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コーチングコラム:『喝っ!』は使わない

この事を書くにあたって、その日の試合を。特に後半の自分を振り返っていた。

不本意な二者択一

私は常々指導にあたる際に、如何に選手達が自ら気付き、解決方法を探り、試行錯誤をし、振り返りまたそのサイクルを繰り返せるような働き掛けを心がけています。
ただ、今回(GKコーチ)外部指導員として関わる市立金沢高校サッカー部の県リーグ3部の試合(vs麻布大学附属高等学校)で、前述のスタンスを変えて後半の45分間を"戦った"。
その時、前述の方法とは違う2つの『不本意な指導』が頭に浮かび、そのどちらかで指揮する状況になりました。

不本意な指導とは

・精神論のみで選手を戦わせる

内容や選手の立ち振る舞いに対して、喝や気合を入れて戦わせる。
具体的な戦術的指示はなし。

・選手をTVゲームのように動かす

何から何まで選手の動きを指示して動かす。うまくいかなかったら怒る。

消極的な戦術変更

これまでもベンチ入りの際は、細かく指示を出す事はなく、基本的にはGKへの声掛けや控え選手のアップを手伝ったりしていました。
今回の試合では前半から守備の形が定まらず、苦しい時間が続き給水タイムの際に選手主体でフォーメーションを変更しました。ただ、それは単純に相手の攻撃を受ける形になり、結果的にはその後前半のうちに先制点、追加点を決められ劣勢を強いられました。

ハーフタイムの過ごし方

ハーフタイムに副顧問とも色々話して何が悪かったのか?失点シーンに現れていたのでその辺を中心に話して整理しました。
そして、再度スタート時のフォーメーションに戻しました。
私は選手達の表情や会話を聞いていて、まだ深い部分で戦術を理解しきれていない。情報を共有しきれていないと感じました。
ましてや、当日の試合開始時の気温は34℃とプレーするだけでも精一杯の状況でした。ただそれは相手も一緒なので、今自分達に出来ることで変化や進化を促すタイミングでもありました。

選手のパフォーマンスを促す声掛け

そして、勝負の後半がスタートしました。
まずは、守備の整理から。
ポジショニングを工夫してボールポゼッションを高める相手に対して、どこから守備をスタートして、どこで取りに掛かるのか。
その為の声がけを外から徹底しました。
ポイントはプレースピードが上がる瞬間と球際の強度です。
前線の守備からボールの動きを誘導していき、プレースピードが上がる所を狙う。またその状況で足元に着けれなくなったらDFラインの裏に蹴るボールをGKに回収させる流れを作り、尚且、足元で受ける相手の球際へのプレッシャーの強度が高まるような声掛け『行け!ここだ!』と。
それが選手達にも上手く伝わり、動けるようになり、数多くのチャンスを作ることができ、守備陣もしっかり踏ん張りました。あと少しのところまでいきましたが、スコアは動かず惨敗となりました。

コーチングのホンネ

念頭に入れたポイントは、必ず"3点目"は自分達が取るんだ!ということ。
また、私はその時コーチとしてではなくピッチに立ったGKとして出すコーチングを行いました。
だから、アングルは違いましたが、とにかく沢山の情報(例えばボールを追いかけずに他の相手味方の選手を見たり、相手ベンチの声を聞いたり)を収集しながら、やれること、やるべきことを選手達に伝えてやらせて、出来たら称えて、自信を促し、良いプレーは継続、ミスは切り替えさせることをとめどなくアクションさせるように声を出し続けました。


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