強さの本質が現れている気がします。

 3戦連続で超スローペースなので末脚のスピードが優れているように感じますが、1800mの未勝利戦で後に毎日王冠を勝つエルトンバローズを競り落としているように、レンジとして速いというだけです。そのレースも持久戦だった点から見ても、この馬の本質は寧ろそこにあり、スピードレンジはおまけ程度です。

 そもそも2400mのラスト3Fを33秒台で走れるなら、3000mのスピードレンジとしては十分なので、脚の速さというのはあまり気にしない方が良いです。スピード自体はどの馬にもチャンスがある訳なので。

 余力自体はソールオリエンスには遠く及びませんが、持久力という観点なら、タスティエーラとそれなりには良い勝負ができると思います。ここ2戦は差しに回る競馬が続いていますが、ある程度前受けするのが理想的でしょう。内に入れながらタスティエーラの後ろを取る争いに加わる事ができれば良いのですが。

評価:85点(A++)

ハーツコンチェルト

 先約の都合でしょうが、ダービー馬から乗り替わるという結果を招いた張本人です。ダービー前は皐月賞2・3着共に乗り替わると話題になったものですが、蓋を開けてみたら乗り替わり先は…という結末でした。スキルヴィング号よ、安らかに。

 さて、元相棒のタスティエーラへリベンジが叶うかというと、可能性としてはそれなりにあると思います。日本ダービーは1コーナー地点で16番手なのを捲っている訳なので、パトロールビデオから推察すると、ラスト1200mを70.1秒ぐらいで走っています。つまり、残り1000mも57秒台の速いタイムで走破しており、位置取りから考えても日本ダービーの後半6Fは最速です。

 お察しの通り、こちらも持続力タイプです。余力に関してはサトノグランツと同程度だと思いますが、サトノグランツが「トップスピードを落とさない力」に長けたタイプなら、ハーツコンチェルトは「長い距離を速く走る」タイプです。追走力が高くないため、どうしても2400mからでないと勝負にならないですし、2400mでもラスト3F戦になると痛いです。

 追走力の要求値が下がる分には楽ができるでしょうし、元々2400mで後方から捲れる脚も持つ程度の余力もあります。この中だと余力に関してはソールオリエンスの次、タスティエーラと同格か近いぐらいだと思いますので、距離さえ持てば力を出し切ってくれると思います。

 懸念点としては、前走の距離ロス分の考慮でしょうか。神戸新聞杯のラスト4Fはサトノグランツとほぼ同値ですが、距離ロスがラスト1Fで0.1秒差を生み出したとは考えにくいですし、早めに最高速度を出し切って耐えるラップになった時に、脆さが露呈する可能性は考えられます。

 とはいえ、長い距離を速く走る能力は菊花賞向きですし、捲る分のロスを考えても、ここでは最有力と捉えています。

評価:90点(S)

サヴォーナ

 狙いの穴馬ラインになりますが、まあ普通に人気しそうで私も軸で買うのでこの馬に関しては個別稿を書きます。

 未勝利戦から評価していた馬で、追走レンジが下がれば下がるほど自由さが増してきました。12〜13F戦を6連戦していますが、逃げ、先行、追込と何でもできます。スキルヴィングには完全敗北していますが、サトノグランツに負けた2戦はいずれも小差ですし、本番で逆転があっても驚かないです。

 持続力の高い馬ですが、神戸新聞杯のファントムシーフの急加速で差を詰めたように、ある程度のトップスピードも保持しています。サトノグランツと評価自体はほぼ変わりませんが、こちらの方が自在性という意味で一枚上手です。逃げも出来ますからね。神戸新聞杯を見返すと、テン1Fの速度に関しては最速でしたし、与えられる負荷として、やはりサトノグランツより評価を上げたい点でもあります。

タスティエーラの後ろが当たり前のように取れそうなのもこの馬で、展開をコントロールしやすいと思います。並び的にはタスティエーラから5〜6頭ぐらいが一列で確保できそうですし、前走で川田将雅がサヴォーナの後ろに進路を取った点からも、後方脚質の各馬を見させる競馬ができるのが強みだと思います。

 悪い意味だと、完全に目標にされるデメリットがありますが、好位置さえ取ってしまえば、自分より後ろの有力馬に、自分より外を回す事を強いるレースが出来る点で、前述の各馬より遥かな利点が感じ取れます。万が一後ろになったとしても、2400mの末脚の質としては高い馬なので、安定して差しに行くことも可能でしょうし、過去6戦の堅実性がそのまま本番に直結すると思います。

 ただ、小差でも負けているのは事実なので、純粋な力比べという点では、有力各馬に一歩劣る印象です。立ち回りでカバーできれば。

評価:85点(A++)

狙いの穴馬①

トップナイフです。

 この馬もサヴォーナと同様、未勝利戦から注目していた馬で、ここ最近は勝ちきれないレースが続いていますが、一発警戒という観点ではこの馬が一番脅威でしょう。

 トップナイフの未勝利戦は、前傾0.5秒の完全イーブンペースなのですが、全くスピードを落とさずに走破できています。ペースはあれど同日の古馬2勝クラスと0.3秒しかタイムも変わらない点も、この馬の持続力の高さを示していると思います。その当時の私は非常に高く評価していて、菊花賞の単騎逃げが向くとツイートしています。

 そこから取りこぼした要因はペースにあります。末脚の次元は全く高くなく、普通にこれより上の馬しか居ないです。手っ取り早く強くするのであれば、イーブンペースで逃げ続ければ良かったですし、いくつかの勝ちもあったと思います。ただ、ちょっと乗り難しい馬なんですよね。それ故に、横山家の自家用車みたいな事になってますが。

 未勝利戦の経験が最も強く出たのは前走の札幌記念。勝ち馬プログノーシスの数字は近年だと2019年のアーモンドアイの天皇賞(秋)に匹敵するレベルです。エイジアローワンスを加味しても、これに4馬身0.7秒差は3歳牡馬なら相当優秀です。ソールオリエンスの皐月賞の次に数字が良いと思います。

 この時は、強気に内から捲り持続力を生かすレースを行う事ができました。菊花賞で陣営は1枠1番を欲していましたが、まあ前走見たら逃げる気しか起こらないんじゃないかなと。途中逃げからでも面白そうです。タイトルホルダーの年のようなラップが理想で、前半1000mと中盤1000mの差が4〜5秒あれば多分残ると思います。

 懸念点はゲートとテンの遅さですね。リビアングラスはテンも良いので恐らくこちらが前に行きます。鞍上の坂井が絶対にどスローに落とすので、どこから絡むかだと思います。

評価:70点(B+)

狙いの穴馬②

ウインオーディンです。紫苑Sのシランケドの時もそうでしたがバレましたね。

 注目したいのは2走前の阿賀野川特別です。勝ったリビアングラスが出走するので目が行きがちですが、ラップ適性的にはこちらの方が上です。

 リビアングラスはテン3F34.0で逃げており、58.9-60.4の前傾1.5秒で走破しています。ここだけ見るとイーブンペースですが、ラスト2Fは11.6-11.8と1000m毎の区切りで見ると到底妥当な速度ではなく、余力があり余ってるスパートをしています。800〜1800m区間が62秒フラットなので、ミドルペースに見えてかなりスローです。

 これを捲って2着だったのがウインオーディンで、かなり起伏の少ないペースで2200mを走破しています。これは下記の私のツイートから見て貰った方が早いかもしれません。

https://x.com/tomoyo_taiyuji2/status/1713701073595388203?s=46&t=1yKEZipQL47a7vV6U1oa9A
https://x.com/tomoyo_taiyuji2/status/1713772363857477941?s=46&t=1yKEZipQL47a7vV6U1oa9A

長距離を走る上では妥当なラップ適性を有していますし、内枠を引いた事でロスが少なくなるのも事実です。一応はマイルで差せる脚もあるので、少なくとも人気以上には走ってくれると思います。

 とはいえ、普通に強くないので、強く推すほどの材料はありません。オッズ妙味的な部分との兼ね合いですね。

評価:70点(B+)

予想

◎ソールオリエンス
○ハーツコンチェルト
▲タスティエーラ
△サヴォーナ
☆サトノグランツ

予想軸
能力50:TB20:展開30

 いずれにせよ、末脚が強くないとどうにもならないレースです。軸がオール関東馬という、まあ恐ろしい予想になりました。

 そもそも、余力勝負でダービーの上位3頭相手にどうにかできそうな馬が見当たりません。セントライト記念にしたって、神戸新聞杯にしたって、上位2頭以外はかなり差がある形でしたし、素直に上の5頭を評価したいと思います。

 実際のステイヤー適性はラップを見ないと分からない部分ですし、シンプルな強さの部分で選びたいと思います。三列目を広げる都合上、タスティエーラを2列目で買えないのでソールオリエンスやハーツコンチェルトが読み通りの走りをするかどうかですね。

 上位3頭は明確に末脚の力が高いですし、崩れる要因こそあれど逆らう要素はありません。先週の秋華賞でも、超スローペースにもかかわらず末脚が重要視される結果となりましたし、並の脚ではどうにもならないと思います。

買い目(暫定)
⑫-⑭-穴穴⑦⑧⑪⑮⑯⑰ 三連複8点
⑦⑧⑪⑫⑭ 三連複ボックス10点

①-④⑥⑦ 枠連3点
もしくは②-⑦⑧⑪⑫⑭ ワイド5点

被りもあるので、30点ぐらいで資金配分します。

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