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バッタ巡り


フォロワーの研究者に送付する研究用サンプルとして佃煮を購入した。
「もしかしてあの店にもあるかも?」と思い立って閉店間際で駆け込んだ佃煮専門店にも、この画像とは別の種類の佃煮があった。
合計2種の佃煮を入手する。


こんなにこの佃煮が見つかる日はそうそう無い。
生きているうちに一度も実物を見ずに亡くなる者もいるはずなのに。


そういえば自分が母のお腹の中にいる頃、母は義母からこの佃煮を振る舞われてカルチャーショックに戦々恐々としながら食べたらしい。
間接的にバッタの栄養を得たせいか、家族の中では自分だけがこの佃煮を好むように育った。
それを誰かから教えられた訳でもないのにそうなったというのは、奇妙ながらも少し面白く感じる。

パッケージ、なんかすごい事になってる。
しかし脚がラップを突き破っている物も数個あったので、状態としてはこれが一番綺麗だった。
バッタは脚が強すぎるんだ。普通に口の中に刺さるし。
強靭かつ棘まみれの脚で蹴飛ばされても無事なカマキリ等の捕食者達が恐ろしく思える。


巨大な湖を湛える当県では淡水及び気水性魚介類を用いた食文化が発達しており、佃煮はその代表だ。
湖畔には佃煮専門店がいくつも存在し、店内には佃煮だけで数十個のラインナップが並ぶ。
全ての店に置いてある訳ではないが、この佃煮もその一つとして見かける。

当県は特に昆虫食の文化があるという訳ではないが、そうして佃煮が多様化したために稲作文化と融合をしてバッタが並ぶようになったのかもしれない。
これについては今後何かしらの資料を探して明確な情報を掴みたいところ。

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