【牝馬編】2024年クラシックホース強さ議論＋ #桜花賞 予想

各重賞レースの分析

　2歳戦から分析していきます。ランキング形式で、指数が高かったレースを分析していきます。登録馬が出走したレースしか分析しないため、そこはご自愛ください。

　ひとまず桜花賞出走予定馬が出走したレースで分析を掛けます。オークス時は桜花賞も含めたレースで分析していきます。

1位：阪神JF（S：GⅠ勝利水準級）
2位：チューリップ賞（S：GⅠ勝利水準級）
3位：ホープフルS（A++：GⅠ好走水準級）
4位：朝日杯FS（A++：GⅠ好走水準級）
5位：Fレビュー（A++：GⅠ好走水準級）
6位：クイーンC（A+：重賞勝利水準級）
7位：新潟2歳S（A+：重賞勝利水準級）
8位：京王杯2歳S（A+：重賞勝利水準級）
9位：ファンタジーS（A：重賞好走水準級）
10位：アルテミスS（B+：OP勝利水準級）
11位：フェアリーS（B+：OP勝利水準級）

　とりわけ数字が高かったのは阪神JFで、ボンドガールやチェルヴィニアの不在は囁かれましたが、レシステンシアのレコードを0.1秒更新する好内容でした。リバティアイランドやウオッカが叩き出した古馬GⅠ好走水準級のパフォーマンスではありませんでしたが、世代GⅠなら勝ち負けの数字です。

　例年ならこの上位3頭で順当に、というレースではありましたが、今年は更にチューリップ賞が高い数字を叩き出しました。かなり流れたレースで追込が通った印象ですが、最後はどの馬も脚が止まっている消耗戦でもありました。この2レースは追走負荷も高く、今年の桜花賞はここの上位馬が中心となりそうです。

　他の2歳GⅠも全体的にレベルは高く、成長曲線を考えれば春でも好走できそうです。阪神JF以外に出走した馬で登録は無いので割愛します。オークス時にここは解説。

フィリーズレビューも悪くない数字で、上位3頭は桜花賞でも十分好走圏内になると思います。ただ、ファンタジーSもそうですが、2F目に最高速度を出してそれを維持するスプリント質のレースなので、本番のラップ適性とはある程度別ベクトルで考慮する必要があるかなと。実は今年のスプリント路線は非常にレベルが高いため、ここの好走馬も含めて夏や秋の飛躍に期待しています。

　3歳重賞は前哨戦のみ好内容で、他のレースはそこまで数字が上がり切っていません。クイーンズウォーク以外は目立った末脚質ではありません。とはいえ、フェアリーS、クイーンC、フラワーCは全て2戦1勝馬が勝利している点からは、GⅠでもう一つ伸び代があってもおかしくないのではという点で期待が持てそうです。

　2歳重賞だと抜けて良いのは新潟2歳Sで、勝ったアスコリピチェーノは全体的な数字を非常に高いレベルでまとめ上げていますから、流石の最優秀2歳牝馬といったような印象でしょうか。アルテミスSは勝ったチェルヴィニアの末脚質は悪くないです。2022年と数字は同程度なので、成長を逆算すればGⅠ好走の可能性はあるかもしれません。

十傑

1位：アスコリピチェーノ

通算成績：3戦3勝
主な成績：阪神JF（GⅠ）1着、新潟2歳S（GⅢ）1着

余力：10
トップスピード：9
持続性能：8
追走力：7
スタミナ：6
気性：7
機動力：6

総合評価：95点（S+）
末脚評価：S+
適性距離：1400〜1800m
期待度：桜◎・NHK◎・樫▲

　圧倒的な完成度を誇り、追走力・末脚ともに高いレンジで走破しています。無敗のキャリアに恥じない順調な成長曲線で、全体的な数字も高いです。数字が出るレースに強く、マイルを余力で力押しする勝負に向くと思います。

　スピードレンジ的にマイルがベストでしょうが、3歳春時点では2400mもこなして良いと思えるぐらい、良い意味で馬体に締まり切らない部分があり、長めの距離でも活躍できそうに感じます。

　桜花賞では最有力候補で、NHKマイルやオークスでも本線として狙えるでしょう。過去数年を遡ってみても、直行馬の戦績は抜きん出ていますし、この馬自身も阪神JFは新潟からの直行で勝っているのも後押しになりそうですね。

2位：ステレンボッシュ

通算成績：4戦2勝
主な成績：阪神JF（GⅠ）2着

余力：10
トップスピード：8
持続性能：8
追走力：6
スタミナ：7
気性：5
機動力：6

総合評価：95点（S+）
末脚評価：S
適性距離：1600〜2000m
期待度：桜○・NHK○・樫◎

　こちらも完成度が高い馬で、末脚質はアスコリピチェーノ同様高いレベルにあります。エピファネイア産駒らしく、恐らくオークスが一番狙いやすい条件に感じますが、ポテンシャル的には桜花賞でもやれておかしくないように感じます。

　ゆったりとした追走から鋭く切れるので、マイル前後だと取りこぼしもありそうですが、スタミナはあると思うので、流れたとしてもスピードレンジで戸惑う事はないと思います。要求される追走力が下がってからが爆発の契機かと。掛かりやすい気性なのでその辺りは念頭に入れたいです。

　阪神JFの走破から考えれば、春に向けて成長していればクラシックでも最有力候補ですし、牝馬クラシックに圧倒的な良績がある国枝厩舎なら、世代の頂点として君臨するような馬に仕上げてくる可能性はありますね。

3位：スウィープフィート

通算成績：6戦2勝
主な成績：チューリップ賞（GⅡ）1着

余力：9
トップスピード：8
持続性能：8
追走力：7
スタミナ：7
気性：4
機動力：5

総合評価：90点（S）
末脚評価：S
適性距離：1600〜2000m
期待度：桜○・NHK○・樫○

　ゲートの出も悪く掛かる気性で中々に扱いが難しいですが、ハマった時の爆発力は世代随一です。ピーキーさは祖母スイープトウショウ譲りのものを感じ、競走馬としての着地点は見えづらい所がありますが、適性的には祖母と似た印象を受けます。

　タフなレースに強く、恐らくマイルのスピード戦では分が悪そうな印象を受け、気性をコントロールできればという前提はあるものの、距離が伸びて真価を発揮しそうです。今は大味な競馬しかできないので、その点でも減点材料はありますね。

　追走力は高い水準まで上げられそうで、精神面が完成されると楽しみも増えてくると思いますが、ジェラルディーナっぽさもありますね。機動力はありそうなので、春は武豊騎手が騎乗する事でしょうから、どういう内容を見せてくれるか楽しみです。

4位：レガレイラ

通算成績：3戦2勝
主な成績：ホープフルS（GⅠ）1着

余力：9
トップスピード：8
持続性能：8
追走力：6
スタミナ：9
気性：6
機動力：5

総合評価：90点（S）
末脚評価：S
適性距離：2000〜2400m
期待度：皐月▲・NHK△・樫◎・ダービー○

　直線性能が高い馬で、ホープフルSは直線一気で勝ち切りました。追走も苦しく、早めから動く馬も多かったので、余力を残したこの馬にとって有利な展開となりましたが、斤量差1キロで勝ち切った点に関しては内容や着差以上に評価できる点です。

　上がり勝負となったアイビーSはダノンエアズロックってにスピードレンジで屈しましたが、2000m以上のレンジをズバズバ切ってきそうな雰囲気があります。余力で差していますがスタミナも豊富で、広いコースの長めの距離に良さが出そうです。

　レースレベルは番組が全く無い中距離戦のレンジとしては高く、皐月賞では中心的な存在になりそうです。ただ、機動力はあまり高そうに映らないため、乗り役が特徴を掴んでこその馬だと思います。ルメール騎手の落馬負傷が悔やまれます。オークスやダービーでは力を出し切ってくれそうです。

5位：コラソンビート

通算成績：6戦3勝
主な成績：京王杯2歳S（GⅡ）1着、フィリーズレビュー（GⅡ）2着、阪神JF（GⅠ）3着

余力：8
トップスピード：8
持続性能：8
追走力：8
スタミナ：5
気性：6
機動力：6

総合評価：90点（S）
末脚評価：A++
適性距離：1200〜1600m
期待度：桜○・NHK▲

追走力とスピードの維持に長けたタイプで、前走はアッサリとスプリント質の流れに対応しました。スローペースのマイルと1400mからの臨戦で阪神JFでも好走していましたが、最後は若干止まり気味でした。1400mのレースの方が内容は良いんですよね。

　ゆくゆくはスプリント路線を走っている気はしますが、現状はギリギリマイルも持ちそうといった印象です。内容次第ではありますが、中距離質になるNHKマイルだと少し厳しそうです。その分、立ち回りである程度差が付く桜花賞では暮れの競走と同程度には狙えそうです。

　フィリーズレビューでは最内枠で内を立ち回って2着だったように機動力もあります。流れた1400mでは掛からなかったものの、マイルだと掛かる気性は僅かに割引ですかね。スワーヴリチャード産駒が初年度にしてここまで活躍するとは。十傑には堂々の3頭選出です。

6位：キャットファイト

通算成績：6戦3勝
主な成績：アネモネS（L）1着

余力：8
トップスピード：7
持続性能：8
追走力：6
スタミナ：6
気性：3
機動力：6

総合評価：85点（A++）
末脚評価：A+
適性距離：1600〜2000m
期待度：桜▲・NHK△・樫△

　スウィープフィートとは別ベクトルで気性が壊滅しており、レースにならないパターンも続きます。2歳時のアスター賞の数字が良く、ここから順当に成長すれば楽しみな馬でしたが、阪神JFとフェアリーSで大崩れ。アネモネSで立て直したものの、まだ本来の走りではありませんでした。

余力を持ってスピードを維持できる中距離馬で、マイルで好内容ですが、スピードや追走のレンジは完全に中距離馬で、脚を溜めて最後まで途切れず末脚を繰り出すことができます。機動力に関しては中山マイルで内を立ち回っていた点を考慮すればありそうです。

　気性を考慮しなれければオークス向きで、秋華賞でも楽しみな馬です。世代戦だと紫苑S辺りでまた良いパフォーマンスを出してくれそうで、常に穴として警戒は必要な馬だと思います。まだ能力を出し切っていないというのは、何かと間違いが起こりやすいですからね。

7位：クイーンズウォーク

通算成績：3戦2勝
主な成績：クイーンC（GⅢ）1着

余力：8
トップスピード：8
持続性能：7
追走力：5
スタミナ：6
気性：6
機動力：6

総合評価：85点（A++）
末脚評価：S+
適性距離：1600〜2000m
期待度：桜○・NHK○・樫▲

　グレナディアーズの半妹となりますが、阪神1400mの鬼という訳ではなく、1600m～2000mっぽい適性にありそうです。川田騎手や中内田師はオークス向きと断言していますが、純マイルで正攻法の競馬ができない点にあると思います。

末脚のレベルはこの世代でも非常に高いレンジにあり、トップスピードこそありませんが東京コースで後方から差し切る持続力は中々のものです。その分追走力は控えめでスローの上がり勝負しか経験していません。その点で桜花賞だとどう転ぶか分からない部分があります。スピード勝負自体には対応ができそうです。

　2400mのレースが向くかは正直疑問ですが、レースがしやすそうなのは感じます。完成度は高そうに映りますが、成長の余地は大いに残していると思いますし、本格化は秋以降になりそうな気もするんですよね。現状で春の主役かどうかは判断が少し難しいという印象。完成形は凄そうではあります。

8位：セキトバイースト

通算成績：6戦1勝
主な成績：チューリップ賞（GⅡ）2着

余力：7
トップスピード：7
持続性能：9
追走力：10
スタミナ：5
気性：6
機動力：7

総合評価：80点（A+）
末脚評価：A
適性距離：1400〜1800m
期待度：桜○・NHK△・樫▲

　キャリア6戦の内4戦が2着、着外に負けたレースも含めて着差は0.4秒以内に収めている堅実派ですが、本質はハナ差で負けたりんどう賞や、逃げて粘ったチューリップ賞のような消耗戦で、スプリンターのそれとは別ベクトルにあると思います。

高いレベルの追走力を有しており、桜花賞と秋華賞を中心に狙っていけそうです。トップスピードは無いタイプなので、スローの切れ味勝負で劣っている敗戦が目立ちますが、1戦ごとに力を付けているのは確かであり、距離は2000mぐらいまでなら伸びても大丈夫に映ります。

　スプリントでも良さそうには感じますが、チューリップ賞は地力で残した2着なのは言うまでもありません。TBが有利な展開とはなりましたが、しっかりと前半から踏んでいけるレースをすれば大穴を開けるシーンが見られてもおかしくないと思います。1400mを力で勝つ馬に成長しそうな雰囲気にも。

9位：クリスマスパレード

通算成績：2戦2勝
主な成績：水仙賞（1勝C）1着

余力：7
トップスピード：7
持続性能：8
追走力：6
スタミナ：9
気性：7
機動力：9

総合評価：80点（A+）
末脚評価：A
適性距離：2000〜2400m
期待度：樫○

　地味な血統ですが重厚で、高いスタミナと機動力、持続力が持ち味の馬です。牡馬も交えた2連勝は濃い内容で、スローペースを前受けして有利な展開に持ち込めたのも事実ですが、最後まで止まらないスタミナはこの世代でも面白い特性に感じます。

　現状は中山コースの2連勝で、今後はオークス路線で楽しみな存在ですが、ローカルの牝馬限定重賞でも楽しみな馬です。フローラSが2着以内が前提となりますが、クイーンSなんかも面白いレースを見せてくれそう。道悪に強そうなのも良いと思います。

　馬場差や相手関係はあると思いますが、2戦とも明確な着差を付けて勝利しており、機動力や持続力からもフローラSでは中心的な存在となりそうです。TB向きますからね。紫苑Sなんかも面白く、今後の牝馬限定戦で目が離せない馬の1頭になると思います。

10位：チェルヴィニア

通算成績：3戦2勝
主な成績：アルテミスS（GⅢ）1着

余力：8
トップスピード：8
持続性能：7
追走力：5
スタミナ：7
気性：7
機動力：5

総合評価：80点（A+）
末脚評価：S
適性距離：1800〜2200m
期待度：桜△・NHK△・樫○

　昨秋に強いパフォーマンスを見せ、世代の中心になると想定されましたが、順調さを欠いてしまい、結果桜花賞での復帰となります。流石に期待以上の好走は考えられず、春は悔しいレースが続くと思います。追走力が足りないのでオークスの方が恐らく向くと思います。

　アルテミスSでは1頭だけ圧倒的な末脚を見せ、正に格の違う走りではありました。融通の利くナミュールやプレサージュリフトのような印象を受け、まあこの2頭と比較すれば遥かに操縦性が良いため、良くなるのも早いとは思います。末脚のレベルはこの中でも引けを取りません。

　とはいえ、現状では失った期間のロスが大きいです。使えていないのはもとよりですが、阪神JFやチューリップ賞はレベルが高かった分、その馬たちとの経験値の差が如実に現れそうで。純マイルの桜花賞より、素質の領域の大きいオークスでまた狙ってみたいです。ただ、2200mが延長限界には映ります。

桜花賞予想

◎アスコリピチェーノ
○ステレンボッシュ
▲スウィープフィート
△コラソンビート
☆セキトバイースト

予想軸
能力50：TB30：展開20

買い目
⑨-⑫-②③④⑥⑦⑧⑩ 三連複7点
⑨-②③④⑥⑦⑧⑩⑫ 馬連8点

　阪神JFで逃げたシカゴスティング、チューリップ賞で逃げたセキトバイースト、フィリーズレビューで逃げたエトヴプレが一堂に会したため、ペースはスローではなくミドル～ハイペースを想定します。どの馬が逃げるかという点ではありますが、どれか1頭が逃げればそこまで競り合いが続くイメージはありません。3頭とも差しに回れますからね。

　どういうラップでも当然内枠が有利で、後方から末脚だけで差せるとするならクイーンズウォークぐらいしか居なさそうです。先行脚質が有利と出るかはペース次第です。コラソンビートやアスコリピチェーノは好枠を引いたのである程度位置を取りに行きたいです。例年通り立ち回り巧者がしれっと3着とかにはなりそうで、内の馬場をロスなく回れる馬には要警戒。

　予想印の解説は基本的に十傑の数字順なので今回は割愛します。成長補正を考えるなら、順当にアスコリピチェーノとステレンボッシュが最有力でしょう。2頭とも栗東に連れ込み大阪杯の出走馬（ルージュエヴァイユ、ハヤヤッコ）相手によく走っていました。北村宏司騎手の牝馬三冠も見たいですが、来年の短期免許を考慮するとモレイラ騎手にも頑張って欲しいです。

　チューリップ賞の数字を信用するならスウィープフィートも楽しみですね。まあどう乗るかのビジョンが全く見えませんが。穴として面白いのはセキトバイーストですね。ラップが流れないとこの2頭は真価を発揮しないので軸で買うには少々不安ですが、どうせ複勝あまり売れないタイプの馬なので。ご自宅が窃盗の被害に遭い、時計類や金品を数多く失ってしまった武豊騎手には報われて欲しいです。武豊騎手の体内時計は1000億は下らない価値だと思うので、それが盗まれなかっただけでも、とは思いたいです。

　印を打った以外だと、クイーンズウォーク・イフェイオン・キャットファイト・ハワイアンティアレが面白そうです。全て内。クイーンズウォークは川田騎手のバフが掛かってどこまでという所でしょうか。流石に純マイルの力比べはまだ荷が重いようにも。イフェイオンも追走が苦しそうですが、ロスなく立ち回れるのはベスト。西村騎手にはここ2週の借りを返して欲しいです。キャットファイトはまずマトモに走れるかどうかです。このメンバーなら中団からっぽいです。

　超大穴でハワイアンティアレは一発がありそうです。追走の内容から考慮すれば中団辺りからでも競馬はできそうですし、池添騎手というのはあまりに不気味です。追い込みそうですが、トップスピードはそこまでそうなので、内を掬ってが怖い1頭。

　正直ステレンボッシュでもちょっと外ぐらいには感じているので、⑬より外の馬は申し訳ないですが今回は消しです。逃げそうなエトヴプレのみ警戒はしたいですが、他はマイルで目立った数字も出ていません。チェルヴィニアは考えうる限り最悪の枠ですね。正直決め打ちしかありません。ルメール騎手でもこの枠からどうにかするのは無理難題に近いです。オークスならどの枠でも。

　買い目はアスコリピチェーノから強気に馬連と三連複で。ステレンボッシュもやや外に感じますが、これ以上の外枠を買うには厳しいと思います。2点的中を目指します。