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花あれば、心躍る⑦

鎧を脱いで 身体が軽くなった コウヤくんは 次第に 足取りも軽くなり スキップをしながら 鼻歌をうたって 楽しそうに 歩いています。

すると 道の脇に きれいな 黄色い菜の花が 咲いていました。
そのお花は なんだか まるで あの女の子のようだと コウヤくんは思いました。
コウヤくんは 菜の花を 1本摘んで カバンにしまいました。


その瞬間に、コウヤくんが持っていた地図に 少しだけ 道が浮かび上がりました。


コウヤくんは 地図を確かめて 指し示す道に向かって 走り始めました。
早く強くなりたい! 早く目的地にたどり着きたい!という想いで ただひたすら無心で 走りました。


すると 次第に息が上がり 心臓がバクバクと 音が聞こえるくらい なり始めました。


コウヤくんは 心臓の音にびっくりして 走るのをやめました。
立ち止まると 身体中に 血が巡るのが わかるほどに 身体が熱くなり 顔が真っ赤になって 汗もポタポタと たれはじめました。


心臓は バクバクしていたのが 次第に ドックンドックン と 胸の中で とてもとても大きく 動き出しました。
まるで 心臓自体が 生きているかのようです。


コウヤくんは 心臓の音とともに 胸の中から 誰かの声が 聴こえた気がしました。


かすかに聞こえた 誰かの声を聴こうと コウヤくんは 耳をすませますが 
そこに居合わせた 猿が 「キーッ、キーッ!」と音を立てて なかなか聞こえません。 


コウヤくんは 猿に「静かにして、し―!」 と言って黙らせ もう一度 胸の奥から 聞こえる声に 耳をすませてみました。


すると、なんと コウヤくんの 身体の中から ココロが スーッと抜け出したのです!

(続く)


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