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20240605


小学4年生のときに夏休みの課題で提出した絵。確かものすごく時間がかかった覚えがあって絶対みんな課題の絵一枚にこんなに時間かけてないよって思いながら途中から虚無だった気がする。クラスで優秀賞とって廊下に掲示されたけど、当初はやろうと思ったことがまるでできなかったため出来栄えに満足いってなく、妥協した状態で選ばれても全然嬉しくなかった。生意気な子供だったと思う。今でもイラスト完成後の満足感ってあまりなく、時間をかけたのに没にしてしまおうかと毎回思う。なんだかんだ数日置いてから、ようやく自分でも割り切れてSNSに上げることが多い。そういうとこも、まるで変わってない。ずっと同じ作品に長いこと取り組んでると、客観視できないし、ヴィジョンが達成できてない精神的なマイナスも評価に入ってしまうから仕方ないとは思う。この絵、賞をとったのもあり親は記念ということで実家にずっと飾っていたらしい。階段の側面っていう結構わかりづらいとこにあってふと今更気づいて、久々に見たけど構図もモチーフもあまり今とやってること変わらね~と笑ってしまった。小学4年生は2004年、自分は9~10歳、早生まれのため夏休みは9歳。現在29歳。丁度20年の月日が経ったことになる。当時のことはよく覚えているし、20年経っても同じ場所は同じ景色である。

たぶんここ。水田だけど。夏にまた撮りにいきます。右上の電波塔×3の存在感が絵だとすごいが、写真だとあんなに飛び出てないので盛ったのかも。20年経った影響で山から生えてる木々が成長してこうなった可能性もあるのかな。こういう大自然の中にある人工物の異物感が昔から好きだったんだと思う。色が濃くて、露骨だし。今も海や山から出てくる工業地帯とかを描いているので本当に変わらないな。そして小学生の頃は携帯なんて持ってなかったので、この絵は写真の模写とかではなく、現地に何度も行きながら家に帰って想像で書いた覚えがある。チャリで2分かからないくらいの距離なのでそこまで苦ではなかった気がする。とか、ふとこの文章をタイピングしている自室、PCの前に座ったままですぐ左手の窓からこの電波塔が見えることに気づいたのだけど、ちょうど絵と同じくらいの高さだった。電波塔部分は家から見えるので、ここだけ現地から見えた景色ではなく、家から見えてるそれを参照した可能性が高いなと思った。

自室から見た電波塔。やっぱりこっちですね。子供の自分が描いた絵、せっかく青空が映えそうな広大な景色なのになぜかまるで青が強調されてないどこか曇った雰囲気で空をぼかしているのも今と同じだ。背景を描くにあたって空の天気や彩度をどうするか、実は1年前すごく悩んでいた。二次創作のときは青空をよく描いていたけどいつもしっくりきてなくて、オリジナルを描き始めてから試行錯誤の末に彩度を落としたり曇り空を描くことが増えたけど、20年前既に答えを出してたことに気づく。今の自分の趣味趣向は10代後半から形成されたものだと思っていたけど、何をやればいいかわからないまま感覚的に出力されたものはあんまり変わらない、同じレンズで世界を見てたことを実感する。住んでいたこの土地の景色に自分の美的感覚は形成されたんだろうし、そこが中心にあるってことに気づいたのはここ1年だと思っていた。実家に戻って、それを絵として出力するようになってからだと思っていたけど、実際は20年前から既にやっていた。気づいて言語化できるようになっただけで根本にあるものは簡単に変わらないし、新しいものに目を向けたとしてもそれ自体よくよく考えると昔好きだったものそのもの、もしくは地続きだったことが途中でわかる、ということを無意識に繰り返していて、今になって気づけるようになったのは一応成長だと思う。

どちらも昨年描いた絵なんだけど、20年前のあの絵と同じ場所が描かれている。1つ目の夕方の方はまさに女の子が向いている右向きの視点があの絵だ。2枚目は写真に写らない夜のうっすらとした光のコントラストを絵で再現したくて、描いてる途中に何度も夜中現地に赴いたのだけど、その過程自体が20年前と同じことをしていたんだなと今更気づいた。

絵を描いて作品として挙げるようになったのがかなり遅くて、当時既に25を過ぎていたし、コロナ禍に入ってからDTMと並行して遊びとして始めたものだったりする。完全に思い付きだったし長く続くとも思っていなかった。絵が好きなわけではなかったし、部活をやったりとか趣味で描いたりって経験もほとんどないと思っていたけど、実際記憶の引き出しの奥底を掘り出してみると小学校の頃は絵を描くのがすごく好きだった。自分は絵を描くのが好きな時期が人生で一度も無かったのに急にやり始めた、くらいの感じで認識していたけど、そうではなかったのだと思う。低学年のとき模写が得意で友達の好きな絵本の表紙を再現したもので賞をもらったことがあったり、家でもたくさん描いていてそれを見た父親がクロッキーを買ってくれたこともあったし、父親と一緒に年賀状を描いたりしていた(そもそも父親が今思い出してもめちゃくちゃ絵がうまくて憧れていた)ことを、完全に忘れていた。高学年になるにつれて幼稚な趣味だと思うようになって、そのまま中学~高校以降今のオタク趣味、音楽趣味になってからリセットされてしまったんだと思う。

なんで自分は絵を描いているんだろうという気持ちになることが今でもすごく多かったけど、ちゃんと昔から地続きのもので、かつて普通にそれを好きで、楽しんでいた過去があったことを今更思い出せて、同人ですがイラスト集まで出したのにまだ拭えてなかったその違和感を今になってやっと拭えた気がします。本当に普通につい最近まで自分は本当に絵が好きでやっているんだろうか、と考えてしまうことが本当に多くて、成り行きのまま続けてる感覚がずっとあったんですが、割とほっとした。という日記です。

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