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オンラインで、感謝を伝える

春は出会いと別れの季節、なんだけれども今年は「またね、元気でね」と感傷に浸るタイミングがない。なにせ在宅勤務がベースのご時世、職場のメンバーと直接会える機会もほんのわずか。送別会なんてもちろん開催できるわけもなく、とうとう私にもお役目が回ってきた。「オンライン送別会・幹事」だ。

入社したばかりの頃、「幹事も仕事のうちだ」なんて言う先輩に最初は疑問が拭えなかったけれど今なら少しだけわかる。いや、仕事のうち、というのはまだ全面的には賛成できないけれど「誰かのために場を設ける」ひとつの機会だと考えれば送別会の企画だって取り組みがいがあるビッグイベントだ。(単に楽しい企画が好き、という性格もきっとある)ここ数年は若手Aくんにすっかり幹事を任せてしまっていたけれど、そのAくんもとうとう異動。しっかり送り出してあげたい、とチームの上司を巻き込んでのプランニング、そして先週無事に会が終わった。なんだかとても準備が楽しかった&参加者にも楽しんでいただけたような気がするので振り返りを書いてみる。

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①参加者の一体感を出す→バーチャル背景に「お題」を設定

当日はそれぞれの自宅、または職場からの参加となるのでまず一体感をつくることが大事、とteamsの背景を統一した。今回の場合お題は「満開の桜」。事前にバーチャル背景ダウンロードサイトのURLと一緒に設定を依頼した。集合写真も華やかになって◎。

②オープニングのつかみが大事→主賓へのクイズ出題でわくわく感を

これは上司からいただいたナイスアイデア。オープニングの空気感をぐっと盛り上げるために仕掛けを用意。主賓以外は画面オフで参加し、主賓がクイズに正解するとみんながカメラをオン、送別会がスタートする、という形にした。参加メンバーも楽しめたようで全員が画面に映った時はみんなリラックスした表情に。さらにクイズは「主賓なら絶対わかるけれど他の人にはわかるかなー?」というマニアックな問題を設定、主賓の「人となり」も何となく伝わることを意識。

③主賓にはケータリングを用意→食レポで盛り上げる

主賓にはケータリングを用意し前日に自宅までお届け。メインからデザートまでそろったコースは昼間の開催だったけれど楽しんでいただけたよう。主賓に食事の感想をいただく合間に、ほかの参加メンバーにも今日のランチのポイントを聞いたりして対話の機会を増やすと(事前に食レポ簡単にお願いします、と打診)、「しーん」と食事をする時間がなくてよい。

④主賓へのメッセージは「あいうえお作文」で→間延びせず一体感を醸成

送別会では各々が異動する方へのメッセージを伝えるのが通常だけれど画面越しに順番に話していくと間延びしそう…と思い、主賓の名前で「あいうえお作文」を作成。こちらも事前に参加者に共有し、「あ、のパートは⚪︎⚪︎さんお願いします」と伝えておくと当日の参加感も増したような気がする。さらに当日は「ご唱和ださい!Aくんの『あー』」のようにみんなで発声、気分もあがる。

【と】どんなに偉大な芸術家もはじめはみんな素人
【も】最も偉大な勝利は自分に打ち勝つこと
【こ】ここぞという時に踏ん張る力

こちらのサイトがとても便利。

⑤ゲスト出演でサプライズ

オンラインなら以前同じチームだった方も参加できるかも?!とゲスト出演を依頼。タイミングを見て「入ってください!」とLINE、「ゲストさん」としてteamsにジョインしていただくと驚きの声が。外出先からのコメントはライブ感もあり◎

⑥記念に号外をつくる→手元に残る思い出

いつもは記念の品として主賓の好みに合いそうなものをセレクトするけれど、今回は「ものより思い出」ということで記念号外をつくった。写真とテキストを入力するとレイアウトしてくれるサービスを利用。素材を集める中でこれまでのチームの歴史を振り返ることになったり、改めて感謝の思いを言葉にする貴重な時間。そして何より「手元に残る」思い出になってくれるといいな、と思っている。

⑦チーム全員出演のショートムービーを作成→ゆっくり思い出を振り返る

これはセンスあふれる上司の力作。チームメンバー全員の社員証の写真と入社時の写真、あいうえお作文メーカーでつくった作品をつなげて2本素敵なムービーを作成していただいた。ここぞ、というタイミングで流すと視線も集中、その後ムービーの内容について盛り上がる…といういい流れも。

⑧最後にギャラリービューで集合写真をスクリーンショット→御礼メールと共に送る

最後は集合写真を画面上で。背景画像のお題を統一したのが効いていい感じの一体感。撮影後は【手を降りながら】【笑顔で】の退出をお願いし、なんだかみんなで笑いながら「ばいばーい」と会が終了した。撮影した写真は終了後すぐに御礼メールとともに送付、そこに主賓含めみなさんが感想を重ねていく…というアフタートークも盛り上がった。

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そんなこんなで振り返ってみるとずいぶん注文の多い幹事だったなぁとちょっぴり反省しながら、でもランチタイムのきっかり1時間を楽しく過ごしていただけたようでとっても嬉しい。「とってもあったかい時間だった」という感想をいただきじーんとする。画面に最後まで残ってくれた主賓のAくんが「最初に配属されたとき正直不安だったけど、間違いなくこのチームは局内一風通しがいい。最高です」とコメントしてくれたときは、ちょっと泣きそうになってしまった。

そして何より、当日を迎えるまで主賓のことを想って、上司と共に準備を重ねた時間は自分にとっても、そう、とっても楽しかったなーと思い出してはひとりにんまりとする。なんにしても、頑張った分だけ充実感てあるんだよなぁ…当たり前のことを、でも久しぶりに実感しながら仕事に戻る。司会をやりながらちょっとだけワインを飲んだことは、ここだけのひみつ。

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