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キショい偽巻島先輩


都内日記・詰め合わせ



都内某所を歩いた際、路地裏でコック帽を被った男性が気怠げにタバコを吸っているのが見えた。
真横に『いきなりステーキ』があったので、そこの店員が休憩していたのだろう。
完全に一致と言っていいほどに、あの感じの帽子だった。
何かいけないものを見てしまった気がする。


店員は何も悪い事をしていない。
ただでさえストレスの多い接客業、飲食業。タバコくらい好きに吸うべきだ。
しかしどこか背徳的な何かを感じた。

仮に小学校低学年の頃の帰り道でこの光景を目の当たりにしていたとしたら、「何かいけないものを見てしまった」という気持ちに耐えきれず、その場から逃げ出していた事だろう。




都内のデパ地下でも田舎のスーパーでも、乳製品の販売コーナーにはいつしか当たり前のようにミモレットが並ぶようになった。
そこに「ダニの力で熟成させたチーズであること」は明記されていない。
原産地でもミモレットによるダニアレルギーの報告は無く、重度のアレルギーの方だけは気を付けたほうがいいとの話を専門家が語っているのを見かけた事があるが、あまりにもダニの名前が表に出ていなさすぎる。
「はて…❓ダニ…❓👴」みたいな顔で棚に並んでいる。
まあ、着色料もカイガラムシが普通に使われているし、説明しなければいけない義務はそこまで無いのかもしれない。

ちなみに、ミモレットはクセも少なく、そこそこ万人受けするタイプの味がする。




カボチャ系スイーツが出ているシーズンに某喫茶店に行った。

隣のテーブルに座っていたカップルの男性が「オンナはイモ、クリ、カボチャ、好きっショ‼️😁」というキショい巻島先輩みたいな事を言っていて、ほとんどが女性客で構成されている店内の空気は少し重くなっていた。
音を立ててピリッとした気もするが、偽巻島先輩だけはその空気に気付いていなかった。


御堂筋がいたら「キショい」ではなく「キモい」という言葉が出ていたかもしれないが、生憎不在。


「◯◯ッショ!」という口癖は森久保祥太郎ボイスの巻島先輩だから許されるものなのだと知った。
いや、上記は口癖というより話題の内容や切り口が悪すぎるという話ではあるが。


若い女性が多かった事もあり、多くの客の脳内には巻島先輩の顔と名前が一瞬だけ浮かんでいたのかもしれない。
でもこの想像は偏見に基づくものであり、「オンナは弱虫ペダル、好きッショ‼️😁」と言っているのと同じだと気付く。

偏見で物言っちゃ、ダメッショ。

ちなみに、偽巻島先輩はカボチャ系スムージーが届くなり、秒速で飲み干していた。
レース中の栄養補給だったのかもしれない。

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