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入社14年、はじめて会社で絶望した

不穏なタイトルだけれど、ちょっとずつ気持ちが消化できてきたので、書いておこうと思う

2023年3月初旬。私は、今の会社に入って初めて絶望した。

きっかけは、役員会議に参加してのプレゼン。
新規プロジェクトなんて大それたものではなくて、
年間で50万円ほどかかる、とある社外サービスの導入可否のお伺いを立てるという主旨のものだった。

詳細は省くが、サービス導入は後輩(入社4年目、うちのエース)が言い始めたもの。
かつ、私自身は社外サービスの導入は正直難しいだろうと感じていた。
会社全体や役員に対してのメリットが少なすぎたからだ。
(何の因果か、上長はそんな私にプレゼン話者を命じた。)

とはいえ、プレゼン自体にやる気がなかったわけじゃ無い。
どう考えても「ビミョー」な企画に対して何とか役員のYes.を引き出すために、
プレゼン当日に至るまで、魅力的なストーリーの組み立てに頭を使い、
会社全体にもメリットがあるようにサービスの運用方法も必死で考えた上で本番を迎えていた。

プレゼン結果は賛否両論。
個人的には、「ビミョー」な企画からこの状態なのだから、むしろ上々だ。

「…ということで、再プレゼン。頼むよ。」
「賛成派」だった社長は、ニコニコしながら私の隣に居た上長を見て言った。

プレゼン翌日、上長が私に嬉しそうに話しかけてきた。
「社長が褒めてたよ!」

えっ、何を? 大人になって褒められることなんてめったに無い。
何を褒められたんだろう…、と素直にワクワクした。

あの子、すごくしっかりしてるね!ってさ!」

………。
しっかりしてる。
うん、知ってる。

おそらくそれは、幼稚園頃からカウントして私の人生で一番多く人から頂戴してきた褒め言葉だ

社長。私はもう入社して14年になるんです。
アラフォーなんです。
「しっかりしてるかどうか」が評価軸である年齢はとっくに過ぎているんです。

勉強して資格も取って。
自分の倍くらいお給料をもらっているオッサン職員のフォローもして。
累計で300名以上の受講生のいる講座を何本も作って。

それでも、私はまだ「しっかりした女の子」としてしか会社の中で存在していなかったのですか

さらに、これは後から知ったこと。

上長は、自分の部下をアピールするためにランダムに選んだ部下を役員会議に連れて行くこと。
(だから広く社内に知られているエースの後輩ではなく、私が連れて行かれたのか。)

私がプレゼンした内容は、前もって上長から社長や数人の役員に根回しが行われていたこと。
(だから筋の悪いプレゼンでも賛否両論レベルまではいけたし、プレゼン後に社長は私でなく上長を見て再プレゼンを命じたのか。)

社内政治の中で、想定の範囲内の動きをしていただけだった私。
(ちなみに、再プレゼンでも当然のように「根回し」が行われ、つつがなくプレゼン内容は承認された。)

結局は、政治力。
数年前に読んだ『ビジネス・ゲーム』の内容が、重くのしかかってくるようだった。
そこからしばらく、平日の不眠、寝ている間の体のこわばり、あごの痛み(寝ている間に、奥歯を食いしばっているらしい)に悩まされた。

あの数日から、約1ヶ月。
不眠も徐々に回復してきた。(時間薬とはよく言ったものだ。)

心底イヤだと感じたことから、
むしろ自分はどうありたいのかを考えるようにしている。

突き放した言い方になるけれど、
斜陽産業である学習塾にあって、健全な議論すらできない会社は遅かれ早かれダメになるはずだ。
(自分の所属している会社が、そんな危うい状態にあると分かっただけでも今回の収穫だろう。

もし会社がダメになったとき、自分に何が出来るか。
「国語屋(つまり塾講師)」は分かりやすく出来ることだけれど、
やっぱり私は「ことば」でも生きていきたい。
そのためには、
転職するにしても、フリーランスになるしにても、
自分が「ことば」で何が出来るのか、ハッキリ答えられるようになりたい。
それを人に示すことに出来る、カタチあるものを作り上げていきたい。

ありがたいことに、尊敬する人から一緒にウェブライティングを学ぼうとお誘いを受けている。
会社にはマーケティング部があるけれど、
とれとは別で、部活のようなノリで「ミニマーケ部」をしてみようというお誘いももらった。
どちらにも「ことば」が欠かせない。
まずはそれを血肉化していこうと思う。
出来るか出来ないか。合うか合わないかわからないけれど、まずはチャレンジ。

【この経験で気付いた自分のこと】
・正当な承認が欲しいタイプだ。
・自分の仕事の舵は自分で取りたいタイプだ。
・納得できない仕事はしたくないタイプだ。
・国語屋としての実績以外には、対外的に示せるものが少なすぎる。(要努力!)

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