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夜明け前の、誰かの歌声が好きだ・・

街は、夜中も、車の走る音。

昼間ほどもないが・・。

昨日は、金曜日。

今日は土曜日。

きっと、誰かが、普段の吐口を声にして、何の歌か知らないが、

掠れた声で、大声で、歌いながら、歩いていく音。

余程、車の大音量のヒップホップ系の賑やかな、作られた音よりも、心に響く。

街は、冷たい。

街は、冷たいが、今日も誰かの歌声が、響く。

隙間を縫って、静寂の時もある。

その静寂すら、音と音の重なりで出来上がった、重厚な欺瞞の静寂ってことは、分かってはいても。

夜明け前は、何故だか、心が活動する。

冷蔵庫の音が、微々ビビ、、ビビと、唸っている。


(おわり)



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