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ONE PIECEの正体は不味いバナナ

熟した"調理用バナナ"をそのまま食べた。
美味すぎてビックリした。

少し酸味のある甘いバナナの味。甘酸っぱい味。
普段スーパーで売られているフィリピンバナナの、シュガースポットが出る前の味。
それよりも少し柔らかくした食感。

要するに普通のバナナの味とさほど変わらないが、その味が美味すぎると感じたのには理由があった。


上記画像の内、1番左にあるバナナは最もオーソドックスなフィリピンバナナが熟した物。
そこから発生するエチレンガスによって、隣り合う調理用バナナから順に早く熟していく様子が分かりやすく示されている。
これらは1週間ほど隣り合わせて置いていた。

調理用バナナは1番右にある物の色をもう少し濃い緑にした状態で売られており、その時点でさえ値引きが始まっていた。

購入初日、その調理用バナナを完全に青い状態の時に生で食べたら「マズすぎワロタ」という言葉を口に出してしまった。

ワロタなどという言葉は人生において実際に口にした事は全く無かったが、あまりにも笑える不味さによって「ワロタ」が1番適切な言葉として出てしまった。
なんというか、食べて良いのか、消化できるのか、そんな不安が起こる未熟なデンプン質の味。
そもそも加熱調理が推奨されている。

その場に居合わせた他の2人にも食べてもらったが、全員が同じ反応だった。


笑ってた。






ONE PIECEに辿り着いた時の
ロジャー海賊団のように。



ONE PIECEの正体は不味いバナナだったのかもしれない。





青い調理用バナナの皮は非常に頑強で、裂いた断面からは粘性の汁が出た。
その汁は著しいベタつきを伴っており、何度水や石鹸で洗っても取れなかった。
ゴキブリホイホイのような粘着シートを想像してもらった方が早いだろう。というか完全にあのベタつきだ。

ちなみに、最終的にはサラダ油を手に擦り込んでから石鹸を使う事で粘着質を洗い流す事ができた。本当にゴキブリホイホイと同じ洗い方で対応できた。ベタつきの成分は脂溶性なのだろうか。



調理用バナナは本来加熱して食べる物で、揚げたりする事もあると聞く。
今回は少なめのバターで炒めたが、食べられなくもない…と感じる程度の味だった。
この無味バナナで脂質を摂る事がなんとなく嫌で、揚げるという案を捨ててしまったのが敗因かもしれない。
バナナよりも、自分自身の調理経験の未熟さによって持て余してしまったように思える。
次に食べる時はもう少し勉強しておきたい。

バターで炒めた際の詳細な味はデンプン質の「無」だった。
しかし、微かに、本当に微かに、バター以外のなんらかの風味がする。
脳内では悠久の時が流れるかのように、走馬灯のように、人生の中で食べた「似た風味の食材」を辿っていく。

しばらく経ち、「ポテト…?」と呟いた。

似ていると言うには少し遠いような気もするが、今の自分ではその例えしか出せなかった。
同じデンプン質の風味が共通しているのだろうか。



完全に人を選ぶ例えで恐縮だが
HUNTER×HUNTERの
「コムギ…?」のシーンと全く同じだった。本当に。

この後、ウェルフィンを捕食しようとした王は
少女コムギと過ごした記憶を取り戻す事となり
ウェルフィンは一命を取り留める。


ウェルフィンも走馬灯の末にデンプン質に辿り着いたらしい。



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