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ウチスズメ、Googleレンズ、マルガタゲンゴロウ語り


大きなスズメガを見つけた。
覗く目玉模様が青く美しい。


ウチスズメ
右上にはゴミムシダマシ類

当初は軽く検索してもサッパリ分からなかったが、Googleアプリ内の機能、Googleレンズにて画像をスキャンすると『ヨーロッパウチスズメ』と出てきた。
国内に『ヨーロッパ』と名のつく和名の生物は少ない。
それならば何処かで聞いたことのある名前『ウチスズメ』が本種の和名なのかと思い検索し直すと、実際にその通りだった。
それなりに高い精度で同定されるテクノロジーに心底驚く。とはいえ、今はまだ万能ではないため、更なる誤同定を生む原因ともなり得るか。
ちなみに、ウチスズメはもう少し翅を開くと、目玉模様の周りに紅を差したような色彩で彩られている様子が見られるらしい。
たしかに上記画像も薄らと桃色が透けている箇所がある。



以前に自分が撮影したオオキベリアオゴミムシ1齢幼虫の画像をGoogleレンズにスキャンさせた事がある。
すると、各部位の形状から推理されたのか、本種が属するEpomis亜属である事を見抜かれた。
特徴的であるとはいえ、このテクノロジーが本当に恐ろしい。

ゲンゴロウ類幼虫も候補に挙がっているが、ゲンゴロウもオサムシやゴミムシと同じオサムシ亜目(食肉亜目)なので、遠からずと言ったところか。

上記画像のゲンゴロウ幼虫は何だろうか。マルガタゲンゴロウ属またはメススジゲンゴロウ属の1齢にも見える。
なんとなく両者のミジンコ食を思わせる雰囲気が感じられた。

マルガタゲンゴロウ成虫とカワニナ
マルガタゲンゴロウ3齢幼虫



以前、マルガタゲンゴロウ幼虫の飼育を経て、マルガタゲンゴロウ属及びメススジゲンゴロウ属(ヤシャゲンゴロウ)について以下のような考察ツイートをした。
これらの種類はミジンコ食が確認されており、中でもヤシャゲンゴロウは世界でたった一つの池にしか生息していないほどに貴重な生物だ。


・飼育後の考察


・飼育時の記録。ちなみに以下の「子供達」は実子ではなく地域の子供達を指す。

マルガタゲンゴロウも主にミジンコ等を捕食して成長し、頭部及び胸部もそれに特化したような形状となっているが、ゲンゴロウ飼育ブログ氏からいただいた「ミジンコのみの給餌では成虫が矮小化する」という意見を参考にして3齢時にボウフラを与えるようにしたところ、野外と同じサイズの成虫を複数匹育てる事ができた。

水底の餌にはあまり興味を示さず、水面に浮かぶボウフラや落下昆虫に対して捕食行動を起こす様子が多く見られた。
そのため、若齢時にはミジンコを専門とした捕食に特化して利用していた身体機構を、以降の齢で転用して水面付近の小動物複数種の捕食を含めた利用へと切り替える生態を持つものと予想した。

今後、再びマルガタゲンゴロウの飼育を行う事があれば改めて何らかの検証をしてみたい。

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