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ウチスズメ、Googleレンズ、マルガタゲンゴロウ語り
大きなスズメガを見つけた。
覗く目玉模様が青く美しい。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/107747102/picture_pc_6f45c778392a089f34056b176caf8a79.jpg?width=1200)
右上にはゴミムシダマシ類
当初は軽く検索してもサッパリ分からなかったが、Googleアプリ内の機能、Googleレンズにて画像をスキャンすると『ヨーロッパウチスズメ』と出てきた。
国内に『ヨーロッパ』と名のつく和名の生物は少ない。
それならば何処かで聞いたことのある名前『ウチスズメ』が本種の和名なのかと思い検索し直すと、実際にその通りだった。
それなりに高い精度で同定されるテクノロジーに心底驚く。とはいえ、今はまだ万能ではないため、更なる誤同定を生む原因ともなり得るか。
ちなみに、ウチスズメはもう少し翅を開くと、目玉模様の周りに紅を差したような色彩で彩られている様子が見られるらしい。
たしかに上記画像も薄らと桃色が透けている箇所がある。
以前に自分が撮影したオオキベリアオゴミムシ1齢幼虫の画像をGoogleレンズにスキャンさせた事がある。
すると、各部位の形状から推理されたのか、本種が属するEpomis亜属である事を見抜かれた。
特徴的であるとはいえ、このテクノロジーが本当に恐ろしい。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/107747564/picture_pc_ea9353374c895728152cbdeff88121ce.png?width=1200)
ゲンゴロウ類幼虫も候補に挙がっているが、ゲンゴロウもオサムシやゴミムシと同じオサムシ亜目(食肉亜目)なので、遠からずと言ったところか。
上記画像のゲンゴロウ幼虫は何だろうか。マルガタゲンゴロウ属またはメススジゲンゴロウ属の1齢にも見える。
なんとなく両者のミジンコ食を思わせる雰囲気が感じられた。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/107750562/picture_pc_3f889f3c8943bdf778117114d27be9b7.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/107750561/picture_pc_7dd98f71b0d5ff94db0d32062eeeb178.jpg?width=1200)
以前、マルガタゲンゴロウ幼虫の飼育を経て、マルガタゲンゴロウ属及びメススジゲンゴロウ属(ヤシャゲンゴロウ)について以下のような考察ツイートをした。
これらの種類はミジンコ食が確認されており、中でもヤシャゲンゴロウは世界でたった一つの池にしか生息していないほどに貴重な生物だ。
・飼育後の考察
青汁飲みながら資料見たらその中に「青汁」が登場してて笑いました。
— トモロウ (@Day_after___) June 21, 2022
しかし凄いアイデアを考えるな…青汁や、ハーモニカ法によるコオロギ選別など…。
世界に一つの池にしか居ないゲンゴロウなので本気度が伺えます
生息域外保全を見据えたゲンゴロウ類の効率的な飼育方法https://t.co/7OqCGD84Cd pic.twitter.com/3qN1k5FZ6w
ヤシャゲンゴロウと近い種類であるマルガタを飼育した際には幼虫が下からしゃくり上げるようにして主食とされるミジンコ類を捕食する様子が多く観察されましたが、大きくなった2齢以降は水面に落下した昆虫も同じように狙う様子が見られたため、特徴的な細い首はこの捕食法に特化したものなのかも…? https://t.co/1MCODEklCX
— トモロウ (@Day_after___) October 30, 2022
この種の細い首であれば、しゃくり上げる捕食を行う際の水の抵抗が圧倒的に減りますし、主食がミジンコ等の素早い生物なのでわりと当たっているのでは?と思っています
— トモロウ (@Day_after___) October 30, 2022
水面落下昆虫や羽化直前のユスリカ相手にも都合が良い
生物の食性解明は顎だけでなく首を見る事も大きなヒントになり得るのか…?
マルガタは水面落下した昆虫、羽化直前に水面に浮かんだユスリカ蛹やオニボウフラ等への反応が見られつつ、水底のアカムシと尾端を潰したヨコエビの両者水底餌には全く見向きもしなかったので、特に水面付近の捕食に特化していそうです。
— トモロウ (@Day_after___) October 30, 2022
ヤシャ唯一の生息地も環境的にそれに当てはまりそうですね…。 pic.twitter.com/JQpzPgL6xr
・飼育時の記録。ちなみに以下の「子供達」は実子ではなく地域の子供達を指す。
先日、子供達から「フヨちゃん」と呼ばれたマルガタゲンゴロウの幼虫。
— トモロウ (@Day_after___) July 1, 2022
フヨヨヨヨヨヨ…と泳ぐねこの子は… pic.twitter.com/AYM5Ul99HF
ボウフラを捕食するマルガタゲンゴロウ幼虫。
— トモロウ (@Day_after___) June 21, 2022
養殖アカムシの中に混ざっていたものを与えたら食べてくれました。ただ、積極的な捕食なのかは不明。大きな種類のミジンコなら積極的に食べるのかな…?
ボウフラの捕食例や案は既にネットにありましたが、自分で色々試して到達するのは面白いですね…。 pic.twitter.com/LHGanCG4IE
繭玉を作れなかったマルガタゲンゴロウ幼虫も無事、蛹になれた様子。幼虫の下には抜け殻が転がっている。
— トモロウ (@Day_after___) June 25, 2022
他の幼虫は今日もボウフラを食べている。野外ではミジンコ以外に何を好んで食べているんでしょうか…。まさか他種ゲンゴロウ幼虫…?
フロリダマミズヨコエビは素早いためかあまり好まず。 pic.twitter.com/8dXj2SnkCz
ボウフラは生息水域でも同所的に何度か見かけていて、割と食べてくれますが、自家養殖アカムシは飼育ケース内でも捕食されていない個体が目立つ。
— トモロウ (@Day_after___) June 25, 2022
ミジンコやボウフラ等、浮遊生物を好んで狙っている様子があるので、底部で巣を作ってしまった個体は捕食対象から外れているのかもしれない。
なんですかこのまんまるたまごちゃん…
— トモロウ (@Day_after___) June 30, 2022
マルガタゲンゴロウという名前の意味を真に理解できたような気がします
1枚目.22:58
2枚目.22:59
3枚目. 2:23
4枚目. 6:43 pic.twitter.com/J0VnO1Q00e
マルガタゲンゴロウも主にミジンコ等を捕食して成長し、頭部及び胸部もそれに特化したような形状となっているが、ゲンゴロウ飼育ブログ氏からいただいた「ミジンコのみの給餌では成虫が矮小化する」という意見を参考にして3齢時にボウフラを与えるようにしたところ、野外と同じサイズの成虫を複数匹育てる事ができた。
ミジンコだけでは小さくなるそうなので、飼育下では数が足りないか自然界では大きくなるとほかの餌も取っている可能性が高いですね。
— ゲンゴロウ飼育ブログ🗯 (@gengo6com) October 30, 2022
はい、以前ゲンゴロウ飼育ブログさんにご意見をいただいた後、これらの餌を試したのですがミジンコのみより明らかに大きく羽化しました。
— トモロウ (@Day_after___) October 30, 2022
ナミゲン成虫が溜池で落下昆虫を多く食べるように、それらや繁殖期に多くなるであろうボウフラやその蛹、ユスリカ蛹や羽化個体が狙われているのかもしれません。 https://t.co/boIp6wmkza
水底の餌にはあまり興味を示さず、水面に浮かぶボウフラや落下昆虫に対して捕食行動を起こす様子が多く見られた。
そのため、若齢時にはミジンコを専門とした捕食に特化して利用していた身体機構を、以降の齢で転用して水面付近の小動物複数種の捕食を含めた利用へと切り替える生態を持つものと予想した。
今後、再びマルガタゲンゴロウの飼育を行う事があれば改めて何らかの検証をしてみたい。
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