見出し画像

阪神梅野と坂本における配球の違いとは

はじめに


首位を走る阪神はキャッチャーを梅野と坂本の2人が守っている。現状、梅野は離脱してしまっているが、ここまでリーグ最少失点の阪神投手陣を支えている捕手2人。そんな2人は配球面でどのような違いがあるのだろうか。

筆者は梅野と坂本のリードの違いを梅野が「対戦打者が嫌がる配球」、坂本が「自軍の投手の良さを引き出す配球」であると考えている。本記事では、梅野、坂本ともに西純矢とバッテリーを組んだ8月8日巨人戦、8月15日広島戦を中心に2人のリードの違いを考察していく。

*球種はスポーツナビを参照しています。
*本記事は捕手2人の配球傾向に関する考察記事であり、優劣の話をしているわけではありません。

西純矢とバッテリーを組んだ際の梅野、坂本の配球


以下は、西ー梅野バッテリー、西ー坂本バッテリーの球種別投球割合である。

グラフ1 8月8日 西ー梅野バッテリー球種別投球割合(全100球)
グラフ2 8月15日 西ー坂本バッテリー球種別投球割合(全108球)

グラフから次のことが分かる

・梅野の方が坂本よりも全球種バランス良く配球している

・坂本は梅野よりもストレートの割合が高い

梅野がストレート、フォークの合計が68.0%に対し、坂本は85.2%と坂本の方がストレート、フォーク中心の配球をしている。

このように、梅野は相手打者に的を絞らせないように様々な球種を用いた配球をしている。
一方、坂本は西純矢が得意とするストレート、フォークを中心にした配球をしている

また、坂本の配球をさらに分析すると、ランナーを2塁に背負った状況(1,2塁を含む)では、全35球中、ストレート、フォーク合計で31球を投じており、88.6%を占めている。さらに、ランナーを3塁に背負った状況(1,3塁を含む)では、全14球中、ストレート、フォークを13球投じている。

ここから、坂本はピンチの場面ほどストレート、フォーク中心の配球をしていることが分かる。ピンチの場面でより得意な球種を中心とした配球をしていることから、坂本が自軍の投手の良い所を引き出す配球をしていることが分かる。

梅野の配球傾向

梅野が対戦打者が嫌がる配球していると考えられる場面は他にもある。8月10日、才木とバッテリーを組んだ梅野は初球から6球連続ストレートを続けるなど、1巡目は31球中22球がストレートストレート中心の配球をした。しかし、2巡目に入ると配球は一変した。2巡目は32球中19球が変化球変化球中心の配球に変わった。

ここから、1巡目にストレートを相手打線に意識付けさせ、2巡目に入り変化球を増やすことで、相手打線を混乱させようとする意図がみられる。このように、梅野は相手打者を中心とし、配球を組み立てていると考えられる。

坂本の配球傾向

坂本の特徴は構えに表れている。7月29日、今シーズン、初めて青柳とバッテリーを組んだ際、ストレートを要求する際はミットを真ん中周辺に構えていた

このことにより、青柳はコントロールを気にすることなく、本来の持ち味であるサイドスローから繰り出される力強いストレートを投じることが出来ていた

このように、坂本は自軍の投手の持ち味を引き出す配球をしていると考えられる。

終わりに

梅野捕手が骨折によって離脱している現状、坂本に対する期待は大きくなる。アレへ向けて坂本には阪神投手陣の魅力を存分に引き出してもらいたい。




この記事が参加している募集

野球が好き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?