初めての子供
それは結婚して初めての子供(今の長男)の妊娠中に、産婦人科病院に通っていた頃、初めての子供が生まれる上で夫婦で本当にドキドキしていた。
まだまだ子供の自分達が、親になっても大丈夫なのだろうか?
子供が元気に生まれてくるだろうか・・? ちゃんとお医者さんの言う通りにしないと流産しちゃったら一大事だな・・
子供が生まれるってどんな感じか、さっぱり想像がつかない。。俺どうなっちゃうんだろう。
そんなことを考えていた。
妊娠当初は月に一回、通えばよく、毎月一回で同じサイクルで通院している人は何度か同じ顔をみていた。
そんな時、妻が言った
「これからさ、友達とかも変わっちゃうと思うんだ。」
「出産とか、子育てとか始めるとさ、お父さんは会社にいってればいいけど、私は子育てが中心の生活になるから、同じ時期に妊娠したり、出産したりする友達って凄く大事になってくると思うんだ」
「はあ・・・そうか・・」
男は無責任である、そういわれるまでさっぱりそんなことを考えていなかった。
「そうだよね・・でも、これから新たに友達作るっていっても大変だよね」と素直な気持ちを妻に話した。
「そこでね、私思うんだけど、あそこの角にすわっているちょっとぽっちゃりしている人いるじゃない?」 「あの人多分なんだけどいい人だと思うんだ」「声かけちゃおうかな」
「え!???」 「お前、いきなりここで友達作ろうと思っているの?」
シーンとした待合室である。産婦人科とはいえ、一応病院の雰囲気に変わりはないので、知らない人に話しかけるにはちょっと勇気がいりそうだ。
「ほんとかよ、なにも会話していないのに、大丈夫かよ」
かなりのヒソヒソ話でこんなことを話ししたのを覚えている。
その日は何もなかったのだが、それから一ヶ月、次の往診日に又同じ人に多分会うだろうと、毎晩の様に、その人の話しが我が家の夕飯の話題になった。
全く面識?会話のしたことのない人と、如何に友達になるか?である。
「・・・・真剣なのも分かるけど、なんかそんなに悩まなくても、気軽に声かける場面は他にもあるんじゃないかな・・」
。。と苦言を呈していた。そんな事があって1ヶ月後の往診日、うちの妻は熱い思いを告白し、その方と連絡先を交換してしまった。
会社では、10年近く付き合っていてもプライベートな会話のない人が半分位いるし、声をかけて友達になることにここまで真剣に考えた事などない僕にとっては、考えさせられる出来事だった。
その時友達になった人は、13年たった今も友達として、お正月に家族ぐるみで食事をしたりする仲になっている。
人生における絆って言葉があるとすると、こんな人間関係なんだろうな・・・と思う。
本当に不思議な出来事が続いた。
公園デビューをして毎日会話をするようになった。
家の真正面のマンションに引っ越してきた
同じ幼稚園に通うようになった。
同じ小学校に進学した。
長男の成長の写真には、カナリの頻度でそこの家の海君が登場しており、長男の幼馴染になったことは確かである。
あの一ヶ月間悩んだ妻の熱い気持ちが、長男の熱い思い出を作ったのである。
その子(海君)はキカンボウなのに対し、うちの長男がもやしっ子である。
小学校6年最後の運動会が先日あったが、親としては一生忘れられない奇跡の様な出来事が起こった。そのエピソードを次回書いてみたい。
二人三脚|中村公信|note(ノート)https://note.mu/t。omoyakeita/n/nd8fdf4dbe130
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?