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通販生活さんから子どもたちにクリスマスプレゼント!ー子ども・家族marugotoプロジェクトー


厳選した良い物を売る「通販生活」は、ネットでのお買上げ総金額の1%相当分を、「子どもの貧困支援」団体に寄付されています。 
4期目となる2019年上半期は、「子どもの居場所づくり」に取り組んでいる6団体が対象となり、
NPO抱樸の、世帯をまるごと支援する「子ども・家族marugotoプロジェクト」も、330万円のご支援をいただきました。

NPO抱樸は、学校にい行けない子どもたちに対して、訪問型の学習支援を5年前に開始しました。
そこでわかったのは、その子だけでなく、その親も、兄弟もいろいろな困難を抱えている現状でした。
なかなかドアを開けてもらえない家もあります。
しかし、抱樸のスタッフの粘り強い関わりで、ようやく一年後にドアが開いたおうちもありました。
そこには、世代を超えた貧困と困難の連鎖がありました。
抱樸では、家族機能の社会化、あるいは社会的相続を目指し、活動を続けています。
通販生活からのご支援を大切に使わせていただきます。

NPO抱樸「子ども・家族marugoto プロジェクト」の通販生活さんのレポートページを、ご紹介したいと思います。  
https://www.cataloghouse.co.jp/kanpa/report/19k_02.html 

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海水浴やクリスマスパーティ、当たり前の経験をさせてあげたい。
認定NPO法人 抱樸/福岡県北九州市

取材・文=神尾京子(通販生活編集部)

ごはんをつくってもらったり、お風呂に入ったり、布団で寝たり……こうしたごく普通の暮しの場さえ、与えられていない子どもがいます。牧師である奥田知志さんが理事長を務める認定NPO法人抱樸(ほうぼく)は、家族をまるごと支援することで、家庭のなかに子どもの居場所をつくる支援をしています。 

ホームレスにさせないためには、子どものときから支援が必要。 

抱樸が子ども支援をはじめた2014年当時、子どもの6人に1人が貧困だと言われていました。奥田さんたちは、子ども支援は世帯まるごとを対象にしないと難しいだろうと、訪問型の学習支援として学校に行けていない子どもたちへのアプローチを開始しました。家に行けば、子どもの後ろにお父さん、お母さんの姿が見えると考えたそうです。

家には、仕事で夜中まで帰ってこないお母さんやうつで寝込んでいるお母さんがいました。「お父さんは?」と聞くと「来年、帰ってきます」と答える子ども。それは、刑務所に入っていることを意味します。こうした家庭には、お母さんに対する医療的なケア、お父さんに対する更生保護や再就職の支援が必要になります。

「家に入れてもらうのに1年近くかかった家庭もあります。家の中はお母さんの親の代から引き継いだゴミ屋敷で、すさまじい状況でした。子どもは部屋にブルーシートを敷いて寝ている。トイレも使えない状態で、公園のトイレを使っていました。片づけてもここに住むのは難しいと、宿替えの支援からはじまり、お母さんのうつを治す支援、再就職に向けた支援、子どもたちを学校に通わせる支援を行ないました。いま子どもは高校1年と中学1年ですが、何が一番うれしいかと聞くと“布団で寝られること”と答えたそうです。スタッフはそれを聞いて涙を流していました」

実は抱樸は、ホームレス支援の第一人者と言える団体です。活動を開始した1988年からの31年間で3400人ものホームレスの自立を実現しています。ホームレス支援の団体が子ども支援に踏み切ったのはなぜでしょうか。きっかけはホームレスたちへの聞き取りだったと奥田さんはおっしゃいます。

「これまで出会った6000人以上のホームレスたちの約6割が中卒。また、約4割は知的障害を持っているにもかかわらず、幼少期に発見されないまま成人していました。ホームレスを生み出している原因は、家庭環境や生い立ちの影響が大きいとわかったのです。ホームレスになってからの支援も大事だけれど、ホームレスにさせないためには子どものときから関わらないとダメだとわかりました」 


「母親から何も教わってない、教えてもらったのは万引きだけ」  

奥田さんは、10年前、ふらりとやってきた当時17歳のY子さんとの出会いが忘れられないとおっしゃいます。妊娠中で金髪のY子さんはホームレス相談窓口にやってきました。小さいころから児童養護施設、里親を転々としていたY子さんは高校に進学しなかったので養護施設を出され、16歳で結婚して宮城に。ところが夫のDVがひどく、宮城から北九州まで逃げてきました。未成年がホームレスの相談窓口に来るのは珍しいこと。名前を聞いたら、Y子さんのお母さんは奥田さんたちもよく知っている超有名なホームレスでした。

抱樸に保護されたY子さんはアパートで暮し、出産しました。Y子さんはモテるのだそうですが、奥田さんに言わせると「だらしない男ばかり」。ある日、男がお金を持ち出して、アパートのガスを止められてしまいました。
「アパートに乗り込んで“こんな小さな子がいるのにガスが止まったら、風呂にも入れられないし、ごはんもつくれないじゃないか。虐待だ。あのお金はこの子のお金でもあるんだ”と叱ったら、Y子はむちゃくちゃ怒って私と大喧嘩になったんです。

間に入ったスタッフがY子の様子を見に行くと“奥田理事長は間違っている。怒るなら私じゃなく、私の母親を怒れ。私はお母さんから何も教えてもらってないのに、理事長はおまえ、お母さんだろ、ちゃんとやれって言う。私がお母さんから教えてもらったのは万引きだけだ”と泣いたって言うのです。それを聞いて私も号泣してしまいました。たぶん親子で万引きしていたんでしょう。映画『万引き家族』のリアル版ですね」 


子どもの面倒を見るふりをして、お母さんに家事を教える。 

奥田さんは抱樸の活動を通して、人間は誰かにやってもらった経験がないことを別の誰かにやるのは難しいと気づいたそうです。一般の家庭なら、親にお弁当をつくってもらったり、遊んでもらったり、どこかに連れて行ってもらったりという経験をし、自分の子どもに同じことをします。奥田さんたちはこれを「社会的相続」と呼んでいますが、なかにはY子さんのように、社会的相続をほとんどしていない人もいるのです。なのに、「親だろう、母親だろう」と責め立てられるのはつらいことでしょう。

「社会的相続を成立させるのは誰だっていい。スタッフは子どもの面倒を見に行くふりをして、お母さんといっしょにお弁当をつくったりして、お母さんに『相続の元』を経験させています。ゴミ屋敷に住んでいた母親は、いまはしっかり料理をつくるし、部屋もきれいにしています。これまでできなかったのが不思議なくらい変わりました」  


世帯をまるごと支援する「子ども・家族marugotoプロジェクト」は、いま19世帯(うち18世帯は母子家庭)を2人のスタッフで対応しています。 

「通販生活の子どもの貧困支援からいただいた支援金の半分以上は、人件費に使わせてください。だれにでもできる仕事ではないので、情熱をもって働いているスタッフの生活は支えなくてはいけないと思っています。
それと、子どもたちに、旅行とか海水浴とかクリスマスパーティとか、普通の家庭なら当たり前の経験をさせて、社会的相続ができるようにしたい。そのための資金にも使わせていただきます」


出典:通販生活ウェブサイト「通販生活の子どもの貧困支援」2019年上半期より



通販生活さん、お買い物をされたみなさん、ありがとうございました。 
来年は、子どもたちにとって、もっともっと良い年になりますように。


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NPO法人抱樸は、認定法人です。
寄付の税制控除が受けられます。 


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