20240702/近況/音楽/漫画

漫画と音楽の記録。

イエスタデイをうたって
会社辞めて時間あるので詰んでた漫画とか借りてた漫画とか激安のときまとめ買いして放置した古本とかキンドルのやつとかをめちゃくちゃ読み漁ってます。これも確か2年以上前にまとめ買いして・・・本当に今更って感じですね。実はアニメ見てたけど数話で挫折。漫画でまとめ読みするとスピード感があって良い。全員が全員相手のことを気遣ってぐるぐると思考を巡らせていくうちに何も進展しない・・・というのを一生やり続けてるんだけど、このダラダラとした感じが、全員が正解なんだけど全員が失敗してる感じが、非常にリアリティがあってわかってしまう。たぶん特定の層の人達にはこいつら何やってるんだろうって思われてそうだけど、そうじゃない人たち、まぁ俺なんだけど、刺さりすぎてしまう。作者がそういう人なんだろう。あまりにも似たような関係性の似たようなキャラクターが多くてそれが数組とかあるので、そういう意味ではやっぱリアリティはないというか、漫画だなと思うけど、それらががんじ絡めになってく様はここでしか見れない。だからこそ純度が高すぎて破壊王という明らかに違うクラスタの人間がぶち込まれた瞬間本当にハラハラしてしまう。けど、本当に現実だったらこういう違うカラーの人が何度も介入していくわけであって。そのせいで簡単に関係なんて破壊と修復を繰り返して入れ替わっくはずだけど、それがあまりにも少ないからこんなことになってるんだろう。学生の頃読んだら絶対まるで違う感想だったと思う。普通に生きてくだけでもこんなに気を使わなきゃいけないんだよなと、俺達は。今だからこそ共感できることが沢山ある。間違いだとわかってても突き進んだら正解に変わることって実は結構あると思うけど、まぁ、できないっすよね。臆病だしさ。一生突き抜けられない人付き合いを見続ける遠回しな恋愛漫画。各単行本の淡い表紙の雰囲気が好きでどことなく線画もアーティスティックな感じがして、その絵柄とはまた違った飄々とした作風のギャップが結構いい。冬目景、何故か苦手意識があって今まで読めるタイミングでスルーし続けてきたことを悔やんだ。

チ。地球の運動について。
面白かった。でも妙に肌に合わない・・・。最後のあれはあくまで国の名前を一切出さず史実とは分けた作品として、フィクションとして作ってきたそれまでと、現実を繋げるっていう漫画でしかできない意図的な交錯なんだと思うし、そもそも今までが全部史実だったとも捉えられるぼかし方が仕掛けなんだと思う。地動説が実際に迫害されていたかどうかっていう問題にも切り込んでいく時点で漫画としてすごい作品だなとも思った。故に、別に地動説のことについて描いた漫画ってわけでもなかったんだろうな。あの時代にそう生きなくちゃいけなかった熱い人間たちの熱量と、その熱量を誰かが受け取っていく話でしかないというか。そしたら結局、何者かになりたかった人達の話なのかなぁと思うと、割と共感できる気がする。

べっちんとまんだら
今更読みました。松本次郎、神とさせてください。自分は90~00年台とかのなんとなくぼんやり絶望した鬱屈としていて何かに閉じ込められてるようなSF作品をたくさん見て育った世代だったと思うし、割とそこに連なる作品なんじゃないでしょうか・・・女子高生とゾンビとガンアクションとチンポとテントウムシ。テントウムシのスケッチを無性にしたくなる。戦争で亡くなった人たちがゾンビになって降り注ぐ河原の管理を任されている二人の女子高生の話。最初から最後まで頭のねじがゆるゆるじゃない瞬間が一秒たりともない。しかし所々意味深に語られる過去回想なのか未来なのか単なるモノローグとして捉えていいのかわからず突然挿入されるシーンのどれもこれも松本次郎印って感じがしてやっぱり最高。ミステリアスでバイオレンスな、女子攻兵に繋がる超傑作だ・・・。

虎鶫
キャラデザがとにかく神がかってます。4巻までリアタイで追ってていつの間にか完結していてまとめ買い。最初1巻の見開き見て最高でこの感じの異形ポストアポカリプスのサバイバルものとして読んでくのかと思ったら二転三転して獣人SFファンタジーへ。足元もおぼつかないしこの先どうなるのか全然わからない感じにわくわくしただけあって、割とシンプルにネタを明かしながら次のステージへ進んでいくのがちょっともったいなく感じたけど、それはリアタイで買ってた頃の感想で、改めて最初からまとめ読みしたら普通に面白く読めた。ちょっと手塚治虫っぽい。どう着地するのか色々気になって突っ込みどころ満載のオチでちょっとワロタ つぐみの家族が出てきてからは常にぶち上がるね。

昨日リリースされたのでこれから超聞く予定です。とりあえず一周したけど2枚組なのにずっとぶち上がるのすごすぎる。ART-SCHOOLの1st解禁とも呼応している。ささくれ立ったギターロック。

映画出たタイミングでこれ聞きまくってんのタイミング良すぎるけど映画関係ないです。前記事のディアンジェロとかネオソウルの流れからバチバチにハマる。スローテンポの溜めのあるヘヴィ・ファンクや、Slyの流れから密室へ籠って完全プロデュースされたファンクとして変貌したネオ・ソウルとか、まぁ、ここ1~2年の自分の趣味から抽出されてきた部分ってこの辺のボブ・マーリーにも入ってると思う。密室ファンクの亜種だと思うし、どす黒いオーラというか、このダーティな空気感がたまらん・・・。映画はエクソダスがテーマらしいし、前に聞いたときはヒット作のKayaとかがあんましっくりこなかったんですが、今聞くとCathc A Fire超刺さる。

上の流れから完璧にしっくりハマった。超名盤にして今まで唯一ボブ・マーリーでハマってたLive!で演奏されてる名ナンバーが結構収録されてるけど、全く表情が違いますね。重い。タイトな録音、腹の奥にズシンとのしかかるようなベース、完璧にカットされたリズムのエッジを際立たせるギター、極上すぎる。Get Up, Stand UpとI Shot The Sheriffに完全にやられました。

2024年にIdahoの新譜が聞けるってマジで最高すぎるでしょ。parkなんて本を出したのもあり、タイムリーでした。また別所でゆっくり感想書きます。隙間と歌。自分の音楽趣味って結局そこに集結していく感じある。

2024年にDirty Threeの新譜が聞けるってマジで最高すぎるでしょ。parkなんて本を出したのもあり、タイムリーでした。また別所でゆっくり感想書きます。こんかいは珍しくザラザラとしがギターが巨躯をゆっくりと引きずって立ち上がるかのような貫禄が1曲目からヤバくてDirty Threeでこんなことあるんだって感情になったし、そこから密室に籠ってセッションをしているようなDirty Threeのイメージとはまた違った、外に向けて大きく駆け出してくような躍動感にあふれたM1からして今までで最もアグレッシブな作品だと思います。 M2~M4あたりは大名盤Ocean Songsから入った人にもしっくりきそうなポストクラシカルやアンビエントとも接続できそうな壮大なナンバー。全部良い。後半はめっちゃドラマティック。今までにあった「生音ポストロック」感はそんなないかもしれない。

いつものレーベルから。最高。デスキャブっぽいけどもっともっとギターの音を轟音にしてってドラマティックにした感じ。レーベルカラーらしいエモとインディーのいいとこどりしたような、ソフトに聴けるけど涙も出てくるノスタルジー全開のロックチューンが並んでてすごく良い。Horse Jumper of Loveの初期とかと近いです。

そんなこと言ってたら同タイミングでリリースされた彼らのシングルがあまりに最高で、3曲全てが素晴らしいのでこの路線のままアルバムを出したら間違いなく年間ベスト級の作品になってしまいますね・・・。枯れたインディーエモ~スロウコア路線からアコースティックに移っていった前作からは大きく飛躍した、重厚なギターサウンドと枯れといよりはダウナーではあれど情念が籠りまくったボーカルが腹に来る。ヤバイです。

ART-SCHOOLの1stサブスク解禁で盛り上がった人、きっかけになって初めて聞いて少しでも良いと思えた人、全員聞いた方がいいです。仄暗い宅禄ART-SCHOOLチルドレンとして、1st以前のボロボロだったローファイな質感とも近い。メロディーが元気ないのに力強い感じがしてツボに刺さりまくる。夕方とかに帰ってきて電気つけるかつけないか微妙なラインの薄暗い部屋で音楽聞くときの心地よさみたいのがずっと続いてる感じがある。

BCNR初期みたいなサウスロンドン系の雰囲気のあるスポークンワーズを織り交ぜた、ジム・オルークと組んだ頃のWilcoがちょっとカントリーやフォークといったジャンルから距離を置いてもっと漂白されたポストロック通過後のインディーロックという感じ。Carolineとかとも通じるとこあると思いますがもっと素直にメロディーと歌でも聞けるし、でもバンドの方も展開が多くてエモーショナルなのが良いです。

ギターロックとして一つ枠を作るとしたら、今年最もよかったアルバムはこれになると思います。ありがとうございました。

ボニプリによるLungfishカバー作品。とんでもない。なんか娘も参加してるとか・・・。ボニプリことウィル・オールダムはルイヴィル出身、Slintのジャケ写の人としても有名ですが、Lungfishでベースを弾いてたショーン・メドウズはルイヴィル出身でないにしてもJune of 44のギタリストだったり、Tara Jane O`Neil率いるSonora Pineのギタリストだったりと何かと縁がある。

そのタラの新譜も出ていてどうなってるんだろう・・・という気持ちになった。Dirty Threeらと並べて幾度なくブログで語ってきました。Rodan人脈でもある。本当にありがとう。ボニプリと並んでまだあんま聞き込めてないのでこれから向き合います。今年はもう半年たったけどまるで音楽聞けてないので、これからしっかり追っていきたい・・・。

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