新しい事を持ち込むと言うこと

とある金曜日のお昼頃、日頃お世話になっている知人からの電話がなる。

「久しぶり!、元気にしているか?」

と、元気な声。

もう60代なのに20〜30代の元気の良い営業マン顔負けのとても元気な、人生においても大先輩な知人である。

私はこの方をとても尊敬していて、大好きで、いつも元気を分けて頂いてるぐらいなのです。

私も、「お疲れ様です!元気ですよ!会長はお元気ですか?!」と返答をする。

「実は余り経験のない案件が来ちゃってさ!話きいてくれ!!」とのこと。

快く了解をして、翌日の土曜日に待ち合わせのcafeに行く。

席に座るやいなや、知人は行き良いよく話出し、相づちを打ちながら内容を理解しようと、暫く務める私。

「どうだろう?どう思う?」

私の判断では、結果から言うと、とても難しい内容の案件。
不透明なところ、理解されていないところを、なるべくハッキリと伝える。

「これがこうでさ」
「これだと出来ないか?」
「こうすれば良くないか」
「とりあえず、やってみるか!」

私の話を聞きながら、会長は手探りで考えているのが、伝わってくる。

その間、何度も前向きな単語が出てくる。

目を輝かせながら、楽しそうに、まるでチャレンジ精神の塊が服を着て日本語を話しているように。

彼にとっては余り聞き心地が良くない話をしているはずなのに、その輝きは曇る様子がない。

(この人は、本当に凄い人だなぁ)と、思いながら、お互いが負けじと会話を進めていく、楽しいひととき。

あっという間に1時間、2時間、時間が経ち、話が固まってくる中、お互いがやる事を確認して、翌日に連絡を取り合うこととなる。

二人とも喫煙者なので店外にある灰皿を前に一服を始める。

「時間とってくれてありがとう!」
「こちらこそ、楽しいひとときでした!」

タバコを吸いながら、思い耽るおっさん2人

吸い終わったあと、別れ際に

「実は新しい事業を考えていてな!」

と、先程の話とは違う話を、目を輝かせ、楽しそうに言い出したのには驚いた。

「新しい事を持ち込む」
このフレーズはサラリーマンが聞いたら、大体少し眉をひそます。
例えそれが利益が出る話でも、不透明な話と感じでしまう。
内容の良し悪しを考える事もせず、ただ「負担になる可能性がある話」としてしか聞かない。

当然、負担になる可能性がある話なのだから「やってみよう」とは思っていない。

だから組織は決まった事をしがちになる。

私の知人は、この壁をアッサリ超える。
それどころか周り諸共、鼓舞させる。

少年の様な瞳で目を輝かせながら、まるで本物の宝の地図を手に入れた冒険家が、

「一緒に取りに行こう」

と、言われている気分にさせてくれる。

新しい事を持ち込む人とは、この様な人なのだと思う。

いつか私も…と憧れる、お昼過ぎなのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?