見出し画像

4月からChatworkの社員じゃなくなります

よく、これ系の文章を書く時は、天声人語を参考にしろと、その昔言われました。
「とりあえず、いきなり本題と関係なさそうな出だしで初めて、関心をひかないと他の記事に埋もれて読んでもらえないよ」というのがその理由です。

それを今回も守ろうと思ったんですが、無名の人間が、noteでそれをやっても効果がないことがわかったので、今回はやめときます。

本題ですが、2024年3月末で、Chatworkの社員ではなくなります。
いわゆる退職エントリというやつになるんだと思うのですが、直接雇用の身分ではなくなるけど、お手伝いは続けるので、退職っていう概念なのかどうかまだ整理がついていません。
なので、タイトルもそんな感じにしています。
でも、多分「退職」って周りに言われるので、多分退職なんだと思います。

ただ、自分の仕事の軸足を変える大きな節目になるので、6年半を振り返っておきたいのと、お世話になったChatworkのみなさんやその時に支えてくださった関係者の方に感謝を伝えたいというのがこれを書く動機になってます。

なので、基本的には自己満足のために書いているので、途中雑になってたりするところもありますが、それは許してください。

あと近く入社エントリを書く予定で、それ書くなら退職エントリっぽいのも書いといた方がいいだろうというのもあります。

Chatwork入社のきっかけ

2017年10月にChatworkに入社をしました。
IPO準備のフェーズでN-2のタイミングだったんですが、前職では申請期のジョインで右も左もわからない状態だったので、準備段階から関わらせてもらって、IPOの再現性を出してみたいという思いがありました。

それ以上に、Chatworkのビジョンに共感したことが大きかったです。
当時Chatworkには「Make Hapiness」という経営理念がありました。
前職でChatworkのユーザだったのですが、Chatworkを使い出してから自分の仕事の効率が3倍ぐらいに向上し、仕事はもちろん仕事以外に使える時間が増え、まさに、「Make Hapiness」を実践していました。
前職の同僚からはお前そんなに仕事してないやろと言われるかもですが。

とにかく、そんな自分にとって、この経営理念を、Chatworkが掲げていることにものすごく納得感があり、もっとこういう人が増えていく社会にできたら素敵だし、そのお手伝いをしたいなと思うようになり、ジョインを決めました。
今の、「働くをもっと楽しく、創造的に」というMissionは、この理念の解像度を上げたものです。

さらに、当時の社長(僕らは先代と呼んでます)から、突拍子もない構想を語られて、「何を言ってるのだろう」と思いながらも、その合理的ではない話にワクワクしたこともジョインの動機の1つです。

入社後のギャップ

入社前に、落下傘的な入社は避けたいのと、警戒されずに、早めに友達100人作りたかったので、マネジメントポジションでは入りたくないという話をしていたのですが、入社時のポジションは、なんと「内部監査室長」

入社日の当日の朝にみんなの前で紹介されて初めて自分のポジションを知ったのですが、ガバナンスということをまだ経験したことのない組織からすると、警戒しかしないポジションで、初日の朝から計画が崩れかけました。

肩書はなんでもいいといったがまさかのポジション、しかも内部監査だけをやるようなフェーズでもないので、「監査だけをする気はない」と挨拶でみなさんに尖ったところを見せて、入社日に、自ら過去の取締役会や株主総会の議事録を確認して、IPO用に年表を作るという恐ろしく地味なことをやってたことを思い出します。

同時に、当時は専務だった今の社長(僕は「正喜さん」と呼んでます)から「人事」をやってほしいという打診が。
人事も、個人的には最も避けたい業務でした。
当時は、「他人の人生に責任持ちたくない」という思いが強く、人事はその最たるものだという認識でした。
それもあって、前職も、あまり人事には関与していませんでした。

しかし、社会人生活を通して、「できないとは言わない」ということを刷り込まれてきて、NOという選択肢はありませんでした。

しかし、人事担当者がおらず、育成も採用もどうしたら・・というところで、前職の人事の同僚にサポートをもらいながら、見よう見まねで人事をやってました。

さらに、法務がいなかったりなど、給与計算も担当者が産休に入るなどで、手も動かしながら、コーポレート本部長として、人事・総務・法務・広報・情シスなどを管掌することになりました。

コーポレート時代は、IPO前のカオスの時代ではありましたが、Chatworkでは、何よりも、一緒に働くメンバーが気持ちの良い人ばかり(これはいまでもそう)で、仕事も飲み会も充実して楽しい時間を過ごさせてもらいました。

全社集会で、上場審査ゲームという謎ゲームを編み出したのもいい思い出です。

そんな中2018年、突然先代の社長が体調不良で退任し、その弟である現社長の正喜さんに代表を交代するという事案が発生。
上場の直前期ということもあって、とにかく短時間で色々なことを決めてやらなければならない状況に、正喜さんは、めちゃくちゃ大変な思いをしていたと思いますが、僕にとってはとても生きている実感がしてました。
結局前職でも、システム障害の時は、アドレナリンが出て、「楽しそうですね
」って呆れられていたので、結局こういう火事場が好きなんだあなあと再確認した出来事でもありました。

執行役員就任

そして、新しいCEOに就任した正喜さんでの新体制で、執行役員を務めることになりました。
執行役員の打診は、最初は断りました。
個人的には執行役員という肩書きに対してものすごい懐疑的で、社員という身分であるに関わらず、社員からは「役員」と見られるし、周りからの期待値が上がるし、飲み会では多めにお金を出さないといけないし、そもそも執役員っていう言葉が強そうで、怖いです。
ただ、僕としては新社長の正喜さんが語る実現したい社会は、それまでのビジョンをより解像度を高くしたもので、より一層共感することができました。
自分に執行役員のタイトルがあった方が、正喜さんを支援しやすくなるのであれば、そのタイトルでチャレンジしよう、それになかなか経営陣と呼ばれるところで仕事できる機会もないだろうと考え、執行役員を受けることにしました。

IPOと変化しないことへの恐れ

上場に向けては、業績の良さとIPOチームが頑張っていただいたのもあり、すごく順調で、目的であった個人としてのIPOナレッジも蓄積されていきました。
一方で逆に垂直的成長が止まってしまっているんじゃないかなというなんとなくのモヤモヤを感じるようにもなりました。
やるべきことたくさんあっただろうというお叱りを受けそうですが、「まだ見ぬ体験」に飢えていたのかもしれません。

そんな中、今のビジネス本部の責任者の打診がありました。ほぼビジネス系未経験で、これまた無茶なと思いつつ、チャレンジしたい思いが先に立ってしまい、上場直後に、ビジネス本部の責任者に就任しました。
個人的には、IPOよりもはるかに大きなイベントでした。

パニックゾーン

上場直後の2019年10月から、ビジネス側の責任者となりましたが、これまでとは比較にならないレベルのプレッシャーが日々襲いかかりました。

上場直後の重要な局面で事業計画を作成せねばならず、どう考えてもこのコストでは採用も施策もできない中で、売上を叩き出せというめちゃくちゃ難易度が高いお題が渡され途方にくれていました。
また、セールスのマネージャも兼務で、経験のない自分がどうやったらマネジメントできるのか、さらに新たなメンバーの採用など、個人的にはむちゃくちゃ苦しい時期で、顎関節症にもなりました。
これまで未経験でやってきたことの中でも、パニックゾーンに突っ込むレベルのものでした。

しかし、ここでもビジネスが豊富なメンバーが支えてくれました。よくわからんやつがビジネスの責任者としてきて、不安も大きかったと思いつつ、それでも一緒に施策を考えたり、飲みに行ったりと仲間に本当に恵まれました。

そして、現COOの福田さんにバトンタッチするまで、半年務めることができました。
本当に全てに対して感謝しかないです。

執行役員CHROとコロナ禍での組織作り

その後、コーポレート本部から人事と広報をスピンアウトして立ち上げた本部の責任者となりCHROというますます自分では不相応と思われる肩書きになりました。

それと同時にコロナの流行が始まりました。
一方で、中小企業をターゲットにする戦略を明確にし、社員数もコロナ禍で200人ほど増えるなど、組織の拡大フェーズとも重なりました。

出社が制限される中で、どうやって新しく入ってくれた方にChatworkらしさを伝えられるのか。自分が好きで入ったカルチャーをなんとか伝えようと、オンラインでいろんな施策を行いました。

Chatworkらしさをどうしたら伝えられるのか、社内イベントを中心に設計していく延長上で、人事と広報に加え「ブランディング」を管掌することになりました。

この辺はここらに詳しく書いてます。

また新たな領域のチャレンジで、自分よりもはるかにイケてる格好をしてるデザイナーが、自分の部署のメンバーになることにまず気後れをしてしまい、めちゃくちゃ優秀なデザイナーにデザインのフィードバックなんて言えるはずもありません。

ただ、自分の役割は、CEOがどういう会社にしたいというのを、誰よりも理解して、それをデザイナーやクリエイターに伝え、完成したクリエイティブが、会社を表現できているかということを確認することだと割り切ったら、少し楽になりました。

ビジネスでパニックゾーンを経験したことで、「自分で手を動かすのではなく、できる人がやりやすい環境を作る」という視点に変わっていけたのかもしれません。

ここから執行役員退任するまでは、ここに書いた通りなので、はしょります。


自分のバリューを問う

去年10月からは、CHROを譲って、BX部とセキュリティ部のユニットの責任者をしていました。

いずれの部門もレベルの高い専門家がいて、僕は大きな方向性を一緒に作って、背中を押すという役割に徹していました。

その中でも、ほぼ内製で進めた社名変更など、経験できないプロジェクトにも関わらせてもらいました。

立場が変わろうと、Chatworkという会社が好きなことは変わらず、紛れも無い事実ではあるのですが、それだけに、自分がここにいても良いのかという思いにも駆られました。

自分にこの会社でバリューが出せるのか。チャレンジできるのか。

これは前職のシナジーマーケティングを離れる時もほぼ同じ気持ちでした。

自分が今バリューが出せているかと問われると、強い専門性を持たず、広く浅くやっていくようなジェネラリストの自分にとって、おそらく100%出せていないと思っています。
あくまでこれは自分自身がそう思っているという話です。

Kubellという社名に変更して、これからさらにBPaaSという大きなチャレンジをする会社で、一緒にチャレンジをすることも真剣に考えましたが、どうしても、会社が大きくなる中で、この気持ちが払拭できないままチャレンジを続けても、今いるみんなに迷惑をかけてしまうのではないかという気持ちが強くなりました。

これから

Chatworkは4月からは、業務委託として引き続き関与させてもらいます。20%のバリューでも、もし貢献できるところがあれば、貢献したいというわがままを経営陣が聞いてくれました。本当にありがたいです。

そして次にメインにするのはIVRyという、電話の自動応答サービスを提供している会社です。
入社エントリ書く予定なので、これからの話はそこに譲りますが、バリューが出せると思うことはなんでもやるという、これまでのスタイルは崩さずやっていこうと思います。

僕は、新しいチャレンジをする時は、たくさんに人に助けてもらっています。
今回のチャレンジもChatworkのメンバーの方々には、ご迷惑をおかけしながらも、皆さんの助けがなかったら実現できなかったです。

ありがとうございました!っていうだけでは足りないほど、感謝しています。
そして、Chatworkのミッションに少しでも貢献できるようこれからもお手伝いさせてもらえればと思っていますので、引き続きよろしくお願いします!

そして、退職エントリにも関わらず、最後にChatworkではデザイナー募集の告知させてください。
ほぼ内製で新社名のロゴを作るなど、得難い経験いっぱいできます。
優秀なデザイナーとともに、成長したい人はぜひご応募を!!






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?