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おばあちゃんの旅立ち



先週、父方の祖母が天国へ旅立ちました。
96歳、大往生でした。


父方の祖母は大正15年生まれ。大正昭和平成令和の4つの時代を生きてきた事になります。本当に立派でした。



笑顔が素敵な優しいおばあちゃんでした。
おばあちゃんからは怒られた記憶はなく、とても優しく育ててくれた記憶ばかりです。
私が東京に出てきてからも、実家に帰ったらいつも定位置に座っていて、当たり前のように存在していて、温かく見守ってくれていた、とても素敵なおばあちゃんでした。


離れて暮らしていても、私の中ではとても存在感が大きかったです。


3年前におばあちゃんの入所していた施設でボランティア演奏をして以来、コロナの影響もあって全然会えず、やっと会えたのが2ヶ月前の昨年末12月半ば、演奏会の為に帰省していた時でした。


感染防止の為、たった15分の面会。
コロナ禍の間におばあちゃんは要介護5(全介助)になり、ほぼ寝たきり状態ではありました。私の事はもうわからないかもしれないけれど、可能な限り声をかけ、手をずっと握っていました。とても温かい、昔のままの手の温かさでした。『また来るちゃね』そう言って帰りましたが、その15分間が、おばあちゃんと会った最後になってしまいました。



少しずつ覚悟はしなくてはいけないのかなぁ…でも、何だかんだ強いおばあちゃんなので、100歳越えるんじゃないかなぁなんて思っていました。なので、大往生ではあったけれど、やっぱり悲しいです。


最後の面会の時、子供(祖母から見たらひ孫)も富山にいましたが、面会は一人までとの決まりで…少し無理を言ってお願いはしてみましたが、やはり安全の事を考えると覆らず…おばあちゃんに子供を会わせてあげられなかったのが本当に残念でした。



知らせを受けて、すぐに地元に駆けつけようとしましたが、父に止められました。このご時世ですし、東京の感染者が凄いことになっている、地元も感染者過去最多を毎日のように更新している、実家の私の母は基礎疾患があります、そして小さな子供を連れてバタバタと帰省するのは大変だろう、と。



それでも帰りたい、やっぱり大好きなおばあちゃんに最後のお別れをしたい、止められたけれどお葬式だけでも、親に知らせずに突然帰ってしまおうか…ギリギリまでそう思っていました。

でも、やはり私が帰る事で迷惑をかける、それはするべきではないですし、何より、おばあちゃんに「無理しられんな〜」と言われているような気がしたので、ギリギリまで悩みましたが、東京から見送る事にしました。


帰らない事になって、すぐに私は自宅で一曲、自分の演奏を録音しました。
美空ひばりさんが好きだった祖母の為に『川の流れのように』を録音し、CDにしました。


それから、数枚のおばあちゃんとの写真。


そしてお手紙。


棺に入れて、天国へ持っていって欲しいと思い、急いで用意して実家へ送りました。



祖母は着物がとても好きな人でした。
家にも着物が沢山あって、その中でも一番良い【色留袖】を、白装束の上に着せてあげたそうです。

一番良い着物を着て旅立って欲しい、という母の希望でした。その姿の写真も見ましたが、とても素敵な姿でした。



お通夜と葬儀は家族葬で、しめやかに行われたそうです。



私の録音したCDは棺に入れられないとの事だったようで、葬儀で流してくれたそうです。急いで録音したもんだからきっと、「もうちょっと上手く吹かれま〜」とおばあちゃんは思っていた事でしょう。

手紙は棺に入れる前に、家族の誰かが代読してくれたみたいです。


こんな事しか出来なかったけれど、きっと、おばあちゃんには想いが届いたと信じてます。


家族葬の後に、地元の新聞のお悔やみ欄に祖母の死去の知らせが掲載されました。
すると、新聞を見た近所の方や知り合い、多くの方々が家に弔問にいらっしゃったそうです。


とても人望が厚く、友達も多い祖母だったので、家族葬じゃなかったらきっと、沢山の方々が葬儀に参列してくれたんだと思います。


今も続々と、実家には祖母へのお花が沢山送られてくるようです。


父方の祖父は、私が1歳の時に若くして他界しました。なので、祖父と祖母は今頃、約40年振りに天国で再会している事でしょう。


それに、沢山のお友達も、先に旅立たれた方が殆どだそうなので、向こうで久しぶりにお茶でもしながら楽しく思い出話でもしているかなぁ。


おばあちゃんがいなくなっちゃったのは悲しいけれど、おじいちゃんと久々に過ごしたり、お友達と楽しくお茶してるんだろうなぁと思うと、『長い人生お疲れ様でした。これからは向こうで楽しく過ごしてね』という気持ちにもなりました。


そして、私達や家族、何より子供の成長を温かく見守って欲しい、そういう気持ちです。


おばあちゃん、長い間ありがとう。
どうか、安らかに。。。

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