マガジンのカバー画像

悪夢が終わらない

55
この物語は実話です。
運営しているクリエイター

2020年11月の記事一覧

悪夢はおわらない

 
 三ヵ月後 砂原

 退院して二ヶ月が過ぎた。二ヶ月も過ぎたというのに僕はまだ二週間に一度、定期検診のためこの病院に来て狸医師(担当医の本多)の顔を拝まされている。結核の薬もまだ飲まされているため、おしっこもオレンジ色のままだ。

 薬をもらってすぐ帰れるならいいが、レントゲンや血液検査の結果待ちで、二時間は病院にいるはめになる。売店で買った雑誌を三回も読めば、誰だっていい加減飽きる。僕だって

もっとみる