20240512
スティーヴ・アルビニが亡くなった。こんなに自分に大きなものを与えてくれたミュージシャンは他にいないだろうし、間違いなく、自分が音楽を聴く中で最も影響を受けてきた方です。聞いてきたもの、掘ってきた音楽のその先には、中心には大体彼がいた。アルビニ本人がフロントマンとして立つShellac、Rapemanはもちろん、彼が担当した録音の数々は今でも自分の胸の中に大きく残っている。Dirty Three、Silkworm、Uzeda、Bedhead、Don Caballero、Superchunk、Cloud Nothings、例を挙げたらキリがないがどれも何十回、何百回も聞いた。今でも聞く。決して忘れることはできない。Shellacの新作も楽しみだった。昨年のAtivinも本当に素晴らしかった。知らない新譜を聞くたびにこれはアルビニだったらどうだろうとか今でも考えてしまうし、よくそういう可能性とか妄想とか、あの時間はもう一生来くることはないんだなと思うと寂しい。black midiのライブ音源のアルビニワークスがあったりしてスタジオライブとかでいいからいつかもっと聞いてみたかったなとか。色々、ありました。しんどすぎる。新譜出て、アー写が出たばっかで、見た目全然変わってないなとか安心したばかりだった。CodeineやJune of 44が来日したんだしShellacは前にきてるしアルバム出るしもう当然のごとく来るでしょうと心から楽しみにしていた。落ち込む。こんなに落ち込むことあるんだという感じで、悲しいとか寂しいって気持ちよりもどこに向かってるのかわからないとてつもない悔しい気持ちがある。昨年、一昨年とずっと続いている音楽関係の訃報を聞く中で思い出を振り返って悲しくなることは数あれど、どちらかというと自分自身の悲しみよりそのアーティストを熱狂的に追っていた周りの知人や友人の顔が浮かぶことが多くすごく心配だった。それぞれどうやって向き合っていくのか、ぼんやり距離を置いて考えていたけど、今回改めて、たぶん初めて自分自身心の底から喰らってしまう報を聞いて、悲しいよりもこんなにも悔しい気持ちになるのかと初めて知った。無力感が一番強い。どうしようもできないし、何かできたわけですらない、そういう気持ちが腹の底からずっとこみあげてくる。この気持ちにしっくりくる言葉がない。正直最初は追悼という気分にも、ありがとうという気持ちにも全くなれなかった。ただただ気持ちが重くなって音源も聞けなかった。気晴らしにアニメを見て少し寝た。ちょっと時間を置いてから、とりあえずShellacのTerraformをレコードで流したら針が落ちた瞬間そのイントロ一音の瞬間から心の底からぶち上がった。しんどい気持ちとか全部忘れて、本当にかっこいい音楽を聴いて笑顔が止まらなくなったし、俺が昨年10月に実家に戻ってきて引っ越しが完了して一番最初にやったことはレコードプレイヤーで同じくShellacを爆音で聞くだったことを思い出した。元気づけてくれたのもアルビニの音源だった。レコード棚にある数々のアルビニ作品を再生するとそのどれもがかっこよすぎてぶち上がった。彼が関わった数々の音楽にたくさんの思い出があります。ありがとうございました。
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