なぜ阪神は本塁打数リーグ5位にも関わらず得点数1位なのか
現在、セリーグ首位を走る阪神タイガース。そんな阪神は本塁打数、53でリーグ5位にも関わらず、得点数は396とリーグトップとなっている。その要因を筆者は、1,2番の出塁率が高いこと、8番木浪の好成績の2つが大きな要因であると考える。
*出典はスポーツナビです。
*成績は8月12日の試合後のものです。
①1,2番の高出塁率
阪神の得点数を支える大きな要因として、1、2番の高出塁が挙げられる。以下はセリーグの出塁率ランキングである。
表から分かることは以下の通りである。
・主に阪神の1,2番を打っている近本、中野は出塁率ランキング5位、6位と高順位である(共に0.350以上)。
・主に1,2番を打っている打者でランクインしているのは近本、中野、岡林の3人のみである。
・1、2番両方がランクインしているチームは阪神のみである。
このように、阪神の1,2番はセリーグの他チームの1,2番と比べて出塁率が高いことが分かる。
ここまで全試合で4番を打つ大山は得点圏打率0.323と高い打率を残している。1,2番の出塁率が高い阪神打線は大山にランナーを置いた状態で回す機会が多く、このことが高い得点力に繋がっている。
また、現在の阪神打線は、4、5番に大山、佐藤輝明を配置している。その2人は共に13本塁打を放っており、チーム内本塁打王である。つまり、4、5番には最も本塁打を期待できる打者がいるということになる。1,2番の出塁率が高い阪神打線では、本塁打が期待できる4、5番打者の前にランナーを溜めて回すことが可能となる。
実際に、大山、佐藤は共に13本塁打中、ランナーなしで打った本塁打は6本、ランナーありで打った本塁打は7本と、ランナーなしの状況よりもランナーありの状況で本塁打を多く打っていることが分かる。
現在、セリーグ本塁打王の巨人岡本は、ランナーなしで打った本塁打は21本、ランナーありで打った本塁打は10本とランナーなしの状況で多くの本塁打を打っている。
このように、阪神打線は1,2番の出塁率が高い高いことによって、本塁打を期待できる打者にランナーを溜めて回すことが出来ている。
②恐怖の8番木浪
阪神の得点力を支える2つ目の要因として8番を打つ木浪の存在が挙げられる。今シーズン、木浪は出塁率0.316でセリーグ12位の好成績を残している。筆者が考える8番木浪の出塁率が高いことによるメリットは次の2つである。
①近本に得点圏で回すことができる
②ピッチャーまで打順を回すことで次の回が1番から始まる
①に関して。現在、近本は得点圏打率0.395でセリーグ1位の成績である。8番の木浪の出塁率が高いことによって、木浪が出塁し、9番(投手)がバントし、得点圏にランナーを進めた状況で得点圏打率の高い近本に回す、という形を数多く作ることができる。
そのことによって、阪神の得点力は高くなる。実際に近本は主に1番を打っているにも関わらず、セリーグ打点9位の成績を残している。
②に関して。2アウトで木浪に回った際、木浪が出塁すると9番まで回すことができる。そのことによって、次の回を1番から始めることが可能となる。セリーグは投手が打席に立つため、回の先頭が9番であると高い確率で1アウトランナーなしとなってしまう。そのため、木浪が出塁し、次の回を1番の近本から始めることは重要である。
終わりに
例年得点力不足に悩まされている阪神打線が今シーズンはセリーグ1の得点力を誇っている。アレへ向けてこのまま得点力を維持してもらいたい。
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