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【創作大賞感想】紙の本として手元に置いておきたい物語

https://note.com/scrapandbuildai/n/n9f79b10dce8d?sub_rt=share_pw

noteに登録して初めて記事内にご紹介URLを貼るのですが、ちゃんと表示されますかね?
うまくリンクできてないよ~とかサムネ表示されてないよ~とか、もし間違っていたら教えていただけると嬉しいです……!


今回感想を申し上げたいのは、早時期仮名子さんの「針を置いたらあの海へ」です。

改稿前の「あのスティークを~」を拝読して「ファンです!」という言葉とともに長文メール感想を送ったのが懐かしく、後から不躾だったかなと反省しましたが、私がこちらの作品を拝読して抱いた感動は、前回も、そして今回も嘘偽りのない本心です。言葉が拙く申し訳ないのですが、とにかく惹きこまれました。

なので今回はご本人へのクローズドメッセージではなく、創作大賞感想というタグをお借りして、この場でご紹介させていただきたく存じます。


拝読中、そして読後のシンプルな感想は、「すごい」。
一冊の本にして、手元に置いて、いつでも読み返せるようにしたい。そう思いました。

冒頭の軽やかな読み口からどんどん引き込まれ、浅瀬でぱちゃぱちゃと遊んでいたつもりが、いつの間にか物語の海の中にもぐりこんでいました。

ネタバレになるので内容の詳しい感想は伏せますが、主人公のレオくんと副主人公のたっちゃんさんの関係性をモノにたとえるなら、繊細なガラス細工というよりは、江戸切子のようだと思いました。(だいぶ個人の感想です)

登場人物たちの人柄からぱっきりとした印象があり、けれどもガラスなので一本でも傷が入ればデザインを損ねてしまうような綱渡り感もあり……。
それこそ作中にでてくる編み物のように、少し間違えれば編み目が狂ってしまい形が歪になる、そんな危うさも内包した人間関係を、軽快なトークを交えながら親しみやすい筆致で描かれています。

笑いあり涙あり、思わずふふっと笑ってしまうコミカルなやりとりもあり、端的な一文がギュッと場面を絞って読者の胸に迫ってくるシーンもあり。
「どこまで描写するか」の匙加減が絶妙で、エンタメながら純文学の味わいもある、とにかく凄い作品だなあと思いました。

個人的に花火のシーンとボールペンのシーン最高です。見事な消失点、そして彼らの着地点。海底トンネルのシーンはカタコンベにいるような気持ちでした。
あとルイちゃんを末永く応援したいです。レオくんが「編む者」なら、ルイちゃんは「(絡まりを)解く者」かなって思いました。(個人の感想です)


そして濃厚な物語に浸された後の町中華。なんて手厚い福利厚生なのでしょう。続編にあたる「町中華屋のマイコー」はこれから拝読します!
https://note.com/scrapandbuildai/n/n5ac4997210f2?sub_rt=share_pw


最後になりましたが、仮名子さん、素敵な物語を拝読させてくださり有難うございます!
これからも応援しております。


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