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俳句のススメ③〜お名前俳句〜

今回は、少し変わり種の俳句(一部、短歌)についてです。
名付けて「お名前俳句」!
俳句の中に人の名前が隠れているよ〜、というものです。勝手に命名しました(笑)

例えば、私のTwitterのヘッダーにはこんな俳句が書いてあります。

ああ暇さ可笑しきことも無き春よ
(ああひまさおかしきこともなきはるよ)

中ほどに、「正岡子規(まさおかしき)」という名前が隠れていますね。

ぱっと見では分からないんだけど、よーく見たら名前が隠れてる。それが「お名前俳句」です!

いくつか作り方があるのでご紹介します。

技法① 隠し題

先ほどの、「正岡子規」が隠れている俳句の作り方がこちら。単語の切れ目を変えたり、漢字を違うものにして、ぱっと見では分からないようにします。
「隠し題」というのは、俳句ではなく「短歌(五七五七七)」で用いられている技法です。平安時代の勅撰和歌集である『古今和歌集』には、隠し題(「物名」ともいいます)を集めた和歌ばかりの章もあるんですよ!

この「隠し題」では、

① 名前を平仮名にする
② 言葉の切れ目をいろいろ変えてみる(濁点を取ったり付けたりしてみる)
③ 名前以外の箇所を考える

という手順で俳句を作ります。

「正岡子規」以外で作ってみるとしたら、

憂い顔田のフナ垣間見頬緩む
(うれいがおたのふなかいまみほほゆるむ)


「織田信長(おだのぶなが)」とか。濁点を取ると、暗号感が増しますね!

技法② 沓冠(くつこうぶり)

「五七五七七」(もしくは「五七五」)の各句の頭の1文字と、最後の1文字を拾ってみると意味のある言葉になる、という技法です。

桜咲くランドセルらももう稽古
(さくらさくらんどせるらももうけいこ)

ちょっと分かりにくいので、句ごとに改行します。

くらさ
んどせるら
うけい

「さくらももこ」さんの名前が隠れている俳句でした!
(とはいえ、出来がイマイチなのでいつかこの俳句は編集するかもしれません…)

お名前俳句でこの「沓冠」が使えるのは、6文字のお名前の人限定。6文字の名前の人を見つけたらぜひ作ってみてくださいね!

技法③ 折句

古文の授業で習った人も多いかもしれません。
先ほどの「沓冠」をもっとシンプルにしたもので、各句の最初の1文字を拾えば意味のある単語が浮かび上がるというものです。
こちらは俳句だと3文字分しか使えないので、短歌で紹介します!

掃除したクラスの壁の落書きは
照れ隠しの君澄まし顔

うじした
らすのかべの
くがきは
れかくしのきみ
ましがお

…どんな落書きをしたんでしょうね(笑)
それはさておき、各句の最初の1文字を拾うと、「ソクラテス」が出てきました!
お名前が5文字の人は、ぜひ折句を使ってみてくださいね!(「ん」のある人は、各句の末尾に配置してみてください)

以上、名前を俳句や短歌に詠み込む方法について書いてみました。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

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