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音楽と言葉

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クラシックの音楽家たちによるエッセイ集。#音楽と言葉 ライター: 齋藤友亨(トランペット奏者) 副田真之介(オーボエ奏者) 馬場武蔵(指揮者) 出口大地(指揮者) 山口奏(チェロ…
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#ロシア

クラシックの音楽家によるエッセイをまとめた共同マガジン「音楽と言葉」

身近にクラシック音楽を生業にしている人はそういないだろう。 ・食べていけるとは思えない ・なぜなろうと思ったのか ・どんな人たちが「クラシックで食っていこう」などと思うのか 全てが理解不能だし想像もつかないだろう。アンケートサイトで職業の選択をするときはほぼ「その他」になるし、ひどいときは「その他・無職」と一括りにされる。一度だけ「アーティスト」という欄があるのを見たが随分感動したものだ。 音楽を職業にする人たち音楽を職業にする人たちは変わった人が多い。「音楽で食べ

2か月半ぶりにミュートなしで吹いた結果

11歳でトランペットを始めてから2か月半もの間プラクティスミュートをつけて吹き続けたのは初めてだった。3月26日の椿姫の初演を最後にずっと家に篭り、マンションで楽器は吹けないから(隣の歌手は夜中でも歌っているが)ずっとミュートをするしかなかった。 バカンス中に一切吹かない人せっかくだから何週間か完全に楽器を吹くのを休んでみるのもいいかと考えたものの、逆にすることがなさすぎてリフレッシュにならないからやめた。 ヨーロッパ人のトランペット奏者は「バカンスの間1か月全く楽器を吹

トランペット奏者が3ヶ月毎日ヨガをやってみて良かったこと

年が明けてから毎日ヨガを続けている。結論から言うとトランペットを吹くのにも健康にもとても良い。 ドイツでは多くの音楽家の間でヨガが流行っていて、音大でも選択でヨガの授業があった。特に管楽器の人が多く取り組んでいたイメージ。ヨガは子どもの頃にWii Fitというゲームで少しやったことがあったくらいでほとんど知らなかった。ヨガの授業も取らずにアレキサンダーテクニークをやっていた。 バランスを取ったり、地味な筋トレっぽいやつ というイメージだったから特に取り組んでみる気にはな

コンディションを気にしなくていい生活

25℃を超えていた時もあったのに、ここ最近はどんよりした天気が続いている。もう桜も散って葉桜になり、葉の色も濃くなってきた頃だというのに昨日は雪が降った。 やはり本当に厳しい自然環境。今日の午前中買い物にでた時も7℃しかなかった。急激に気温が上がってみんな半袖で出歩いていたかと思ったら帽子にダウンだ。ドイツは4月の天気がとても不安定だったがシベリアはそれが5月なのかもしれない。 コンディションを気にしなくていい生活4月はまだこの生活に慣れていなかったが、悠々自適に練習と読

モスクワを写真で振り返る ロシアもヨーロッパだった

3か月前に初めてモスクワに行った。その頃は 「ロシアにはコロナウイルスないから」 とみんなが思っていた時期だ。まさか35万人になるとは夢にも思わなかった。2月末の当時は既に20人ほどの感染者がモスクワで見つかっていたらしいが、都市閉鎖されたのはそれから1か月後という遅さだった。 モスクワへ行く飛行機でもマスクをしていたのは日本人とモンゴル人だけ。空港で「マスクをするのはロシアではよくないことだ」などとふざけたことを言われるほどに、まだコロナウイルスは他人事だったのだ。