初めたとき

21の時、運良くベンチャーではあるが、企業に勤めるキッカケに巡り合え、管理職を手掛け初めたあの頃、私には不安と恐怖しかなかった。

PC恐怖症、企画力無し、営業能力無し、テレワーク未経験、組織構築力無し、などなど。

恐怖と不安しかない未経験空間。

髪を切り黒く染めて、

着慣れないスーツ、

持ち慣れない営業鞄、

電源の入れ方さえわからないノートPC、

酷く引きつった営業スマイル、

テレアポの会話の中震える声、

名刺交換の度に震えた手。

あの頃、何者でも無い自分に何が出来るか、何者になれるのか、自分を試したくて、好奇心だけで飛び込んだ会社。

毎日が体当たりで出勤して、ボロボロになって帰った終電。

人の面倒をみた経験なんて無くて、沢山の関わってくれた人達に迷惑を日々かけ続けた。

面倒を見ないといけない立場なのに、面倒を見てくれたスタッフ達。

教えても教えてもミスし続ける俺を、怒りながらでも言い続けてくれた先輩や上司。

心底、期待を裏切り続けてても、呆れ顔をしながら、なお発注をくれたクライアント。

過去になった今だからこそわかる。

多くの人に罵られ、

多くの人に嫌われ、

多くの人に怒られて、

多くの人に手伝って貰い、

多くの人に助けられた。

その中で漠然と感じ取って思った事は人がビジネスにおいて優先する順位、お金、職掌、愛着、の3つ。

いま思えば浅い考えではあるが、悩みに悩み、絞りに絞り、もがきにもがいた、その灯を中心に仕事のあらゆる事を進めていったなぁ。

今はどうだろう。今も変わらず、ここに立っている。

進んで行くこの道に先はないのかも知れない。

途切れた時、私はより高い所へ行けるのだろうか?

それとも終わってしまうのだろうか。

答えが出るその時が、楽しみで仕方がないのである。

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