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庭産ヒメカマキリモドキの発見と産卵
少し前に自宅にて簡易的なライトトラップを行なった。
Amazonで販売されている安いUV灯と100均のランドリーバスケット(メッシュバスケット)を使用。
バスケットは蝶の飼育にも使える。
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まず集まってきたのはTHE・カメムシことチャバネアオカメムシ。
この季節は特に多い印象だ。
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桜の木等の下でライトを焚いているからか、アオマツムシも飛来してくる。
この場所が出会いの場となる事もある。
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庭に数多く棲みつくヌマガエルも訪れる。
申し訳ないが、定期的に追い払わないと昆虫が食べ尽くされてしまう。
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当県では国内外来種であるヌマガエルだが、どこもかしこも個体数が非常に多い。
水田においてさえヌマガエルは100匹以上見かけるが、アマガエルは1匹も見ない日が多い。(アマガエルはそもそも繁殖期以外は水田から離れて暮らすイメージがあるが)
庭ではヌマガエルが害虫を捕食してくれる役割を担っているが、本来はカエルに捕食されなかったであろう虫たちも数多く犠牲になっている事を考えると少し複雑だ。
ヌマガエルを薮に追い払った後にライトトラップに目線を戻すと、見慣れないカゲロウのような昆虫がいる。クサカゲロウにしてはやたらと黄色い。
よくよく目を凝らして見ると、それはなんと人生初遭遇となるカマキリモドキだった。
まさか庭に生息しているとは思わず、非常に驚いた。
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とにかく忙しなく動くため、非常に撮影し難い。
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親指の爪ほどしかない大きさと胸部の体色から見て、ヒメカマキリモドキで間違いないだろう。
この虫は姿こそカマキリにそっくりだが、カマキリとは全く異なるルーツの昆虫だ。
どちらかと言えば同じアミメカゲロウ目のウスバカゲロウ(アリジゴク)やクサカゲロウの方が種類としては近い。
この昆虫とカマキリは、肉食昆虫が捕食という目的において前脚を折り曲げつつその部位の棘を発達させ利用するようになった収斂進化の代表的な例だろう。
昆虫はこうした進化を遂げた例が比較的多く、元々折り曲げる構造であったり棘が存在したりする前脚は鎌状に進化しやすいようだ。
同じように鎌状に発達した前脚を持つハエであるカマバエや、カメムシ目のカモドキサシガメやタガメ、ミズカマキリ等が分かりやすい例か。
上記生体画像を撮影した翌日、アオヘリアオゴミムシの観察から帰るとシャーレ内でヒメカマキリモドキが産卵をしていた。
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まさか産卵までしてしまうとは…。
ちなみに、幼虫はクモに纏わりついて吸血をする事で飢えを凌ぎ、その末にクモの卵塊内に寄生して卵を食べる事で成虫まで育つ事が知られている。
本当にカマキリとは全く異なる生態だ。
フォロワーの研究者方曰く、ここから生まれた幼虫はクモ生体に寄生したまま冬を越した後、翌年に卵への寄生を果たして成虫となると教えていただいた。
本当に奇怪な生態の昆虫で、見ていて飽きない。
今回撮影した成虫は産卵の確認後に逃したが、この家に住んでいる限りは同種に再び会える日が来る事だろう。
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