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#19 人ではなく、時計と競争するー人間国宝の仕事術

1月24日。大場 松魚さん。

「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」より。

大場 松魚さん(1916年~2012年)
漆芸家。
蒔絵の重要無形文化財保持者(人間国宝)

人間国宝。憧れる響き。
お箏界隈?の人間国宝の方の演奏をきいたことは
何度かあるけれど
全然違うのよね。
当たり前だけど。

漆の仕事なんて、月給を取って朝八時かた夕方五時まで働くなんていうもんではないんですよ。そんなことを言う者にろくな奴はおらん。そんなことじゃ職人には、仕事師にはなれないんですよ。
我われの仕事には、朝も夜も昼も夜中もないんです。
朝から晩までずっと漆から離れられない。
(中略)
だから私は時計と競争する。
夜も夜中もあったものじゃない。
例えば一つの品物を作るのに、この一面はさっき一分で塗れた。
じゃあ次は五十五秒で塗る。
それも同じように、きれいにきちんと仕上げる。
だからトイレに立てば立った分だけ、時計は先に進んで仕事は何もできない。といって、垂れ流しにするわけにもいかんし。
忙しい時はたとえ十秒でも五秒でも無駄にはできん。
時計と競争してこいつを負かすことはなかなかできませんけどね、時々は勝つようなことがありますよ。
何時までにこの仕事をするんだと決めて、それよりも早くできることがあるから。

もう生活の一部、自分の一部なんですよね、きっと。
でも、技を磨くことをいつまでも忘れない。
それが、時計と競争することなのでは…と思った。

職人の世界は、すごい。


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