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veltpunch - a huge mistake(2005)

せだいがマスドレとVeltpunchと一緒にライブするっていう激熱情報が入ってきて速攻でチケットを買った。せだいは何度かライブを見ているけど新作のDelirium出してからはまだ一度も見ていないので楽しみです。他二つはライブ見たこともない。自分は千葉県南部の人間で、高校すらチャリで通える範囲だったのもあって10代のころはまだ電車を使って遠出するみたいなこともあんまりやったことがなかった。よくて映画見るために一時間かけて千葉駅行っていやぁ都会だな~くらいで、普通にそのころ好きだったバンド=00年台~10年代に活動していた国内ギターロックシーンのライブにリアタイで行くことはほぼできていない。普通に雲の上だと思ってたし。一応CDJに行ったことはあったので自分にとっての遠出の最大キャパが幕張(電車で1時間半)で、それ以上時間がかかるものは"旅行"というポジションになってしまいハードルがめちゃくちゃ上がる。バンドのライブって大体東京なので、そういう認識でした。なので高校を出て、その後の進路や仕事やイベントとかで東京に行くことが増えていったことで普通に東京までライブに行って帰ってくればいいのかっていう当たり前のことが、思ったより近い、手に届く範囲にあったことに気づいたんだけど、でもそうなるころには自分の音楽趣味も変わってしまって来日を見に行ったりする方が楽しくなっていた。国内のバンドのライブにそもそもあんま行かないというか、行ってもZAZEN BOYSやPeople In The Box、OGRE YOU ASSHOLEで大体完結してしまう感じだった。なので学生時代、TSUTAYAで借りたりBOOKOFF中古コーナーとかニコニコ動画のメドレーとかを主として、毎日通学でイヤホンつけて聞いたり流しながらチャリで爆走したり、音源としてお世話になっていたあのときの青春のバンドのライブを、実はほとんど見たことがないなぁと思ったりしたのでした。これはVeltpunchの話をしています。

この話をしたくて、一番好きなアルバムなんだろうなぁと考えながらぼんやり脳内で流れてきたのがM1のKiller Smileでした。別アルバムだがMOUSE OF THE PAINも好きで、ハードコア色を残したジャリジャリに歪んだギターの中から、脱皮したみたいにその中から甘美なメロディが飛び出す展開が王道だがすごくグッとくる。自分はやはりエモ、ハードコア、ポストロックの人でメロコアやポップパンクは一切通ってないので、例えばアジカンのゴッチが00年台当時話すメロコアとの距離感だとか、ペンパルスの変遷だとか、そういった話にあんまり実感がわかない。当時の空気感はあとから取り戻せないと思うし、むしろメロコア以降のロックシーンの中でまた新しく出てきたそういったギターロックバンド、アジカンだったりアートスクールだったりが「最初の世代」なのでその辺の背景に明るくない。小学生のころ(00年台前半)に適当に録画してもらってたアニメとかのOPは今思えば確かにメロコアっぽい曲ばっかだったかもなぁとぼんやり思ったりするくらいだ。Veltpunchは自分の中でそういった、ポストハードコアというよりはメロコアやパンクの流れを感じる曲が結構ある。でも彼らはナンバーガールやカウパーズの大ファンでもあるってインタビューで見たことがあるし、その辺の要素をうまいこと折衷した雰囲気があるバンドだと思っている。モーサムほどポストハードコアには振りきってない感じというか。自分は結構ナンバーガールみたいな金属的でジャリジャリしたギターの和音が好きで、カウパーズみたいな芯が太すぎるザクザクとしたギター音はそこまで得意ではなかったのだけど、Veltpunchはどちらかと言えばカウパーズ寄りなイメージがあるけど、その代わりにソングライティングが自分のツボを押してくるのかなと思います。次作以降はもっと複雑なリフとか展開が増えてくるイメージがあるので(ギターが増えたのもあると思いますが)、まだ骨太なスリーピース作品として、所謂轟音ギター的な要素が薄いのもあってソングライティングが映えて、いや映えすぎてエモとかにも収まらないまま当時のその、ちょっとアニソンとかにもなってそうなギターロックっぽい雰囲気がこのアルバムにはあって懐かしくなってしまう。最後手前の「大海の海月」って曲がめっちゃ好きです。あとやっぱkiller smileはいつ聞いても泣いてしまうのでほんとに名曲だと思いました。


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