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水草展・ソウギョ



筑波実験植物園・水草展2024に再び訪れる。

今回は草食性外来魚・ソウギョの展示を観察。

ソウギョの展示
ソウギョの餌メニュー
オオカナダモを食べるソウギョ
2024/08/09撮影
マツモを食べるソウギョ
2024/08/08撮影


ソウギョといえば食用として輸入され霞ヶ浦水系に定着した中国四大家魚の一種として有名な魚だが、個人的には野尻湖の悲劇のイメージが強い。

1970年代に野尻湖一面に発生した水草の除去を目的として5000匹のソウギョが放流された結果、わずか3年で湖内の水草が滅ぼされてしまったという事件だ。(※1)


日本中の湿地に迫る危機の一つとして本種を大型展示で紹介した水草展スタッフの、怨念や責務を含んだ心意気が今回の展示から伝わってきた。
しかし悲観的かつ説教気味になりすぎない、絶妙なユニークさを交えて本種の脅威が紹介されているのが心地よかった。
自分が幼い頃にこれを見ていたとしても、確実に心に残っていただろう。

そして、そんなソウギョを釣る際には、専用の仕掛けが必要となる。
あまりにも特徴的なので少しでも釣りを齧った事のある人間ならばピンと来るかもしれない。
本種は動物性の餌をほとんど食べないため、餌としてヨシなどの葉を用いて、釣り針を刺した葉を水面に浮かべて待ち伏せるといった釣り方をするのだ。


解説ボランティアの某氏にその旨を伝えた所、なんとその仕掛けを再現した物が同室に展示されている事をご教示いただいた。
水草展ではそこまで網羅しているのかと、心底驚かされてしまった。
あまりにも痒い所に手が届きすぎている。
ここには精鋭が集まっている事を、改めて思い知らされた。

ソウギョ仕掛けの展示に関しては、営業時間いっぱいまで解説を聞くのに夢中で撮影を忘れてしまったため、後日撮影して追記したい。



参考文献

※1

遊佐 暁・Gaston Guido San Cristobal・鄭 紫来(2017):野尻湖における外来魚の受容過程と資源利用




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