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音楽と言葉

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クラシックの音楽家たちによるエッセイ集。#音楽と言葉 ライター: 齋藤友亨(トランペット奏者) 副田真之介(オーボエ奏者) 馬場武蔵(指揮者) 出口大地(指揮者) 山口奏(チェロ…
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#海外生活

クラシックの音楽家によるエッセイをまとめた共同マガジン「音楽と言葉」

身近にクラシック音楽を生業にしている人はそういないだろう。 ・食べていけるとは思えない ・なぜなろうと思ったのか ・どんな人たちが「クラシックで食っていこう」などと思うのか 全てが理解不能だし想像もつかないだろう。アンケートサイトで職業の選択をするときはほぼ「その他」になるし、ひどいときは「その他・無職」と一括りにされる。一度だけ「アーティスト」という欄があるのを見たが随分感動したものだ。 音楽を職業にする人たち音楽を職業にする人たちは変わった人が多い。「音楽で食べ

EU封鎖の包囲網を突破せよ!ーコロナ禍中の東京からドイツへー

 戦後75年、これほどまで世界が動く出来事があったか…なんてベルリンの壁崩壊とともに産声を上げた自分が知る由もないのだが、今回のコロナ鍋、もといコロナ禍は間違いなく歴史に名を残す大騒動となるに違いない。  世界経済は大打撃、ご存知の通りエンタメ業界なんてフルボッコ、クラシック界に至っては…気にするな、致命傷だ!…と言わんばかりのレベルの傷を負っている。  何を隠そう私自身も今回の騒動で大損害を被った一人である。 飛んで火にいる春の私  今回春にいくつか演奏会の機会をいた

バンベルク いいオケもおいしいビールもある南ドイツの街

南ドイツには美しい街がたくさんある。 フランクフルトから西に2時間ほど、留学していたヴュルツブルクから1時間ほどのところにバンベルクという人口7万人ほどの小さな街を紹介しよう。 ヴュルツブルクと同じくフランケン地方でオーバーフランケンと呼ばれる地域で、ドイツで最も美しく保存されているとも評される旧市街はユネスコ世界遺産に登録されている。 バンベルクの旧市街 バンベルクの旧市街は伝統的な木組みの家と石畳というスタイルになっている。街は川で囲まれており、城壁の代わりと

トランペット奏者が3ヶ月毎日ヨガをやってみて良かったこと

年が明けてから毎日ヨガを続けている。結論から言うとトランペットを吹くのにも健康にもとても良い。 ドイツでは多くの音楽家の間でヨガが流行っていて、音大でも選択でヨガの授業があった。特に管楽器の人が多く取り組んでいたイメージ。ヨガは子どもの頃にWii Fitというゲームで少しやったことがあったくらいでほとんど知らなかった。ヨガの授業も取らずにアレキサンダーテクニークをやっていた。 バランスを取ったり、地味な筋トレっぽいやつ というイメージだったから特に取り組んでみる気にはな

モスクワを写真で振り返る ロシアもヨーロッパだった

3か月前に初めてモスクワに行った。その頃は 「ロシアにはコロナウイルスないから」 とみんなが思っていた時期だ。まさか35万人になるとは夢にも思わなかった。2月末の当時は既に20人ほどの感染者がモスクワで見つかっていたらしいが、都市閉鎖されたのはそれから1か月後という遅さだった。 モスクワへ行く飛行機でもマスクをしていたのは日本人とモンゴル人だけ。空港で「マスクをするのはロシアではよくないことだ」などとふざけたことを言われるほどに、まだコロナウイルスは他人事だったのだ。